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August 2023

砂金採り体験ができる道の駅

  • 地底博物館。金鉱石を運搬する機関車
    Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 2002年日本・韓国共催のサッカーW杯で、カメルーン代表のキャンプ地となった中津江村。道の駅にも、カメルーンの国旗が建物正面に掲げられている。
  • 金色に光る鯛のレプリカ Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 皿の底にきらりと光る、金の粒。採れた砂金は小さなボトルに入れてお持ち帰りも可能。 Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 本物の砂金の山も見学できる。 Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 特産品であるわさびやゆずを使った加工品も数多く取り扱う。 Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 鯛生金山ブランドの麦焼酎は金箔入り。 Photo: 道の駅 鯛生金山
  • 日本の古い金貨を模したパッケージに入った、湯船に溶かして使う入浴剤のお土産。 Photo: 道の駅 鯛生金山
地底博物館。金鉱石を運搬する機関車 Photo: 道の駅 鯛生金山

大分県の西部に位置する、日田市(ひたし)の中津江村(なかつえむら*)には砂金採り体験ができるという道の駅がある。かつて年間産出量が日本一の金の採掘場だったという場所にできた道の駅の特徴について、道の駅の事務所長に話を聞いた。

鯛生金山(たいおきんざん)は、19世紀末から金の採掘が始まり、日本有数の金鉱山として発展した。坑道の総延長は約110㎞にも及び、1938年には年間の産出量2.3トンと、日本国内最大の金山になったという。1972年に閉山するまで、いわばゴールドラッシュによって、村には映画館や飲食店なども立ち並び、にぎわいを見せていた。閉山後は坑道跡を博物館として公開、周辺にキャンプ場も整備して2000年「道の駅 鯛生金山」としてオープンした。

2002年日本・韓国共催のサッカーW杯で、カメルーン代表のキャンプ地となった中津江村。道の駅にも、カメルーンの国旗が建物正面に掲げられている。

鯛生金山観光管理事務所長・山口幸生(やまぐちこうせい)さんは「かつて金を採掘していた金鉱山の坑道を再現し、見学できる地底博物館があることが、この道の駅の最大の特徴で魅力です。採鉱場ゾーンでは、採鉱跡や採鉱方法も見ることができます。見どころは、深さ510mにも及ぶ立坑(たてこう)**。上からのぞくことができ、とても迫力があります。実は、かつての金鉱山の名前の「鯛生」(日本語では鯛が生まれるといった意味)にちなみ、縁起物の純金の鯛(*)の置物を展示していて好評でしたが、盗まれてしまいました。現在、レプリカを展示していますが、かつての純金の輝きをイメージしていただければと思います。また、砂金採り体験もおすすめします。砂に混ざっている小さいけれど本物の金を探し出せると、大人も子どもも夢中になります」と話す。

金色に光る鯛のレプリカ Photo: 道の駅 鯛生金山
水と砂を一緒に砂金取り用のお皿ですくって、ゆらしながら水と砂を徐々に取り除き、砂金を探し出す。 Photo: 道の駅 鯛生金山
皿の底にきらりと光る、金の粒。採れた砂金は小さなボトルに入れてお持ち帰りも可能。 Photo: 道の駅 鯛生金山
本物の砂金の山も見学できる。 Photo: 道の駅 鯛生金山
「近代化産業遺産」の看板が掲げられている地底博物館の入り口 Photo: 道の駅 鯛生金山

博物館とともに、お土産品コーナーもおすすめだ。中津江村の特産品の一つ、ワサビ、ワサビを使ったマヨネーズなどが手に入る。ワサビは、山間部の水がきれいな渓流で育つ日本原産の植物で、根茎をすって刺身に添える等、香辛料として和食によく用いられ***、日本の食卓には欠かせないものだ。ワサビを使った独特の辛味のあるソフトクリームがあるので、一度味わってみて欲しい」と山口さん。もう一つの特産品は、和食において皮をすって様々な料理の香り付けや色味を添える柑橘類、ゆずを使った調味料、柚子胡椒(ゆずこしょう)。緑のゆずの皮、青唐辛子、塩をすり混ぜて作る、爽やかな香る辛味が特徴だ。

特産品であるわさびやゆずを使った加工品も数多く取り扱う。 Photo: 道の駅 鯛生金山
鯛生金山ブランドの麦焼酎は金箔入り。 Photo: 道の駅 鯛生金山
日本の古い金貨を模したパッケージに入った、湯船に溶かして使う入浴剤のお土産。 Photo: 道の駅 鯛生金山

黄金の歴史に思いをはせながら、ゴールドハンティングと特産品を味わう、そんな体験をしに、ぜひ立ち寄ってみてほしい。

道の駅の全景。周囲を山に囲まれた立地だ。 Photo: 道の駅 鯛生金山

* 2005年日田郡中津江村から広域合併により、日田市の一部となったが、合併前の中津江村の名称も残すことになった。
** 鉱山や炭鉱などで、鉱物、材料および人員の運搬,または通気の目的で地表から坑内へ垂直に設けた坑道施設。
*** 日本にも古くから伝わるハーブ/スパイス文化があり、日本に自生、あるいは栽培されてきた植物を料理などに活用。代表的なものとしてはシソ、サンショウ、ショウガ、あるいは日本独自のミツバ、ワサビなどがある。