Skip to Content

The online magazine HIGHLIGHTING JAPAN

INDEX

Language
  • 奥入瀬渓流
  • 秋の八甲田山ロープウェーを行くゴンドラ
  • 酸ヶ湯温泉旅館の「ヒバ千人風呂」
  • 高村光太郎作の「乙女の像」

May 2020

十和田八幡平の四季を通じた喜び

奥入瀬渓流

豊かな森、清らかな渓流、滝や湖に恵まれた十和田八幡平国立公園には、四季を通じて雄大な美しい自然がある。数々の名湯とともに東北の景勝地として知られている。

十和田八幡平国立公園は、本州北部の山岳地帯に位置し、十和田湖、奥入瀬渓流、峰が連なる八甲田山系などからなる十和田・八甲田地域、そして八幡平、秋田駒ヶ岳、岩手山などからなる八幡平地域で構成される。この公園は日本国内で有数の火山地帯にあり、火山現象と冬季の多雪条件が長い時間をかけて造り上げた、変化に富む地形と多様な生態系が魅力である。

例えば、十和田湖は、約20万年前に始まった火山活動により形成された二重カルデラ湖で、外輪山を覆う緑が原生的な景観を作り出し、春から夏にかけては雲海、秋は紅葉、冬は雪と氷に覆われ、一年を通じて楽しむことができる。また、湖畔に建つ「乙女の像」は、日本を代表する彫刻家にして詩人である高村光太郎(1883-1958年)の手によるものである。湖畔の少し奥まった場所にあるにもかかわらず、十和田湖の象徴としての知名度の高さから多くの人々が訪れる。

秋の八甲田山ロープウェーを行くゴンドラ

豊かな水量の湖から流れ出る奥入瀬川が作り上げた渓谷は、十和田湖と共に国の特別名勝及び天然記念物に指定された日本屈指の景勝地である。約14キロメートルに及ぶ渓谷は、一帯が落葉広葉樹の宝庫であることから、芽吹きの春、緑生い茂る初夏は勿論、紅葉シーズンの美しさは比類ない。渓流沿いに遊歩道が整備され、見事な巨木、点在する滝、苔に覆われた奇岩の間を縫うように続く。

渓谷沿いの国道も樹々に覆われた絶景コースで、そそり立つ八甲田の山並みが見渡せる。冬には樹氷に囲まれる睡蓮沼や90度を超える熱湯が湧き出る地獄沼など、多様な沼が点在している。

八甲田山系の最高峰である大岳は、標高1,585メートルである。高田大岳、赤倉岳、さらにその南側に連座する櫛ヶ峰、駒ヶ峰、乗鞍岳、横岳などの火山群が広がっている。登山道が整備されており、通年運行されているロープウェーからは、春から夏には緑の絨毯、秋には日々変化する紅い絨毯、そして冬には広がる樹氷が広がるパノラマビューを楽しむことができる。

酸ヶ湯温泉旅館の「ヒバ千人風呂」

八甲田山系は、自然林、山稜部の高山植物、さらに湿原があり、そして人気のスキーリゾートでもある。新春には豪雪地帯ならではの5メートルを超える雪の回廊が出現する。この山岳地帯は、優しくも雄大な景観にあふれている。

また、この山麓には城ヶ倉、酸ヶ湯、猿倉、谷地、蔦などの温泉が点在し、保養や湯治利用が盛んである。手負いの鹿が傷を癒した、猿が浸かっていたなど、温泉発見にまつわる様々な伝説が興味をそそるだけでなく、伝統的な木造建物の宿自体もまた独特の趣がある。

なかでも酸ヶ湯温泉旅館は江戸時代から湯治のために人々が訪れる。この温泉はブナの木に囲まれた高地にあり、一度に千人が入れるという総ヒバ造りの巨大な「ヒバ千人風呂」で有名である。160畳もの浴室には源泉が異なる4つの浴槽がある。酸ヶ湯温泉は湯治はもとより「日帰り入浴」も楽しめる。

高村光太郎作の「乙女の像」

十和田八幡平国立公園は、こうした尽きせぬ魅力があり、四季を通じて人々を惹き付けてやまない。

(2017年11月号掲載記事を再編集)