Skip to Content

The online magazine HIGHLIGHTING JAPAN

INDEX

Language
  • 打ち水
    道や庭に水を撒く「打ち水」は気化熱により、夏の暑さを和らげるための日本の習慣である。最近では、ヒートアイランド対策や地球温暖化対策としても、打ち水が評価されている。

日本の特有の水の付き合い方

  • ししおどし
    水と音によって、日本庭園の趣ある雰囲気を演出する装置「ししおどし」(鹿威し)。空洞の竹筒が、シーソーのように、中心部分を支点にして、上下に動く構造。竹筒に流し込む水の重みを利用して、竹筒を上下運動させ、竹筒の一方の端を地面に置いてある石に当て、心地よい音を出す仕組み。もともとは、田畑を荒らすシカやイノシシを、音によって追い払うためのものであった。
  • 水舟(みずぶね)
    岐阜県郡上市には「水舟」と呼ばれる特有の水利用システムがある。水舟は家に2〜3の水槽を横並びに段差を付けて置き、湧水や山水を上の水槽から下の水槽へと流すシステムである。住民は、上の水槽の水を飲用や食物のすすぎに使い、下の水槽の水を食器などの洗浄に使う。下の水槽で出た食べかすは、そのまま家の池で飼っているコイなどの魚のエサとなり、水は自然に浄化されて川に流れこむ仕組みになっている。
  • 円筒分水
    水争いを防ぐために、農業用水を平等に分け合う施設「円筒分水」。河川などの水源から円筒状の槽に水を導き、槽から流れ落ちる水が各農地へと通じる用水路へと流れる仕組みとなっている。槽の円周を、水を分配する農地の面積に応じた比率で仕切ることで、各用水路に流れる水の量が平等になるよう設計されている。
  • 輪中(わじゅう)
    川の近くは、豊かな水と、川が運ぶ肥えた土により、農業に適した土地であることが多い。一方、下流や河川の合流する土地は水害も受けやすい。そこで、いくつかの地域では、田畑や住居を守るために、村の周りをぐるりと堤防で囲う「輪中」を築いた。

July 2021

水と日本

打ち水
道や庭に水を撒く「打ち水」は気化熱により、夏の暑さを和らげるための日本の習慣である。最近では、ヒートアイランド対策や地球温暖化対策としても、打ち水が評価されている。

日本は、限られた水資源を有効活用するための取組や、水に関する国際協力を促進している。

日本の水資源

日本の平均降水量は年間1,668ミリメートルと、世界の平均降水量の1.6倍である。しかし、日本の河川は、長さが短く、急峻な地形のため、水が速くに海へと流れ出てしまう。さらに、居住可能な面積が限られ、人口密度が高いこともあり、日本で1人が年間に使える水の量は3,373立方メートル(25メーターのプール約7杯分)と、世界平均の約半分となっている。

こうしたことから、日本は長年にわたり水資源の開発に力を入れている。その一つが、ダムの建設である。ダムは、流量の調節によって下流の洪水被害の軽減を図るため、上流から流れてくる大量の水を貯める洪水調節、そして、下流の河川の流量が不足している時に、貯めている水の放流などによって河川の正常な機能を維持することなどの役割を担っている。日本には2,650基 (2018年3月末時点)のダムがあり、年間を通じた安定的な水利用が可能となっている。

また、日本では、水資源の有限性、水の貴重さ及び水資源開発の重要性について国民の関心を高め、理解を深めるために、年間を通じて水の使用量が多い8月の初日である8月1日を「水の日」、8月最初の一週間を「水の週間」と定めている。「水の週間」には、「打ち水」の奨励、「全国中学生水の作文コンクール」、「水とのふれあいフォトコンテスト」など、様々な行事が行なわれている。

水に関する国際協力

日本は、国内の安全な水道水の供給確保にも長年にわたり取り組んできている。その結果、日本の水道管の延長は約67万キロメートルに達している。また、水道水は、大腸菌、鉛、味など51項目の水質基準に適合したものが供給されている。このような厳しい安全管理により、日本の水道水の安全性は世界的にも高いレベルを誇る。

こうした高い技術を活かし、日本は長年にわたり、水供給と衛生分野での政府開発援助(ODA)を積極的に実施しており、その実績は援助国として世界第1位となっている(2013年から2017年の5カ年平均で約13.9億米ドル)。主にアフリカやアジアの開発途上国において、インフラ整備や人材育成など包括的な支援を行なっている。

また、国際的な連携強化にも取り組んでいる。2018年に日本は、アジアの5カ国とともに、「アジア汚水管理パートナーシップ」(AWaP)を設立した。AWaPは持続的な開発目標(SDGs)のターゲットの一つである「未処理汚水の割合の半減」の達成を目指し、アジアでの汚水処理の促進を支援している。

2022年4月には、水問題に対する認識を深め、具体的な資源動員や行動を促すことを目的として国際会議「第4回アジア・太平洋水サミット」が熊本市で開催される予定であり、世界的水資源問題の解決やSDGs達成に向けて、国際的な協力関係の強化を図ることとしている。

日本の特有の水の付き合い方

ししおどし
水と音によって、日本庭園の趣ある雰囲気を演出する装置「ししおどし」(鹿威し)。空洞の竹筒が、シーソーのように、中心部分を支点にして、上下に動く構造。竹筒に流し込む水の重みを利用して、竹筒を上下運動させ、竹筒の一方の端を地面に置いてある石に当て、心地よい音を出す仕組み。もともとは、田畑を荒らすシカやイノシシを、音によって追い払うためのものであった。
水舟(みずぶね)
岐阜県郡上市には「水舟」と呼ばれる特有の水利用システムがある。水舟は家に2〜3の水槽を横並びに段差を付けて置き、湧水や山水を上の水槽から下の水槽へと流すシステムである。住民は、上の水槽の水を飲用や食物のすすぎに使い、下の水槽の水を食器などの洗浄に使う。下の水槽で出た食べかすは、そのまま家の池で飼っているコイなどの魚のエサとなり、水は自然に浄化されて川に流れこむ仕組みになっている。
円筒分水
水争いを防ぐために、農業用水を平等に分け合う施設「円筒分水」。河川などの水源から円筒状の槽に水を導き、槽から流れ落ちる水が各農地へと通じる用水路へと流れる仕組みとなっている。槽の円周を、水を分配する農地の面積に応じた比率で仕切ることで、各用水路に流れる水の量が平等になるよう設計されている。
輪中(わじゅう)
川の近くは、豊かな水と、川が運ぶ肥えた土により、農業に適した土地であることが多い。一方、下流や河川の合流する土地は水害も受けやすい。そこで、いくつかの地域では、田畑や住居を守るために、村の周りをぐるりと堤防で囲う「輪中」を築いた。

注記: 本記事は国土交通省の了解の上、同省の公表資料に基づき作成している。