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July 2022

国籍の選択

  • 国籍選択イメージキャラクター「せんたん」

日本政府は、国籍法により、外国の国籍と日本の国籍の両方を有する人は、法律で定められた期限内に、どちらか一つの国籍を選択する必要がある旨定めている。ここでは、そのための手続を紹介する。

国籍選択イメージキャラクター「せんたん」

外国の国籍と日本の国籍を有する人(重国籍者)は、22歳に達するまでに (20歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)どちらかの国籍を選択する必要があったところ、民法の成年年齢の引下げに伴い、2022年4月以降は、20歳に達するまでに(18歳に達した後に重国籍になった場合は、重国籍になった時から2年以内に)どちらかの国籍を選択する必要があることとなった。

なお、選択期限を過ぎてしまった場合であっても、重国籍者はどちらかの国籍を選択する必要がある。国籍法上、期限内に日本の国籍の選択をしなかったときには、法務大臣は、国籍の選択をすべきことを催告することができるとされており、催告を受けた日から1か月以内に日本の国籍の選択をしなければ、原則としてその期間が経過した時に日本の国籍を失うこととされている。

Ⅰ 国籍の選択をしなければならない人

重国籍となる例としては、以下のような場合がある。

1 日本国民である母と父系血統主義を採る国(例えば、クウェート)の国籍を有する父との間に生まれた子
・父系血統主義とは、その国の国籍を有する父の子として生まれた子に、その国の国籍を与える主義。

2 日本国民である父又は母と父母両系血統主義を採る国(例えば、韓国)の国籍を有する父又は母との間に生まれた子
・父母両系血統主義とは、その国の国籍を有する父又は母の子として生まれた子に、その国の国籍を与える主義。

3 日本国民である父又は母(あるいは父母)の子として、生地主義を採る国(例えば、アメリカ)で生まれた子
・生地主義とは、その国で生まれた子に、その国の国籍を与える主義。

4 外国人(例えば、カナダ)父からの認知、外国人(例えば、イタリア)との養子縁組、外国人(例えば、 イラン)との婚姻などによって外国の国籍を取得した日本国民

5 帰化又は国籍取得の届出によって日本の国籍を取得した後も引き続き従前の外国国籍を保有している人

Ⅱ 国籍選択の方法

国籍を選択するには、自己の意思に基づき、以下のいずれかの方法で選択する。

1 外国の国籍を選択する方法

(1)日本の国籍を離脱する方法
住所地を管轄する法務局・地方法務局又は大使館・領事館に戸籍謄本、住所を証明する書面、外国国籍を有することを証明する書面を添付して、国籍離脱の届出を行う。

(2)外国の国籍を選択する方法
当該外国の法令により、その国の国籍を選択したときは、外国国籍を選択したことを証明する書面を添付の上、市区町村役場又は大使館・領事館に国籍喪失の届出を行う。選択の手続については、当該外国の政府又はその国の大使館・領事館に相談する。

2 日本の国籍を選択する方法

(1)外国の国籍を離脱する方法
当該外国の法令により、その国の国籍を離脱した場合は、その離脱を証明する書面を添付して市区町村役場又は外国にある日本の大使館・領事館に外国国籍喪失の届出を行う。 離脱の手続については、当該外国の政府又はその国の大使館・領事館に相談する。

(2)日本の国籍の選択を宣言する方法
市区町村役場又は大使館・領事館に「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄する」旨の国籍選択の届出を行う。国籍選択の届出をすると、選択義務を履行したこととなるため、法務大臣からの催告を受けることはないが、日本国籍を選択しても外国国籍を喪失しない場合は、外国国籍の離脱に努めなければならないこととされている。

注記: 本記事は法務省の了解の上、同省の公表資料に基づき作成している。

国籍選択の流れ(概要)
国籍選択の具体的方法