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  • 風呂敷専門店
  • 「ふろしき王子」横山功さん
  • 風呂敷
  • 一枚の風呂敷をリュックにアレンジした例
  • トートバッグにした風呂敷
  • ボトルを2本包んだ風呂敷
  • エコバッグにした風呂敷

September 2020

ふろしき王子

風呂敷専門店

日本では、昔ながらの正方形の一枚の布「風呂敷」がレジ袋の代替として見直されている。現代の生活スタイルに合わせた風呂敷の使い方を広く紹介することで、その「再興」に取組んでいるのが「ふろしき王子」の横山功さんである。

「ふろしき王子」横山功さん

「風呂敷」は、ほぼ正方形の布で、日本では昔から様々なものを包んで持ち運ぶために使われてきた。その起源は古く、一説には、奈良時代(710~794)に、貴重なものを布で包む風習が始まり、それくらいまで遡るのでないかと言われている。しかし、一般庶民に至るまで盛んに使われるようになったのは、江戸時代(1603~1867)になってからのことという。その時代、日本では、特に江戸などの都市において共同浴場(現在の銭湯)が発達したが、風呂に入る前に、衣類や持ち物を布に包み、他人の持ち物と間違えられないようにした。このように布を使ったことが、「風呂敷」という言葉の始まりと言われる。風呂敷は荷物をまとめるのにも使われ、当時の浮世絵には、多くの風呂敷を背負った旅人たちの姿が描かれている。19世紀後半の近代化以降は、生活スタイルの洋風化とともに徐々に風呂敷は使われなくなり、第二次世界大戦後は、手提げ袋やリュックサック、レジ袋の普及により、日常生活から消えていった。

風呂敷

ところが、風呂敷を現代の暮らしに取り戻そうと、全国各地でワークショップやイベント開催に奔走している人がいる。「ふろしき王子」こと横山功(よこやま いさお)さんである。彼は風呂敷の包み方や結び方といった基本をはじめ、旅行やアウトドア、子どものおもちゃの持ち運び、応急手当といった日常生活での風呂敷の活用術を伝えている。

一枚の風呂敷をリュックにアレンジした例

「風呂敷は物の形に合わせてしっかり包むことができるので、持ち運ぶ時も中身が揺れることがありません。包み方や結び方で、バッグにもなります。何より素晴らしいのは、用が済めば小さく折り畳める一枚の布に戻り、また他の用途へと使いまわせることです」と横山さんは風呂敷の長所を話す。

横山さんは、美術大学の学生時代に、風呂敷の機能性の高さと無駄のない美しさに魅了され、以来、20年余、どこへ出かける時も風呂敷をバッグ代わりに使っている。

トートバッグにした風呂敷

「世の中には使い捨てのものがあふれています。スーパーのレジ袋や紙袋、商品のパッケージもゴミになれば、環境に負荷をかけます。その点、風呂敷は、一枚あれば、包み方を工夫することによって、どんな形のものでも包んで持ち運べますし、何度も繰り返し使えるので無駄がありません。それに、多くの外国の方もお土産を見つけるために専門店へ行かれます。眺めているだけで楽しめる豊富なデザインがあり、大きさも、一辺50センチメートルから200センチメートルくらいのものまで取り揃えられていますから、ファッション・コーディネートの一つとしても楽しめます」

ボトルを2本包んだ風呂敷

日本は、プラスチックごみ対策の一つとして、2020年7月から、レジ袋の有料化を開始し、国民に生活スタイルの見直しを促している。最近では、買い物時に折り畳める「エコバッグ」を持ち歩く人が増えている。横山さんは、エコバッグとして風呂敷を使用することは、十分な利点があると言う。

「風呂敷は、リュックやトートバッグにもアレンジできます。また、割れ物の瓶も包んで安全に持ち運ぶことができます。更に、風や寒さ、雨から身を守る防寒具や頭巾にもなります。私は、現代の日本人が忘れてしまった、そんな風呂敷の良さを広げると共に、環境保護にも貢献していきたいのです」

エコバッグにした風呂敷

現代生活で伝統的な風呂敷を使うことは、ものを大切に扱い、無駄を省く日本の伝統的な心を現代によみがえらせることにつながる。風呂敷の再興は大きな可能性に包まれている。