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  • 「古典おりがみ」で折られた鶴
  • グラフィック折り紙の要素を取り入れた紙製のパッケージデザインの一例
  • 折っていくと沢山の立体的な顔を折りだす事ができる「ファニーフェイスカード」
  • 折る前の「ファニーフェイスカード」
  • 伝承折り紙をもとに生まれた「古典おりがみ」
  • 「古典おりがみ」を用いた鶴や亀、兜など日本古来のモチーフ

December 2021

折り紙をポップに

折っていくと沢山の立体的な顔を折りだす事ができる「ファニーフェイスカード」

“グラフィック折り紙”と呼ばれる、もとからカラフルな絵や柄がデザインされている紙を折るポップな折り紙が注目されている。

折る前の「ファニーフェイスカード」

カラフルな絵柄が印刷された1枚の正方形の紙を折っていくと、亀や鶴、ファニーフェイス(面白い顔)、指人形などが出現する。そんな“グラフィック折り紙”を創作するCOCHAE(コチャエ)は、2003年、「折紙をもっとポップに!」をキーワードに結成された。現在は3人のグループとして活動し、グラフィック折り紙のほか、パッケージデザインなども手掛けている。

結成当時、日本の折り紙は無地の紙を折るのが一般的だった。そんな中でCOCHAEが発表した絵柄つきのポップな折り紙は斬新で、たちまち話題になった。

伝承折り紙をもとに生まれた「古典おりがみ」

COCHAEの中心メンバー、軸原ヨウスケさんは、「当時は絵柄付きの折り紙は売られておらず、無地の紙に絵を描くこともハサミで切ることも、一般的ではありませんでした。しかし、私たちはそんな従来の折り紙のイメージにとらわれず、“遊びのデザイン”をテーマとして作品づくりに取り組んできました」と言う。

実は軸原さんは複雑で難しい折り紙は苦手だという。そこで、より簡単で楽しい折り紙作品をつくりたいと考え、注目したのが、鶴や蛙、風車や紙コップなどをシンプルに折る、日本の伝承折り紙だった。

「古典おりがみ」で折られた鶴

「伝承折り紙は、人の手から手へと伝えられていくうちに変化し、誰でも簡単に折れるようなつくり方で完成したものです。その魅力は、“ポップにもつながる”シンプルな美にあります。たとえば、その代表的な古典折り紙の一つ“鶴”は、本物の鶴の姿とは、厳密にはかけ離れた形ですが、造形が大変美しく、比較的簡単に折ることができます」と軸原さんは言う。

伝承折り紙をもとに生まれた「古典おりがみ」のシリーズは、折り方図付きで鶴や亀、兜など日本古来のモチーフを作れる6種類の折り紙がセットになったもの。それぞれのモチーフに応じて、折り上がりに合わせた図柄が印刷されており、浮世絵のようにカラフルで、幾何学的なデザインの作品を手軽に作ることができる。これは、COCHAEの定番商品となっており、海外へのおみやげとしても人気がある。

「古典おりがみ」を用いた鶴や亀、兜など日本古来のモチーフ

また、目と口だけをいくつか描いてある1枚の紙を使い、折り方を変えると、実に様々な顔をつくり出せることにメンバーで遊んでいる中で気づいた。そこで生まれたのが「ファニーフェイスカード」。この商品を使い、参加者に自由に折ってもらうワークショップを開催すると、小さい子どもからお年寄りまでの様々な折り方の作品が出来上がり、毎回、見たことのない顔が生まれるという。

グラフィック折り紙の要素を取り入れた紙製のパッケージデザインの一例

近年のCOCHAEの作品では、グラフィック折り紙の要素を取り入れた紙製のパッケージデザインも注目されている。“だるま”(仏教僧・達磨の坐禅姿を模した置物)をモチーフにした調味料のパッケージが、日本の女性ファッション誌に取り上げられるほど話題になった。

「メキシコで折り紙のワークショップを開催したときには、1枚の紙が様々な形になることがとても驚かれ、“魔法使いだ”と言われました。将来は、例えば折り紙で、折り紙をモチーフにした遊具や公園をデザインして、折り紙をもっと楽しんでもらう場所をつくることができたらいいなと考えています」と軸原さんは話す。

固定概念にとらわれない発想が、新たな折り紙の世界を切りひらいている。