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February 2022

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日本の鉄道を愛するイギリス人

  • 四国の瀬戸大橋を渡る列車からロビンズさんが撮った瀬戸内海
  • ロビンズさんが手配した、岡山電気軌道の貸切電車ツアー (右から2番目)で、海外からの列車愛好家たちと
  • 近鉄の列車「つどい」の足湯のある車両に乗るロビンズさん
  • 1990年代に小田急電鉄の列車と写るロビンズさん
  • 海岸線を走る列車で旅をするのが好きなロビンズさん。新潟県青海川駅で撮影した風景。
  • ロビンズさんの最も好きな列車の一つ、近鉄「ひのとり」
  • ロビンズさんらが編集に携わる英国日本鉄道友の雑誌 「Bullet-In」近刊の表紙
  • ロビンズさんの「鉄印帳」
近鉄の列車「つどい」の足湯のある車両に乗るロビンズさん

イギリス出身のアントニー・ロビンズさんは、30年以上にわたって日本の鉄道の魅力を伝える活動に取り組んでいる。

1990年代に小田急電鉄の列車と写るロビンズさん

鉄道発祥の国・イギリスに、日本の鉄道についての愛好家の団体「英国日本鉄道友の会」がある。イギリスを始めヨーロッパの国々、アメリカ、オーストラリア、日本など各国に、170人余りの会員を持つ。同会は多いときで300人ほどの会員を抱えていた時期もあったという。イギリス出身のアントニー・ロビンズさんは、1991年の会発足時からの会員だ。

ロンドンで生まれたロビンズさんは、3歳、4歳のときには、すでに鉄道が大好きだったと言う。「幼少の頃は、よく母にせがんで、電車を見るために散歩に出かけていました。もちろん、日本の新幹線のことも、子どもの時から本を読んで知っていましたよ」というロビンズさん。将来は交通関係の仕事に就きたいと考えていたが、その機会に恵まれることはなかった。しかしロビンズさんの鉄道への興味は失われることはなく、もっとも大切な生涯の趣味となった。

海岸線を走る列車で旅をするのが好きなロビンズさん。新潟県青海川駅で撮影した風景。

日本に初めて来たのは1983年。東京にあるイギリスの団体が運営するの学校で英語を教える職に就くためだった。その後帰国し、大学で修士課程を修了。1995年、英語の教員として再び日本の大学に招聘され、日本に住むことになった。以来、ロビンズさんは、「英国日本鉄道友の会」の会報誌の編集に携わり、日本の鉄道の最新情報を届けたり、来日する会員のために旅行日程のアドバイスをしたりといった活動を続けている。

四国の瀬戸大橋を渡る列車からロビンズさんが撮った瀬戸内海

ロビンズさんは、これまでのツアーを手配し、2~3週間かけて一つ以上の地方を巡って、列車の車庫や鉄道車両の工場の見学、歴史や文化に触れる鉄道の旅など、海外の日本鉄道マニアにとって魅力にあふれたプランを企画してきた。しかし、ここ2年間はコロナ禍で活動ができず、活動再開を心待ちにしている。

ロビンズさんが手配した、岡山電気軌道の貸切電車ツアー (右から2番目)で、海外からの列車愛好家たちと

ロビンズさんは、日本の鉄道の魅力について、「まず、世界的によく知られている通り、日本の鉄道の時刻は正確。車掌や運転手も仕事にプライドがあり、彼らの安全確認のための動作などは、見ていて本当に気持ちの良いものです」と語る。そして「日本の鉄道はバラエティ豊かなところが楽しいですね。新幹線もあれば、地域の会社や第三セクターが運営するローカル線もある。路面電車が巡らされた都市もありますし、イギリスほどではないが蒸気機関車が走る路線もあります」

ロビンズさんの最も好きな列車の一つ、近鉄「ひのとり」

さらに、山や川など地形の変化に富み、四季によっても変わる車窓からの景色が多種多様であるのも、日本の鉄道の魅力だと言う。ロビンズさんのお気に入りは、海岸線を走る路線。「例えば」と、宮崎県の海と鹿児島県の桜島の雄大な眺めが良い日豊(にっぽう)本線、瀬戸内海の島影が美しい山陽本線、橋の技術の素晴らしさが見られる瀬戸大橋線、日本海と日本アルプスを望める氷見(ひみ)線など、ロビンズさんは、各地のJRの路線の名を次々と挙げる。「私鉄なら、近畿日本鉄道や小田急電鉄などの特急列車が、車両もスタイリッシュで快適で素晴らしい」、と枚挙にいとまがない。

ロビンズさんらが編集に携わる英国日本鉄道友の雑誌 「Bullet-In」近刊の表紙

それでも「日本全国の鉄道を乗り尽くしてはいない」とロビンズさん。「大学を退官して時間ができたら、第三セクター鉄道が連携して発行している「鉄印帳」にスタンプを集めて回る、のんびりとした旅をしたい」という。

ロビンズさんの「鉄印帳」

南北に細長い国土を縦横無尽に走る日本の鉄道は、総延長約2万7千キロメートルに及ぶという。どの路線を選んで、どんな季節に旅するのか―、と新たなプランに思いを巡らすことも、コロナの影響のある今の時期、大きな楽しみとも言う。