VOL.193 JUNE 2024
SUMMER FUN IN JAPAN: SEASIDE FESTIVALS AND EVENTS 南の島の海を疾走するシーカヤックのレース


奄美あまみ大島おおしま古仁屋こにや漁港からスタートし、一気に漕ぎ出すシーカヤック大会の参加者。
Photo: 瀬戸内町

奄美あまみ大島おおしまから加計呂麻かけろま島を臨む大島海峡の景色。この海峡がシーカヤックのレースの舞台だ。

毎年夏に、鹿児島県の奄美あまみ大島おおしまを発着点とするシーカヤック大会が開かれている。全国から多くの参加者が集まる、国内でも最大規模の大会だという。この大会主催者に話を聴いた。

日本の九州地方の最南部に位置する鹿児島県は、大小さまざまな有人離島が28*あり、日本の中でも有数の離島県だ。その中で、最大の島が奄美あまみ大島おおしまだ。鹿児島市から南へおよそ380kmの海上に位置し、全国の離島の中でも5番目に大きな島**だ。鹿児島県と沖縄県のほぼ中間に位置し、四季を通じて温暖多湿な亜熱帯海洋性気候のため、マングローブ***の原生林があるなど、豊かな自然と景勝地を有している。

この奄美あまみ大島おおしまと、隣接する加計呂麻かけろま島で、毎年7月に「奄美あまみシーカヤックマラソンIN加計呂麻かけろま大会」が開かれている。海で楽しむためのカヌーの一種である、シーカヤック****で行うレースだ。加計呂麻かけろま島は、奄美あまみ大島おおしまの南端の古仁屋こにや港からフェリーで15分ほどの近い島だ。このレースは、シーカヤック競技大会としては、国内最大規模の大会だという。主催する鹿児島県瀬戸内町水産観光課に大会の様子を聴いた。


スタート直後は艇がひしめきあい、海峡を渡っていく。
Photo: 瀬戸内町

奄美あまみ大島おおしまの南端部の沿岸と加計呂麻かけろま島の間の大島海峡に設けられたコースをシーカヤックで巡り、そのタイムを競います。奄美あまみ大島おおしま古仁屋こにや港をスタートし、加計呂麻かけろま島の2カ所の浜へ上陸し、たわら小島こじまを経て古仁屋こにや港へ戻るコースが約33km。コースにある3カ所の上陸チェックポイントを訪れるルールで、各ポイントでは地元の人から飲み物などが振る舞われ、地元の方たちも、参加者たちとの交流を楽しみにしています。チェックポイントのたわら小島こじまを減らした、約20kmのハーフコースもあります。昨年2023年は全国から360人が参加。2024年は7月6日と7日の二日間にわたり開催予定です」。例年、200ていから250てい、参加者にして350名から400名がレースに参加、毎年欠かさず出場する人も少なくないという。シーカヤックに乗って、サンゴ礁が広がる奄美の美しい海と、加計呂麻かけろま島の雄大な自然を間近に堪能することができるのも人気の理由だ。遠地からのリピーターの参加者は、「海でのマラソン大会のごとく達成感がある」、「島の皆さんが用意してくれたおにぎりの味が忘れられない」など、タイムを競うだけではなく、上陸したときの島民との触れ合いまで、思い思いにレースを楽しんでいる様子だ。


シーカヤック大会の決められた上陸ポイントを巡るレース参加者。住民から温かな声援が送られる。
Photo: 瀬戸内町

上陸ポイントの一つ、加計呂麻かけろま島のスリ浜。白砂の美しいビーチだ。

まだ国外からのレース参加者はまだないそうだが、準備が整えられるならエントリーは可能だという。もちろん、レースの見学だけに島を訪れ、上陸ポイントで島の人たちと一緒に応援して、青い海と美しいビーチを堪能するのも楽しい。是非一度、シーカヤック大会が開催される夏に奄美あまみ大島おおしまを訪れて、日本の南の島の海の魅力に触れてみてほしい。


レース終了後の後夜祭では、表彰式に加えてミュージシャンによる演奏などもあり、参加者たちは思い思いに楽しむ。
Photo: 瀬戸内町

*鹿児島県「パンフレット「かごしまの島々」」より引用。
** 国土地理院2023年4月1日時点の、電子国土基本図から測定した面積による。
*** 熱帯、亜熱帯地域の淡水と海水の混ざり合う場所に生育する植物群落や森林の総称。
**** 海で楽しむカヌーの一種。座席の部分以外が甲板で覆われて、波が来ても船内に水が入りづらく、安定性や直進性に優れている。


By TANAKA Nozomi
Photo: Setouchi Town; PIXTA

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