音声広報CD「明日への声」トラックナンバー5 vol.97(令和6年(2024年)6月発行)

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(イントロダクション:女性ナレーター)

土地の所有者が亡くなった後、相続の登記がされないなどのために登記簿を見ても所有者が分からない、いわゆる「所有者不明土地」が全国で増えています。このような管理がされずに放置された所有者不明の土地は、治安の悪化を招いたり、防災対策や開発などの妨げになったりしています。こうした所有者が不明な土地をなくすため、不動産や相続に関するルールが順次変わっており、この4月からは相続登記の申請が義務化されました。相続登記に関する新しいルールについてご案内します。

(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)

Q1:近年、所有者が不明で、管理がされずに放置されている土地が増えていると聞きました。所有者不明土地とはどのような土地なのでしょうか?

A1:所有者不明土地とは、不動産登記簿を見ても所有者が分からない土地、又は所有者は分かっていてもその所在が不明で所有者に連絡がつかない土地のことです。

Q2:なぜ、所有者不明の土地が生じるのでしょうか?

A2:主な原因としては、土地の相続の際に登記の名義変更が行われないことや、所有者が転居したときに住所変更の登記が行われないことなどが挙げられます。長期間、相続登記されないまま放置されると、新たな相続が発生した場合に土地の相続人が増えていくため、ますます所有者を特定したり、土地を処分したりすることが極めて困難になってしまうのです。

Q3:土地を相続したり、所有者の住所が変わったりしても相続や氏名や住所の変更の手続が行われないので、所有者不明となってしまうのですね。所有者不明土地にはどのような問題点があるのでしょうか?

A3:所有者が分からない状態が続くと、土地の管理がきちんと行われないまま放置され、周辺の環境や治安の悪化を招き、近隣住民に不安を与えることになります。また、土砂崩れなどの防災対策のための工事が必要な場所であっても、所有者が分からないために、工事を進めることができず、危険な状態が続いてしまったり、公共事業や市街地開発などのための用地買い取り交渉ができず、土地の有効活用の妨げになったりします。

Q4:周りの住民にも迷惑を及ぼすことになりかねませんね。所有者不明土地は日本にどれぐらいあるのでしょうか?

A4:所有者不明土地は日本各地で増加しており、その面積を合わせると、九州の面積よりも広いと言われています。今後、さらに増え続けると予想されており、各地で深刻な社会問題となっています。

Q5:驚きの広さですね。所有者不明土地が各地で増加しているとのことですが、この問題を解決するための取組などはあるのですか?

A5:はい。所有者不明土地を解消していくために不動産登記法などが改正され、土地・建物といった不動産の所有権や相続に関するルールが見直されました。そして、2024年4月1日からは不動産の相続登記の申請が義務化されました。

Q6:これまで任意であった相続登記の申請が義務となると、所有者不明土地の発生を予防できそうですね。詳細について教えてください。

A6:はい。相続などにより不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行う必要があります。2024年4月1日より前に相続が発生し、相続登記がされずに放置されている土地も義務化の対象になりますので、注意が必要です。また、遺産分割協議が行われた場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容を踏まえた登記を申請する必要があります。

Q7:期限までに登記の申請をしなかった場合はどうなりますか?

A7:正当な理由がなく申請をしなかった場合には、10万円以下の過料の適用対象となるので注意が必要です。

Q8:このほかにもルールの変更はあるのですか?

A8:はい。2024年4月1日から「相続人申告登記制度」が始まりました。不動産を所有している方が亡くなったとき、遺産分割がまとまらず相続登記の申請をすることができない場合もあるかと思います。このような場合には、自分が相続人であることを法務局の登記官に申し出ることで、相続登記の申請義務を果たすことができます。

Q9:遺産分割の話し合いが早期にまとまらない場合もあると思うので、大変有難い制度ですね。これらのほかにも、今後何かルールの変更はあるのでしょうか?

A9:2026年4月1日からは「住所等の変更登記の申請」が義務化されることとなります。登記簿上の不動産の所有者は、所有者の氏名や住所を変更した日から2年以内に住所などの変更登記の申請を行う必要があります。なお、正当な理由がないのに申請をしなかった場合には、5万円以下の過料の適用対象となります。このほかにも不動産や相続に関するルールが順次変わっていますので、政府広報オンラインで紹介しています。「政府広報オンライン 所有者不明土地」で検索してみてください。

(エンディング:女性ナレーター)

所有者不明土地の問題を解消するために不動産登記制度が見直され、2024年4月1日に相続登記の申請が義務化されました。また、相続登記の義務化スタートより前に相続した未登記の土地・建物についても、義務化の対象となりますので、注意が必要です。この機会に家族で土地や建物を将来誰が受け継ぐのか、誰に受け継がせるのかなど、是非話し合ってみてください。

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