VOL.196 SEPTEMBER 2024
JAPAN’S ENJOYABLE PUBLIC AQUARIUMS 世界最大級の淡水魚水族館「世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ」

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長良川の上流にある滝を再現した「滝壺の水槽」
Photo: ISHIZAWA Yoji

「世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ」の外観
Photo: ISHIZAWA Yoji

淡水魚に特化した「世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ」。淡水魚をじっくりと鑑賞するとともに、地域の自然環境や世界の河川環境を楽しく学ぶことができる水族館だ。

アクア・トトぎふの地図

日本列島のほぼ中央に位置する岐阜県。その約8割は山地で、北部は標高3,000メートルを超える山々が連なっている。南部には平野が開け(濃尾平野)、山地を源流とする「木曽きそ三川さんせん」と称される木曽川、長良川ながらがわ揖斐川いびがわ*が流れ、豊かな生態系をはぐくんできた。それらの川などに生息する淡水魚をメインとした、世界最大級の淡水魚水族館「アクア・トトぎふ」が2004年に各務原かかみがはら市に開館して今年20年を迎えた。今では年間約49万人が訪れる人気の観光スポットになっている。広報担当の津々木つつき たくみさんに、この水族館の特徴について話を聴いた。


長良川流域の自然を緻密に再現した4階の展示
Photo: ISHIZAWA Yoji

長良川の上流から河口へと川の変化とともに展示が変化していく
Photo: ISHIZAWA Yoji

「木曽三川の長良川源流から河口までと世界の淡水魚」をテーマにした淡水魚専門の水族館です。魚類、両生類合わせて約220種、20,000点を展示しています。館内は4階建てになっていて、それぞれ階ごとに特定の場所をテーマとして生き物を展示しています。4階は長良川の源流がテーマで、森や滝など、その自然環境を緻密に再現し、小型のサンショウウオの仲間などを間近に見ることができます。3階は、長良川の上流から中流、河口にかけて川を下るようなイメージで構成しており、ウシモツゴ**といった希少種を鑑賞することができます。


繁殖に成功したウシモツゴ
Photo: ISHIZAWA Yoji

2階と1階では、世界の河川に生息する淡水魚を展示しており、2階のメコン川エリアでは、世界最大級の淡水魚であるメコンオオナマズを見ることができます。また、1階のアマゾン川のエリアではピラルクーという大きなものだと体長4mにもなる巨大魚を見ることができます。ピラルクーは、1億年もの間、その姿を変えずにいると考えられていて、「生きた化石」とも言われています。また、1階にはゾウガメひろばやカピバラテラスといった水辺の生き物を観察できるエリアや、チョウザメに直接ごはんをあげられる清流ふれあいプールもあって、こどもたちに人気です。」


メコン川に棲息する世界最大級の淡水魚メコンオオナマズ(全長:約2m)は圧巻
 Photo: ISHIZAWA Yoji

さらに、この水族館では、絶滅危惧種の保全に力をいれている。

「オープンからこれまで、ウシモツゴやイタセンパラ***など地域の絶滅危惧種の保全活動を地道に進めてきました。その取組が認められ、2018年に環境大臣より国内最初の「希少種保全水族館」に認定されました。」


国の天然記念物に指定されているイタセンパラ
Photo: 世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

2024年にオープンした屋外エリアでは、タナゴの仲間であるシロヒレタビラなどの水辺の生物が観察できる。
Photo: ISHIZAWA Yoji

海外から訪れるかたには、是非水族館の展示空間全体を体験してほしいと話す。

「魚を見るとともに、岐阜の自然環境や世界の河川環境を凝縮した水族館の展示で、その豊かさを感じてほしい。」

機会があれば、この淡水魚に特化した水族館を訪ねたい。


* 木曽川・長良川・揖斐川の3河川を幹川とする「木曽川水系」は、流域面積9,100㎢と日本では有数の広さだ。長さ(幹川流路延長)は、木曽川が約229㎞、長良川が約166㎞、揖斐川が約121㎞。
** コイ目コイ科の淡水魚。濃尾平野に広く分布していたと考えられるが、現在では、いくつかのため池や水路にのみ生息しており、絶滅が心配される。
*** コイ目コイ科の淡水魚。国の天然記念物に指定されている。岐阜県では絶滅したとみられていたが、偶然にも2005年に水族館スタッフが木曽川で本種を確認し、環境省に働きかけたことから、保全活動が始まった。


By MOROHASHI Kumiko
Photo: ISHIZAWA Yoji, World Freshwater Aquarium Aquatotto Gifu

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