VOL.196 SEPTEMBER 2024
JAPAN’S ENJOYABLE PUBLIC AQUARIUMS スケールの大きな展示で環太平洋地域の生き物を鑑賞できる「海遊館」

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世界最大の魚類ジンベエザメが2頭泳ぐ、水槽「太平洋」は深さ9m、最も長い部分で幅34m、水量にすると5,400tと巨大だ。
Photo: 海遊館

大阪府大阪市に世界最大規模の飼育展示数を誇る水族館がある。1990年7月の開館以来、来場者数が延べ約8,500万人にも達する、この水族館の特徴について担当者に話を聴いた。

新幹線が停車する交通の要所・新大阪駅から電車で約30分、関西国際空港からもバスに乗って約1時間で行ける大阪市湾岸エリアは、行楽地として多くの人たちが集まる。その一画、観覧車なども備えた複合施設内に、海遊館かいゆうかんがある。広報担当は特徴をこう語る。

「当館では約620種 30000点の生き物たちを飼育展示しています。‟すべてのものは、つながっている”をコンセプトに、太平洋を取り囲む環太平洋の各地域の自然環境を再現した展示をしているのが当館の大きな特徴です。」


個性的な外観でひときわ目をひく海遊館。大阪ベイエリアのランドマークだ。
Photo: ISHIZAWA Yoji

環太平洋火山帯*の各地域の名前がついた水槽の中でも、6階から4階までの館内中央をつらぬく巨大水槽「太平洋」には、大型魚のジンベエザメ**が悠然と泳ぐ姿が見られる。「海遊館のジンベエザメには愛称があり、オスはかい、メスはゆうです。個体が変わっても愛称は引き継がれて、お客様たちに親しまれています。成長すると12メートル以上になる世界最大のサメですが、その生態はまだ謎が多いです。海遊館では、日々の行動観察や全長計測で得られた飼育記録を蓄積しているほか、一定期間飼育した後に記録装置を取り付けて海へ放流することで、自然の海での回遊ルートなどを調査しています。」

「ほかに、「日本の森」の展示では、滝が流れ草木が茂る日本の森の風景の中でコツメカワウソが見られ、また、南西太平洋の一部,オーストラリア南東岸とニュージーランドとの間の海域「タスマン海」水槽のカマイルカ***たち、愛らしい姿が人気のアザラシが暮らす「北極圏」水槽など、それぞれにお客様に愛される人気者たちがいます」。


「日本の森」エリアのコツメカワウソ。
Photo: ISHIZAWA Yoji

「タスマン海」水槽のカマイルカ。背びれが鎌のように見えることから、その名前が付けられた。
Photo: ISHIZAWA Yoji

米国カリフォルニア州の太平洋に面した「モンタレー湾」水槽にいるカリフォルニアアシカ。
Photo: ISHIZAWA Yoji

また、外国人観光客向けに力を入れているのも海遊館の特徴だ。

「現在6言語のパンフレットを揃え、スタッフが常に気を付けて、挨拶や声掛けをするなどおもてなしにも心がけています。近隣にアミューズメントパークもあり、楽しく過ごせますので、是非ご来館ください。」


* 太平洋を取り巻く、南北アメリカ西岸・アリューシャン諸島・カムチャツカ半島・日本列島・フィリピン諸島やニューギニアを経てニュージーランドに至る地域に分布する火山の密集地域。
** 世界中の温帯から熱帯の沿岸及び外洋に生息する世界最大の魚類(サメの仲間)。 日本近海には、初夏から秋にかけて回遊する。
*** 北太平洋の温帯域に多く生息するイルカ。成体で約2mの大きさになる。群れを作って生活している。


By TANAKA Nozomi
Photo: Osaka Aquarium Kaiyukan; ISHIZAWA Yoji

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