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July 2023

エネルギッシュな踊りに心奪われる「よさこい」

  • 今年(2023年)、4年ぶりの通常開催に地元でも盛り上がりを見せる「よさこい祭り」 Photo:よさこい祭振興会
  • 海外からも参加。写真は2019年に参加したポーランドのチーム。 Photo:よさこい祭振興会
  • 衣装や踊りなど、各チームの趣向が楽しめる"よさこい節" Photo:よさこい祭振興会
  • 鳴子 Photo:よさこい祭振興会
  • オリジナルの装飾を施し祭りに華を添える地方車(じかたしゃ)の一例 Photo:よさこい祭振興会
今年(2023年)、4年ぶりの通常開催に地元でも盛り上がりを見せる「よさこい祭り」 Photo:よさこい祭振興会

毎年8月9日の前夜祭を皮切りに、4日間にわたって開催される高知県・高知市の「よさこい祭り」。約100万人の観衆を集めるこの祭りについて、よさこい祭振興会の武石憲一(たけいしけんいち)さんに話を伺った。

高知県の夏を彩る「よさこい祭り」は、約160チーム、総勢約18,000人余の踊り子が鳴子(なるこ)と呼ばれる楽器を打ち鳴らしながら乱舞する壮大な祭りだ。8月9日の前夜祭や花火大会、10日と11日の本番、12日の全国大会そして後夜祭と、いずれもにぎやかな、さながら一大カーニバルとなっている。

海外からも参加。写真は2019年に参加したポーランドのチーム。 Photo:よさこい祭振興会

「よさこい祭り」は1954年に高知商工会議所が発案して始まった。第一回は、民謡「よさこい節」をもとに作られ、今も祭りのテーマ曲となっている「よさこい鳴子踊り」に合わせ、伝統的な日本舞踊に基づいた踊りなどが披露されたが、回を重ねるごとに踊りも楽曲も多様に進化。伝統的な音楽からロックのバンド演奏などが増え、髪型や衣装も派手さを増していった。また振り付けもサンバ調やロック調など、チームごとに工夫を凝らすようになったという。

衣装や踊りなど、各チームの趣向が楽しめる"よさこい節" Photo:よさこい祭振興会

「よさこい」という言葉や「よさこい節」の発祥について教えていただいた。

「よさこいという言葉自体は、掛け声の「ヨイショコイ」が原形とも言われています。また、「よさこい節」は17世紀はじめに土佐藩が高知城を築いた際に歌われた「木やり節(きやりぶし)」が変化したという説など諸説があります。曲のどこかに「よさこい鳴子踊り」のフレーズを入れれば、アレンジはチームの自由」

鳴子 Photo:よさこい祭振興会

また、「よさこい節」は楽器の鳴子の音が特徴的な踊りだ。鳴子とは収穫期に穀物を野鳥の食害から守るため、鳥を追い払う目的で使われてきた道具。「よさこい鳴子踊り」の考案者が鳴子の音を踊りに取り入れ、現在のようなリズミカルな舞いにつながったのだそう。

祭りの期間中は、高知市内の17会場で踊りを見て楽しめる。踊りをじっくり見たい人は有料ではあるが、追手筋(おうてすじ)本部競演場での観覧がお勧めだ。間近で迫力のある踊りを堪能することができる。また、ほとんどの会場は無料観覧なので、高知市内を散策し雰囲気を味わいながら舞台やストリートでの踊りを自由に楽しむのもいいだろう。

オリジナルの装飾を施し祭りに華を添える地方車(じかたしゃ)の一例 Photo:よさこい祭振興会

「今夏で70回を数える「よさこい祭り」。各チームが趣向を凝らした地方車(じかたしゃ)*も見比べて楽しいですし、オリジナルの楽曲やきらびやかな衣装、鳴子を活かした振り付けなど、踊り子のよさこいに対する熱い情熱とパワーは見る者に感動を与えてくれるはずです」と見どころを語る武石さん。さらに「高知県が海外でよさこいを踊っているチームの代表を"よさこいアンバサダー"と認定する制度に19か国、23チーム、65人のアンバサダーが参加しており、今年のお祭りにも参加していただく予定です」とのこと。様々な国の国際色も加わっている人気の高いお祭りの魅力に、ぜひ直に触れてみてほしい。

* 踊り子を先導し、音響機器を載せて楽曲を流しチームを誘導する車両。各チーム趣向を凝らした装飾を施す。