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  • 紙飛行機を飛ばすアンドリュー・デュアーさん
  • 子どもたちに紙飛行機の折り方を教えるデュアーさん
  • 美濃和紙で作られた紙飛行機
  • 数え切れないほどの紙飛行機が飾られているデュアーさんの自宅の部屋
  • 美濃和紙で作った紙飛行機(クリケット)
  • テントウムシの紙飛行機
  • デュアーさんの指導で園庭で紙飛行機を飛ばす子どもたち

December 2021

日本の空に紙飛行機を飛ばすカナダ人

紙飛行機を飛ばすアンドリュー・デュアーさん

日本の紙飛行機に魅せられたカナダ出身のアンドリュー・デュアーさんは、日本の生徒や海外の人々と 紙飛行機への愛情を分かち合っている。

子どもたちに紙飛行機の折り方を教えるデュアーさん

「1枚の紙を折って作ったり、紙から切り出したパーツを組み立てたりする紙飛行機には、子どもの遊びにとどまらない、奥深さがあります」と語るのは、カナダ出身のアンドリュー・デュアーさん。岐阜県に在住するデュアーさんは、東海学院大学で図書館情報学の教授と同大学付属幼稚園の園長を務めながら、紙飛行機作家として国内外で活躍している。

美濃和紙で作られた紙飛行機

デュアーさんは、「作品そのものを見て楽しむこともあるものの、紙飛行機の一番の魅力は“飛ぶ”こと」だと言う。動力を持たない紙飛行機は、翼の浮力だけで飛ぶ。単純な仕組みではあるが、うまく飛ぶような理に適った形につくらないと飛ばない。「それを格好よく言えば、紙飛行機は、“空に認められて飛ぶ”のです」とデュアーさんは語る。

数え切れないほどの紙飛行機が飾られているデュアーさんの自宅の部屋

デュアーさんは、独自の紙飛行機を多く作り出してきた。考案した紙飛行機の折り方には、左右非対称型、胴に膨らみを持たせた立体型など、常識をくつがえすものが数多くある。これまで、デュアーさんは紙飛行機が飛ぶ仕組みの解説や、実際の飛行機を紙飛行機として再現した作品の紹介など、実に40冊以上の本を英語あるいは日本語で著し、北米を始め、世界各国で高く評価されている。

美濃和紙で作った紙飛行機(クリケット)

デュアーさんが初めて紙飛行機を知ったのは、トロントで子どもの時に出会った1冊の本からだった。それは紙飛行機の1967年国際大会を紹介した本。デュアーさんは、その本の中でも、優勝者の日本人、二宮康明さんが作成した紙飛行機に特に強くひかれた。デュアーさんは意を決して二宮さんあて、英語で手紙を書いた。すると、デュアーさんの熱心さが通じたのか、ほどなく二宮さんから返信とともに、紙飛行機の型紙が載った本など数冊が届いた。以後、デュアーさんと二宮さんの交流は長く続くこととなった。

図書館情報学を専攻してトロント大学大学院修了後、1988年に留学の機会を得たとき、デュアーさんは日本を選択した。その後、日本で大学教授の職を得て、日本で暮らしている。デュアーさんの日本留学の大きな動機は、日本は紙飛行機作りが盛んで愛好者が数多く、全国規模の大会が開催されたり、様々な書籍が発行されたりと、一つの文化として紙飛行機が根付いていると感じたことにあった。

テントウムシの紙飛行機

日本で紙飛行機作りが盛んな背景には、長い歴史を持つ日本の紙の文化があるとデュアーさんは考えている。デュアーさんが住む岐阜県にも、日本でもっとも伝統のある和紙の一つ「美濃和紙」がある。美濃和紙は、薄くても、品質が均一で、繊細で美しい風合を持つ。また、耐久性も高いため、日本のみならず海外でも人気がある。デュアーさんは、この美濃和紙の特性を生かした、柔らかいフォルムで、淡く陽の光が透ける、美しい紙飛行機も作成している。

デュアーさんが自分の活動として主宰するワークショップでは、子どもから大人まで、誰もが夢中で紙飛行機を作るという。

デュアーさんの指導で園庭で紙飛行機を飛ばす子どもたち

デュアーさん自身、時々、自身が園長を務める幼稚園の園児たちと一緒になって、庭や公園で紙飛行機を飛ばすことを楽しんでいる。

「屋内で飛行距離や滞空時間を競うより、自然の中で飛ばすほうが楽しい」とデュアーさん。「紙飛行機を飛ばすために、空を見上げて風を感じる。紙飛行機が地面に落ちれば、そこにある小さな草花やキノコを見つける。たまに上昇気流に乗ると、そのまま紙飛行機が空の彼方へ吸い込まれることもある。そんな時は、子どもたちに、空が紙飛行機を欲しがったんだね、と話します」と優しく微笑むデュアーさん。紙飛行機への愛着とともに、日本の自然と子どもたちへの愛情にも満ちている。