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  • 大曲農業高校でのタベルスキさんの講義
  • タベルスキさんがプロデュースした約50種に上る商品
  • タベルスキ・マイケルさん
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May 2020

地域に愛されるソーセージ

タベルスキさんがプロデュースした約50種に上る商品

ポーランド出身で、秋田県大仙市で暮らすタベルスキ・マイケルさんは、地元産の豚肉を使ったソーセージ作りを通して地域に貢献している。

タベルスキ・マイケルさん

秋田県内のスーパーマーケットのハム・ソーセージ売り場には、赤いパッケージの「ポルミート」という商品が並んでいる。秋田県南東部に位置する大仙市に本社工場を置く株式会社IMIのソーセージである。赤いパッケージは、IMI代表取締役のタベルスキ・マイケルさんの出身国であるポーランドの国旗をイメージしたもので、タベルスキさんの写真も印刷されている。写真の横には、タベルスキさんの名前に日本語の「食べる」と「好き」とをかけた「食べるの大好き」のキャッチコピーが添えられている。

大仙市では、タベルスキさんはよく知られた存在である。街を歩いていると、彼の親しみやすい人柄を知る人々が気軽に声を掛けてくる。彼もそれに秋田弁で応じる。「ここでは自分が外国人だと思うことが全くありません」とタベルスキさんは笑う。

タベルスキさんがプロデュースした約50種に上る商品

大学卒業直後の2001年、仕事でポーランドに訪れていた日本人女性と出会い結婚、妻の実家がある秋田県に移住した。幾つかの仕事を経験しながら日本語と商習慣を学ぶと、自ら食肉加工ビジネスを起業することを決めた。「ポーランドでは毎日おいしいハムやソーセージを食べていました。日本でも幾つかの中小企業が非常においしいものを作っていますが、値段もそれなりにしますので、毎日は食べられません。それなら安くても良いものを日本の皆さんに届けられるようにしようと思いました」とタベルスキさんは話す。

もともとタベルスキさんは、チーズやニシンのオイル漬けなどを手作りして、祖国の味を家族に振る舞うほどの料理好きだった。ついに2013年には、自宅のガレージを改装してハム・ソーセージの製造に取り組み始め、2014年に工場を設立してからは毎年売り上げが倍増している。

ポルミートの商品はおよそ50種に上る。「何度も改良を重ねたので、今ではどこに出しても恥ずかしくない」とタベルスキさんは胸を張る。ほとんどがポーランドの伝統製法に倣ったものだが、中には秋田県の老舗の醤油を味付けに使ったものや、大根の漬物をいぶした秋田の郷土食「いぶりがっこ」を刻んで混ぜた商品もある。また、原材料の豚肉には、大仙市の生産者がおいしい肉質を求めて工夫した飼料で育てた「杜仲豚」を使っている。これらの商品は、「秋田県らしい商品を作りたい」という従業員の発案や、県内の食品生産者から持ち掛けられたコラボレーションがきっかけで開発したものである。「秋田県は豪雪地帯で、豊かな雪解け水のおかげで米も日本酒もおいしいし、素晴らしい食材がたくさんあります」とタベルスキさんは言う。

大曲農業高校でのタベルスキさんの講義

現在、タベルスキさんは、大曲農業高校と連携して生徒を実習生として受け入れ、秋田県の未来を担う人材を育成するプロジェクトを計画している。「私は起業の際、行政から補助金による支援も受けましたし、たくさんの人たちの力を借りました。ですから社会にそれ以上のお返しをしたいのです」とタベルスキさんは話す。「経営者の責任として、従業員が喜びを持って働ける会社にするのはもちろんのこと、秋田県民のプライドとなるような会社に成長させたい。いつか『秋田県にマイケルが来てくれて良かった』と言われるような仕事をしたい」とタベルスキさんは言う。

(2020年1月号掲載記事の再編集)