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  • 受賞歴のある保育園のグリーンカーテン
  • ゴーヤのわらびもち
  • 受賞歴のある個人宅のグリーンカーテン
  • 新発田市の小学校のグリーンカーテン
  • 新発田市内の保育園でのゴーヤの苗植えイベント
  • 保育園のアーチ型グリーンカーテン

August 2021

つる植物の日よけカーテン

受賞歴のある保育園のグリーンカーテン

新潟県新発田市(しばたし)では、温暖化の緩和に役立つ対策として「グリーンカーテン」の普及活動が根付いている。

受賞歴のある個人宅のグリーンカーテン

日本海に面した新潟県北部に位置する新発田市では、夏には、市庁舎をはじめとした公共施設や保育園、オフィス、更には一般住宅まで、建物が植物のスクリーンで覆われる。これは「グリーンカーテン」と呼ばれる壁面緑化の一種で、主に一年草のゴーヤやアサガオといったつる性植物をネットやトレリス(格子状の柵)にはわせて、スクリーン状に仕立てたものだ。「グリーンカーテン」は、熱い日差しを遮る他、葉の蒸散作用で周辺の温度を下げることから、近年、温暖化対策として注目を集めるようになっている。さらに、これら緑色のカーテンに彩られると、建物もより美しく見え、涼感を呼ぶ。そこで、新発田市では「グリーンカーテンプロジェクトinしばた」と称して、2009年から市民あげての普及活動を行っている。

新発田市の小学校のグリーンカーテン

新発田市の気候は、冬の寒さが厳しいが、年間を通して湿度が高く、夏は蒸し暑い。プロジェクトの発起人の1人である「NPO法人ユー&ミーの会」理事長、佐藤恭子さんは「私たちの事務所にはエアコンがなく、夏はとても暑かった。そこでグリーンカーテンを試してみたところ、設置した部屋とそうでない部屋とで日中の温度が5度も差が出ることがわかり、これは広める価値があると思いました」と話す。

「ユー&ミーの会」は、市民目線から環境問題に取り組み、実績を残してきた会で、グリーンカーテン普及を提言すると、次々と協力する企業が現れ、やがて市の環境衛生課が加わるプロジェクトへと発展していった。

新発田市内の保育園でのゴーヤの苗植えイベント

佐藤さんたちはグリーンカーテンを通した風を室内に取込むのに薬剤散布はしたくないという理由から、カーテンを作るメイン植物に虫が付きにくいゴーヤを選んだ。原産地が熱帯アジアであるゴーヤは新潟県の気候ではうまく生育しないのではないかという懸念もあったが、新潟県立新発田農業高等学校の協力を得て育て方の研究したところ、「ユー&ミーの会」で新発田市の気候に合う安定した育苗方法を確立することができるようになった。3年前からは農業高校の生徒も育苗に参加し、今年は合計約1700株の苗が、市内250以上の施設や一般家庭に配布された。

保育園のアーチ型グリーンカーテン

市では、普及のために、プロジェクトスタートの2年目から「料理コンテスト」、6年目から「写真コンテスト」を開催している。ゴーヤは、誰もが好むという訳ではない独特の苦味があるが、ビタミン類やミネラルなどの栄養素が豊かな実を収穫できることも魅力の一つ。

「料理コンテストでは、子どもたちにも食べやすく工夫されたレシピや、なかには砂糖漬け、パンケーキといったスイーツに加工するなど、皆さん驚くようなアイデアを提案されています」と佐藤さん。

また、子どもたちには、グリーンカーテンの栽培を通して環境問題を考える契機となるよう、紙芝居を作成し、市内の高校生や大学生が読み聞かせを行っている。こうした一連の活動が評価され、新発田市のプロジェクトは2018年に地球温暖化防止活動環境大臣表彰を受賞している。

ゴーヤのわらびもち

今ではカーテンだけでなく、市民それぞれが楽しみながら、アーチやトンネルを作るなど創意工夫がなされている。その結果、グリーンカーテンを設置した家庭でエアコンの稼働率が下がるなどの効果をあげつつ、「グリーンカーテンプロジェクトinしばた」を推進中の新発田市は、今年で12回目の夏を迎えている。