音声広報CD「明日への声」トラックナンバー3(HTML版)|令和5年(2023年)3月発行分

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音声広報CD「明日への声」 vol.90(令和5年(2023年)3月発行)

トラックナンバー3

(タイトル:畠山)

すすめよう災害に強い国づくり、国土強靱化の取組とは

(イントロダクション:畠山)

皆さんは「国土強靱化」という言葉を聞いたことはありますか?私たちの暮らすこの国は、巨大な台風に大きな地震など、多くの自然災害を経験してきました。さらに近年は、気候変動の影響により災害が激甚化してきています。過去の教訓を生かして未来に備え、自然災害に強い国づくりを進める。それが国土強靱化です。日本を強くしなやかな国にするために、自然災害に備える国土強靱化の取組についてご紹介します。

(本文:Q.畠山/A.南雲)

Q1:このところ毎年のように大規模な自然災害が発生している印象です。地球温暖化など気候変動による影響も大きいかと思いますが、そもそも日本は自然災害のリスクが高い国ということなのでしょうか?

A1:私たちの暮らす日本は多くの災害リスクを抱えています。実際、平成23年から令和2年の10年でみると震度5以上の地震は年間平均18.6回、1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」は年間平均334回発生しています。さらには、111もの活火山があり火山災害の可能性も抱えています。

Q2:近い将来、大地震が発生するという予測もありますよね。

A2:そうなんです。今後、南海トラフ地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の発生が懸念されています。これらにより、家屋の倒壊や火災・津波で多くの方が犠牲になる可能性があり、電気や水などのライフラインや、食料供給などのサプライチェーンがダメージを受けることで、さらに大きな範囲で被害が発生する可能性もあります。

Q3:いつ起きるかわからない地震などの災害に対して、できることはあるのでしょうか。

A3:国は、地震や津波、台風などの自然災害に強い国づくり・地域づくりとして、「国土強靱化」に取り組んでいます。事前に対策を講じておくことで、自然災害が発生した際に、人命を最大限に守り、また経済社会が致命的な被害を受けず、被害を最小化して迅速に回復することができます。なお、「国土強靱化」の取組は、国や地方自治体だけでなく企業・地域・個人が一体となって進めていかなければなりません。また、ハード面だけでなくソフト面の取組も重要です。

Q4:行政が行うことかと思いましたが、個人や企業も一緒に取り組んでいこうというものなのですね。

A4:はい。堤防などの整備・強化、道路機能の強化、避難路・避難施設の整備、インフラの老朽化対策などハード面での取組は国や地方自治体で進めていますが、それだけでは不十分です。
個人や企業の皆さんの取組として、建物の耐震化、家具の固定などの災害対策をとること、さらには、食料や防災用品の備蓄、防災訓練の実施などソフト面での取組も重要になります。その結果、災害に負けない国ができあがるのです。

Q5:官民一体で対策をしておこうということですね。具体的な取組の例を教えていただけますか?

A5:はい。鹿児島県伊佐市では、平成18年7月に市内を流れる川内川で豪雨により観測史上最大の洪水が発生し、住宅地や農地が大きな被害を受けました。これを受け、川内川流域の各地で堤防の整備や河川の掘削などの治水対策が進められました。その結果、令和2年7月1日からの大雨の際には、川内川水系の羽月川で平成18年に匹敵する雨量が観測されましたが、治水対策の効果として、水があふれることはなく、浸水被害を軽減できました。

Q6:流域の方も安心して暮らせるようになったんですね。こうした取組をしておくことでどれくらいの効果が期待できるのでしょうか?

A6:川内川の例では、工事費用に約24億円かかっていますが、この工事をしなかった場合の堤防決壊による被害額は約101億円と想定されています。事前に対策を行っておくことで命が守られ、被害軽減につながっています。

Q7:事前に対策をとっておくことで、被害が抑えられるだけでなく、結果として復旧費用も安く済んだのですね。先ほど、個人や企業の行動も国土強靱化の一部として重要ということでしたが、どのような例があるのでしょうか?

A7:西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市の川辺地区では、“こどもたちに怖い思いをさせたくない”“誰にも失う辛さを経験させたくない”という思いから地域の住民が中心となって「防災おやこ手帳」を制作しました。川辺地区発祥の分散避難「マイ避難先」や避難行動のタイミング「避難スイッチ」、そして、避難時に何を持っていくかの「持ち出しグッズ」など、これだけは知っておいてほしいことをわかりやすく掲載しています。

Q8:こどもと一緒に、もしもの時のことを考えて準備するいいきっかけにもなりそうですね。

A8:もう一つ、北海道札幌市での企業の事例をご紹介しましょう。
FMラジオ局や飲食店、保育園が入居する札幌時計台ビルでは、テナント従業員が災害時にビル内に3日間滞在できるよう、充電スペースの設置や休憩所、物資の支援、情報提供などを行っています。さらに、この札幌時計台ビルで特徴的なのが、各テナントが集結し、保育園児の安全を守る「保育園対応チーム」を立ち上げているところです。このような取組を通じて、災害時の自助・共助の意識を高めています。

Q9:園児の安全を守る意識がきっかけになって、災害への備えが進んだのですね。
このように地域の方々で災害に備えた行動をしていくことも、災害に強い国づくりを進めていく上で非常に重要なことになりますね。

A9:そうですね。もしものときのために、皆さん一人ひとりが災害に備えておくことが重要です。建物の耐震化、家具類の固定、ハザードマップの確認、食料や防災用品の備蓄などをしておきましょう。ご家族で、そして、学校や会社・地域の皆さんでぜひ話し合ってみてください。

(エンディング:畠山)

自然災害の被害を最小限にとどめ、迅速に回復させるように対策を進めるのが「国土強靱化」です。近年、災害が頻発、激甚化しています。災害が発生してもしなやかに対応できるように、皆さんも今できることから始めてみましょう。
内閣官房のウェブサイトでは国土強靱化についてわかりやくまとめたパンフレットや学習教材を掲載しています。【国土強靱化 パンフレット】で検索してみてください。

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