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February 2022

アイディアの出会い:ドバイ万博の日本館

  • 日本と中東のつながりを表現したファサードと、冷却効果をもたらす水盤が印象的なドバイ万博日本館
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
  • アイディアの出会いによる日本のソリューションを、「見立て」によるミニチュアで表現した一例。作品名:「宇宙を手玉に取る」 (シーン3)
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
  • 館内での行動履歴をもとに、一人ひとりにパーソナライズされたアバター同士が交流する。 (シーン5)
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
  • 本館1階では、大阪・関西万博や関西地域の 魅力を発信。地球の課題やメッセージを投稿できる「循環」投稿コーナー設置。(シーン6)
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
  • ジャパンデーの公式式典で行われたドバイ日本人学校生徒による南中ソーラン
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
  • ジャパンデーに2025年の大阪・関西万博をPRする横断幕を持って行進するパレードの参加者
    Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
日本と中東のつながりを表現したファサードと、冷却効果をもたらす水盤が印象的なドバイ万博日本館
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION

2021年10月から2022年3月まで開催されているドバイ万博において日本館は、「アイディアの出会い」をテーマに、日本の様々なコンテンツを最新技術で紹介している。

アイディアの出会いによる日本のソリューションを、「見立て」によるミニチュアで表現した一例。作品名:「宇宙を手玉に取る」 (シーン3)
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION

2021年10月1日から2022年3月31日まで、「2020年ドバイ国際博覧会」(ドバイ万博)がアラブ首長国連邦(UAE)で開催されている。「Connecting Minds, Creating the Future (心をつなぎ、未来を創る)」をテーマとするドバイ万博には、様々な組織と延べ192か国からの出展があるという。

会場の個性豊かなパビリオンの一つである、日本館のテーマは、「Where ideas meet アイディアの出会い」。立体格子で構成した白いファサード(建物正面部分のデザイン)が特徴的な建物である。ファサードは中東のアラベスク文様、日本の麻の葉文様をモチーフにして、日本の折り紙を表現してデザインされており、日本と中東とのつながりをも表現している。建物の前に設けられた水盤は、ファサードを写し込む水鏡となるとともに、建物に吹き寄せる風を気化熱によって冷やす役割も果たしている。

そして、日本館のウェブサイトによれば、そのビジョンは次の通りである:“日本は古くから出会いを大切にし、外から知恵や文化を吸収することで新しいものを生み出し、独自の価値へと昇華させてきた。日本は未来に向け、地球的な視野で「アイディアの出会い」を生む結節点となり、それらを融合させることで、より良い世界へ向けたアクションを生み出していく。”

展示は6つの「シーン」に分かれている。シーン1,2では最新技術を活用した迫力ある映像や音響により日本の原点となる自然や文化、歴史を紹介している。またシーン3では、あるものを別のもので表す日本古来の表現手法「見立て」を使ったミニチュア作品によってアイディアの出会いで生まれた現代日本のソリューション事例等を128紹介。他方後半のシーン4,5では、日本だけでは解決しきれない地球規模の課題の存在についても提示し、バックグラウンドが異なる一人一人がアイディアを出し合うことが課題解決に繋がることを来館者に伝え、アクションを促している。実際に、シーン6では、アクションの第一歩としてオンライン・プラットフォーム「循環」(後述)に課題や解決のアイディアを投稿することができる。また、次回2025年開催予定の「大阪・関西万博」の概要や魅力を伝える展示を実施している。

館内での行動履歴をもとに、一人ひとりにパーソナライズされたアバター同士が交流する。 (シーン5)
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
本館1階では、大阪・関西万博や関西地域の 魅力を発信。地球の課題やメッセージを投稿できる「循環」投稿コーナー設置。(シーン6)
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION

展示空間には、ひんやりとした極微細ミストが漂っており、それが色鮮やかな映像と組み合わさることで、来館者は高い没入感を楽しめる。

また、今回の出展では一人一人のアクションが大切であるというメッセージを伝えるための新たなチャレンジとして、来館者一人ひとりにスマートフォンを貸与し、館内での行動履歴をデータ化し、その関心事に沿ってパーソナライズされたアバターが現れ、そのアバター同士が交流することで、来館者一人ひとりが違ったクライマックス体験をできる仕掛けとなっている。

この他、日本館のレストランでは、日本の伝統食である寿司、ラーメン、味噌汁等を楽しめる。メニューはドバイ万博日本館のために特別に開発された。イスラム教徒の来店者も楽しめるように、メニューは全てハラルの食材を使用している。

ジャパンデー

会期中、各参加国の参加を称えるナショナルデーが催され、2021年12月11日には、日本のナショナルデーである「ジャパンデー」が開催された。日本とUAEの代表団が参加する公式式典では、UAEと日本の代表者それぞれによるスピーチが行われた。また、和太鼓の演奏、日本の武術である合気道の演武、ドバイ日本人学校の生徒による踊りなど、日本の文化を紹介するイベントが万博会場各地で行われた。また、パレードとして日本館アテンダントなどが2025年大阪・関西万博をPRする横断幕を持って会場内を行進し、ドバイ万博の次は2025年大阪・関西万博であることを来場者に発信した。

ジャパンデーの公式式典で行われたドバイ日本人学校生徒による南中ソーラン
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION
ジャパンデーに2025年の大阪・関西万博をPRする横断幕を持って行進するパレードの参加者
Photo: Expo 2020 Dubai JAPAN PAVILION

バーチャル日本館

日本館は、新型コロナウイルス感染症流行を踏まえ、世界のどこからでも日本館のことを知り、参加できる「バーチャル日本館」として二つの特設ウェブサイトを開設。「2020年ドバイ国際博覧会 日本館 特設サイト」は、日本館のコンセプトムービーや日本館を構成する様々なコンテンツを紹介している。「循環 JUNKAN- Where ideas meet-」は、世界中の人々が直面する“課題”や、その解決に向けた“アイディア”をメッセージとして共有できるオンライン・プラットフォームとなっている。「循環」に入力されたメッセージは2025年大阪・関西万博へと継承される。



2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

Credit: Japan Association for the 2025 World Exposition

開催期間:2025年4月13日~10月13日
開催場所:夢洲(ゆめしま)(大阪市臨海部)
テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン
コンセプト:People’s Living Lab (未来社会の実験場)
・会期前から多様な参加者がそれぞれの立場からの取組を持ち寄り、SDGs達成に資するチャレンジを会場内外で行うことで、未来社会をただ考えるだけでなく、行動することによってリアルに描き出す。
・万博会場を新たな技術やシステムを実証する場と位置付け、多様なプレイヤーによるイノベーションを誘発し、それらを社会実装していくための巨大な装置としていく。
URL: https://www.expo2025.or.jp

注記: 本記事は経済産業省の了解の上、同省の公表資料に基づき作成している。