音声広報CD「明日への声」トラックナンバー5(HTML版)|令和4年(2022年)1月発行分
音声広報CD「明日への声」 vol.83(令和4年(2022年)1月発行)
トラックナンバー5
(タイトル:女性)
この冬はノロウイルスにも注意しましょう。
(イントロダクション:女性)
食中毒というと、食べ物が傷みやすい夏のイメージがありませんか?実は、冬の寒い時期にも多く発生しているんです。その原因の多くはノロウイルス。年間の食中毒患者数の約半分はノロウイルスによるもので、大規模な食中毒になる危険性もあり、注意と対策が必要です。ノロウイルスの感染経路や予防方法を正しく理解し、食中毒を防ぎましょう。
(本文:Q.女性/A.男性)
Q:ノロウイルス、私も感染したことがあります。苦しいんですよね。
改めて、ノロウイルスによる食中毒とはどういうものでしょうか?
A:ノロウイルスは非常に強い感染力を持っていて、少量でも 手や指、食品などを介して口から入ると、体の中で増殖して、食中毒の症状を引き起こします。
感染から発症までの時間は 24時間から48時間で、主な症状は 吐き気、おう吐、下痢、腹痛と、軽度な発熱です。通常、健康な方は、これらの症状が1日から2日続いた後、治ります。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状で済む場合もあります。ただし、乳幼児や高齢者など 抵抗力の弱い方は、重症化したり、おう吐物を吸い込むことで肺炎や窒息を起こしたりする危険性があるので注意が必要です。
Q:小さいお子さんや、高齢者には特に怖いウイルスですね。感染が起こりやすい時期はあるのでしょうか?
A:ノロウイルスによる食中毒は、一年を通じて発生していますが、特に冬場に多くなる傾向があります。11月から増え始め、12月から翌年1月が発生のピークです。
Q:食中毒を予防するためにも、まず、どこからノロウイルスに感染するのか知っておきたいですね。
A:ノロウイルスによる食中毒は、「食品からの感染」が主な原因となっています。具体的には、感染した人が調理したことで汚染された食品や、加熱不十分な二枚貝などを食べることで、ノロウイルスに感染するケースです。ノロウイルスは少ないウイルス量で感染するので、注意が必要です。
Q:ノロウイルスによる食中毒を防ぐにはどう注意していけばいいのでしょうか?
A:ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、食品を扱う方や調理器具等からの二次汚染を防止すること、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要です。ポイントは、(1)調理場にノロウイルスを「持ち込まない」、(2)食品や食器、調理器具等にノロウイルスを「つけない」、(3)ノロウイルスを「やっつける」、(4)ノロウイルスを「広げない」の4つです。
Q:食品を扱う方は、二次汚染を防止するために、どのような予防対策をすればいいでしょうか。
A:ノロウイルスを「持ち込まない」ために、普段の健康管理をしっかり行いましょう。日頃から自分自身の健康状態を把握し、下痢やおう吐、風邪のような症状がある場合には 食品を取り扱う作業をしないようにしましょう。また、ノロウイルスは感染していても症状が出ないこともあるので、普段の生活の中でノロウイルスに感染しないよう注意してください。
さらに、ノロウイルスを「つけない」ために 手洗いを徹底しましょう。手を洗う時は、汚れの残りやすい、指先や指の間、爪の間、手首などを丁寧に洗いましょう。また、トイレ、調理前、料理の盛り付け、次の作業前にも手洗いをします。手袋をはめる前にも手洗いをしましょう。
Q:食品を扱う方は、普段からノロウイルスに感染しないように手洗いの徹底が重要ですね。では、調理器具などからの二次汚染を防止するためには、どのような予防対策をすればいいでしょうか?
A:ノロウイルスを「やっつける」、そして「広げない」ために、調理器具などの洗浄や消毒を徹底しましょう。調理器具などは洗剤などを使用して、十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウムをペーパータオルなどに含ませて、浸すように拭くと良いです。また、まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯85℃で1分以上の加熱が有効です。
Q:汚染が心配な場合、食品中のウイルスをやっつけるための具体的な方法はありますか?
A:一般的にウイルスは熱に弱く、加熱処理は ウイルスの活発な反応を失わせる有効な手段です。ノロウイルスの汚染のおそれのある食品の場合、ウイルスを「やっつける」ために、しっかり加熱しましょう。ノロウイルスの感染力を失わせるためには、中心温度85℃以上で90秒以上の加熱が必要です。
Q:最後に、ノロウイルスによる食中毒になってしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
A:下痢やおう吐、発熱など、ノロウイルスによる食中毒と思われる症状がみられる場合は 医療機関にかかりましょう。現在、ノロウイルスに効果のある治療薬はないため、症状に合わせて吐き気止めや整腸剤、解熱剤などの薬を使用する対症療法が一般的です。ただし、いわゆる下痢止め薬は 病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいです。また、小さなお子さんや高齢者が感染すると、「脱水症状」になりやすいので、症状が少し落ち着いたときに、少しずつ水分補給を行ってください。また、このウイルスは 下痢などの症状がなくなっても、通常では1週間程度、長いときには1ヶ月程度ウイルスの排泄が続くことがあるので、症状が改善した後でも、すぐに、食品を直接取り扱う作業に携わるのは控えましょう。
(エンディング:女性)
ノロウイルスによる食中毒は毎年発生しています。日頃から健康管理や手洗いを徹底し、調理方法に十分注意して防止しましょう。厚生労働省のホームページでは、ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するため「ノロウイルスに関するQ&A」を掲載しています。「ノロウイルス Q&A」で検索してみてください。