VOL.196 SEPTEMBER 2024
JAPAN’S ENJOYABLE PUBLIC AQUARIUMS 沖縄の海の魅力を伝える「沖縄美ら海ちゅらうみ水族館」

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世界最長飼育記録を更新中のジンベエザメの“ジンタ”などが泳ぐ「黒潮の海」水槽。
Photo: 国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美らちゅらうみ水族館

沖縄県には「沖縄の海との出会い」をテーマにした水族館がある。「沖縄美らちゅらうみ水族館」だ。世界最長飼育記録を更新中のジンベエザメをはじめ、沖縄の海の魅力を伝えている。広報担当者に話を聴いた。

日本列島南西端に位置する沖縄県。その玄関口、沖縄本島の那覇なは空港から車で約2時間北上した西側、本部もとぶちょうの美しい海岸を臨む場所にあるのが「沖縄美ら海水族館」だ。2002年11月に開館したが、1976年にオープンした国営沖縄記念公園水族館を前身施設とする。沖縄美ら海水族館のスタッフは、その特徴と魅力についてこう話す。「当館は最上階の4階から入っていただき、順次下の階へ下りながら観賞いただく順路になっています。“沖縄の海との出会い”をテーマに掲げ、サンゴ礁が広がる浅瀬から、沖合の黒潮の海、さらには深海へと、あたかも沖縄の海を深く潜っていくようにして沖縄の海を観賞いただけると思います。」

世界有数の生物種が生息する沖縄周辺の海の浅瀬から水深700m付近までを再現。目の前の海から汲み上げた海水をふんだんに水槽に取り入れ、光・水質・透明度など自然に近い状態の飼育環境を保っている。

「館内に入ってすぐに現れる、約80種類460群体に及ぶ “サンゴの海”水槽は見応えがあります。これは、飼育員が本部町の海に実際に潜って見たサンゴ礁の風景を参考につくったものです。」


水族館前の海から新鮮な海水を供給し、太陽光が届く自然な環境に近い状態で飼育する「サンゴの海」の水槽。
Photo: 国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

サンゴ礁の観察エリアの次に現れるのが、多くの観光客がカメラを向ける「黒潮の海」水槽だ。全長22.5m、高さ8.2m、厚さ60cmの巨大アクリルパネルの向こう側に、全長8.8mにおよぶジンベエザメが悠々と泳ぐ姿を見ることができる。

「こちらで飼育しているジンベエザメは、まだ前身の「国営沖縄記念公園水族館」であった1995年3月から数えて飼育年数29年になり、同種の世界最長飼育記録を更新し続けています。全長9mにもなる世界最大級のエイ・オニイトマキエイは世界で飼育展示しているのはここだけです。体長が5mほどのナンヨウマンタは2007年に世界初の飼育下繁殖に成功しており、2024年8月にも出産がありました。」


主に沖縄以南、インド太平洋の温・熱帯海域に生息するナンヨウマンタ(写真中央右寄りの二匹)。
Photo: 国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

ほかにも深海コーナーでは世界初展示の生き物や新種など、沖縄美ら海水族館でしか見られない飼育展示が多いことも特徴だ。謎が多い深海生物の生態解明につなげるべく、沖縄周辺海域での深海調査にも力を入れている。


暗く神秘的な深海生物の水槽。
Photo: 国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

また、世界で初めての人工の装置によるサメの出産を成功させ、希少サメ類の研究、保全にも貢献しているという。館内でも“サメ博士の部屋”と称して、研究の成果などを展示している。


サメの標本などの資料を展示している“サメ博士の部屋”。
Photo: 国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

「沖縄美ら海水族館の「美ら」は「ちゅら」と読み、沖縄の方言で「美しい」という意味です。沖縄の美しい海を再現した水族館として、親しみやすく多くの人に覚えてもらえるようにという想いが込められています。距離的に近いアジア各国を始め海外の方々もこの頃多く来館され、関心を持っていただいています。パンフレットや公式ウェブサイト、アプリでは英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)に現在対応しています。また、館内表示は日本語のほかに英語が併記されています。世界中の方々に、この沖縄の美しい海をより深く知っていただけたらと思っています。沖縄にいらしたら、是非足を運んでいただければ幸いです。」


By TANAKA Nozomi
Photo: Okinawa Commemorative National Government Park (Ocean Expo Park) / Okinawa Churaumi Aquarium

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