VOL.196 SEPTEMBER 2024
JAPAN’S ENJOYABLE PUBLIC AQUARIUMS イルカとのふれあいを楽しめる「下田海中水族館」

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1967年に開館した下田海中水族館。円形型の船「アクアドームペリー号」が見える。
Photo: ISHIZAWA Yoji

日本列島のほぼ中央部に富士山がそびえているが、その南側、太平洋に突き出ているのが伊豆半島だ。その先端に位置する下田市にある下田海中水族館は、様々な形でイルカとのふれあいが楽しめるほか、楽しく学べる施設が盛りだくさん。海に生息する生き物が身近に感じられる水族館だ。

下田海中水族館がある静岡県下田市は、伊豆半島の先端、海と山に囲まれた温暖な地域だ。東京都心から140km圏内、新幹線や特急電車利用で日帰りも可能である。

下田は1854年に日本で最初に開港*した歴史のある港町だ。ノスタルジックな風情が漂う、豊かな自然に恵まれた町として観光地として人気が高い。


入り江を利用した海上ステージでは、イルカのジャンプなどを見ることができる。
Photo: ISHIZAWA Yoji

そんな港町・下田にある下田海中水族館の飼育員、安田やすだ 健太けんたさんに施設の特色を教えていただいた。

「当館は、天然の入り江「和歌の浦」をそのまま水族館の一部に活用した全国的にも珍しい水族館です。この入り江は水面の表面積が18,000m2もあり、イルカなどの生き物たちがのびのびと暮らす様子を見ることができます。また、「アクアドームペリー号」という入り江に係留した円形型の船が展示スペースのメインとなっており、伊豆半島の周辺の海中の再現をテーマとして、魚類や無脊椎動物、海藻など50種10,000点もの生物を展示しています。さらに、伊豆の海の生物館「うみめぐり」では伊豆近海に生息している生き物を展示しています。照明の工夫で見やすくした、水のゆらぎや魚およびサンゴなど、その特徴を間近に観賞することが可能です。」

下田海中水族館の大きな特徴は、ショーやふれあいプログラムが充実していること。特に、世界で唯一のアシカによる水中ショー「アシカショー」を行っているほか、イルカとの直接のふれあいを楽しめる多彩なプログラムが用意されている。


世界で唯一のアシカによる水中ショー
Photo: ISHIZAWA Yoji

「イルカと直接ふれあう企画は、日本の水族館ではここで初めて実施されました。イルカにエサを与えてふれあえる「ドルフィンフィーディング」、イルカの生態を学ぶ「イルカの学校」などの体験プログラムに加え、イルカの大ジャンプなどが見ることができ、大変人気です。」


入り江にいるイルカにエサを与えて、ふれあうことができる。
Photo: ISHIZAWA Yoji

浅瀬にやってきたイルカとふれあうことができる「ドルフィンビーチ」
Photo: ISHIZAWA Yoji

人気者のイルカたちなどの飼育には、特に細心の注意を払っているという。

「飼育している生き物は、定期的に体温測定や血液検査などを実施するなど、健康管理を徹底して行っています。また、生き物を飼育している施設の点検も毎日行っています。体験プログラムなどで行っている内容は、動物たちが本来持っている様々な優れた能力を公開展示する趣旨ですから、動物たちの体調には最善の注意を払っております。」

この水族館では、海外から訪れる人のために英語サイトを用意しているほか、イルカの体験プログラム実施の際にも外国人の参加が増えてきているため、飼育員は小型の通訳機を所持して英語での対応も行っている。

「体験プログラムでは、生き物との距離が近いことから、微細な表情や動きを間近で見ることができます。この水族館は体験型水族館ですから、お越しいただいたら普段なかなか接することができない生き物とたくさんふれあっていただきたいです。」と安田さんは強調した。


* 1853年にアメリカ合衆国のペリー艦隊が下田に来航し、翌1854年に日米和親条約が締結されたことで日本初の開港場となった。


By MOROHASHI Kumiko
Photo: ISHIZAWA Yoji

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