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横浜トリエンナーレ2011(仮訳)

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"OUR MAGIC HOUR-世界はどこまで知ることができるか-"をタイトルとした横浜トリエンナーレ2011が神奈川県横浜市の横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK) をメイン会場に11月6日まで開催されている。参加アーティスト77組(日本生まれが34組)による300点以上の作品は油絵、写真、ビデオ、彫刻など多岐に及ぶ。

横浜美術館の前庭には、ウーゴ・ロンディノーネ(スイス生まれ)による高さ2mあまりの立体作品「moonrise. east.」(2005) 12体が並び、来場者を迎える。一体一体が、ユーモラスでどこか愛くるしい表情をしており、「可愛い!」と、子どもから声が上がる。

横浜美術館に入ると直ぐにイン・シウジェン(中国生まれ)の立体作品「One Sentence」(2011)が置かれている。上着から靴下まで、108名の着衣を同心円状にぐるぐると巻き、映画フィルムを収めるフィルム缶のような平たい円状の入れ物に入れた作品だ。入れ物は、仏教における煩悩の数と同じ108個で、渦巻き状に展示されている。

それと並んで展示されているオノ・ヨーコ(日本生まれ)の「TELEPHONE IN MAZE」(2011) は、透明なアクリルで仕切られた迷路の中央に電話が置かれた作品だ。この電話にはオノ自身から電話がかかってくるので、運が良ければオノと直接話すことが出来る。

横浜美術館には、その他、ルネ・マグリット、イサム・ノグチ、荒木経惟などによる作品も展示されている。

横浜美術館から、もう一つのメイン会場である日本郵船海岸通倉庫には無料バスサービスを使って、10分ほどで行くことが出来る。

日本郵船海岸通倉庫の1階には、20トンもの陶土で制作されたデワール&ジッケル(イギリス生まれのダニエル・デワールとフランス生まれのグレゴリー・ジッケルの二人組)の作品「無題」(2007/2011)が出品されている。全長6m以上にもおよぶ巨大なカバが横たわっている姿は迫力だ。

3階にはヘンリック・ホーカンソン(スウェーデン生まれ)の「倒れた木」(2006/2009/2011)が展示されている。約10種類以上の巨大な植木ポットに植えられた本物の木が横倒しになっている作品だ。環境破壊を暗示させるようでもあり、逆に、植物の生命力の表すようにも見える。

「横浜トリエンナーレは、有名な作家だけではなく、無名の新鋭作家の作品に出会えるところが良いですね」会場を訪れていた横浜在住の20代の女性は言う。「現代アートは分かりにくいところもありますが、作家が主張したいであろうことを自分なりに考えるという楽しみもあります」

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