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February 2024

日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律

日本に在留する外国人が増加傾向にある中、日本語教育の質を確保するため、2024年4月から新たな法律「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」(以下、法)が施行される。法により、一定の要件を満たす日本語教育機関を「認定日本語教育機関」として認定する制度と、認定日本語教育機関で日本語を指導するための「登録日本語教員」の資格制度が創設される。

はじめに

日本における在留外国人と日本語学習者は増加傾向にある。在留外国人数は2022年に初めて300万人を突破した。日本語学校等で学ぶ日本語学習者は2019年に過去最高の約28万人に達しており、その直後に新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に減少したものの、2022年には再び増加に転じている。

日本語教育の需要が増加する一方で、日本語教育の供給の面では課題が指摘されてきた。各日本語教育機関で実施される教育の質の確保のための仕組みが不十分であること、日本語学習者が日本語教育機関を選択する際に教育水準等についての正確な情報を得難いこと、専門性を有する日本語教師の質的・量的確保が不十分であること等である。

こうした課題に対応するため、法に基づき、日本国政府は一定の質が確保された日本語教育機関を認定するとともに、認定を受けた機関においては登録日本語教員の国家資格を持つ者が日本語の指導を行う。

認定日本語教育機関

日本国政府は、教職員の体制や、施設設備、教育課程等についての認定基準を満たす日本語教育機関を「認定日本語教育機関」として認定する。認定の基準は、「留学」・「就労」・「生活」という日本語学習の目的に応じた三つの類型ごとに定められており、認定日本語教育機関は、類型に応じた一定の日本語能力水準以上に学習者を到達させるための教育課程を実施することとされる。

日本語教育機関の認定は、国の審査を経て、本年・2024年の10月以降に行われる予定である。

認定日本語教育機関制度の概要

登録日本語教員

認定日本語教育機関においては、原則として、法により新たに創設された登録日本語教員の国家資格を持つ者だけが日本語の指導を行うこができる。登録日本語教員の資格は、日本語教育を行うために必要な知識・技能の有無を判定する国家試験「日本語教員試験」に合格するとともに、日本語教育の現場で行う実習である実践研修を修了した者に与えられる。

認定を受けた日本語教育機関の教員の資格制度(イメージ)

日本国政府による情報公開

日本国政府は認定日本語教育機関についての情報を、インターネットにより多言語で発信する予定である。多言語による情報発信は、日本語教育機関の認定が行われる本年・2024年10月頃以降に行う。

終わりに

日本国政府は、法に基づく日本語教育機関の認定制度の実施等を通じて、日本に居住する外国人が日本人とともに日常生活や社会生活を円滑に営むことのできる環境の整備を推進していく。