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  • 1954年に公開された映画『ゴジラ』のワンシーン
  • 1954年に公開された映画『ゴジラ』ポスター
  • 2016年に公開された『シン・ゴジラ』のポスター
  • 2019年に公開された映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のポスター

June 2020

“GODZILLA”となった「ゴジラ」の魅力

1954年に公開された映画『ゴジラ』のワンシーン

圧倒的な力で都市を壊滅する巨大な怪獣でありながら、ヒーローとしても受け入れられる―。不思議な魅力を持つゴジラは、世界の映画ファンから愛され続けている。

1954年に公開された映画『ゴジラ』ポスター

日本生まれの怪獣特撮映画「ゴジラ」は米国の「キングコング」と並び、世界で最も有名な怪獣映画である。その第1作が公開されたのは1954年。以来、半世紀以上にわたって30本以上のシリーズ作品が公開され、観客動員数は全世界で累計1億人を超える。ゴジラの国際的な人気を裏付けるように、米国ハリウッドでも来年公開予定の1作を含め4作が映画化されている。

ゴジラ誕生のきっかけとなったのは、映画公開と同じ年に起きた「第五福竜丸事件」だった。西太平洋のビキニ環礁付近で操業していた日本の漁船が、米国の水爆実験による降灰を浴びて被爆した事件である。この事件が「核実験によって太古の眠りから目を覚ました怪獣が、安住の地を追い出されたことに怒り、東京を破壊する」という構想につながった。この第1作は961万人の動員数を記録する映画となった。

ゴジラが半世紀以上にわたって人気を保ち続けてきた理由について、東宝株式会社でチーフ・ゴジラ・オフィサー(CGO)を務める大田圭二さんは、ゴジラブランドを堅持しながら、時代に合わせた作品づくりを行ってきた結果だと語る。

「東宝社内には『ゴジラ憲章』という取決めがあります。『ゴジラは圧倒的な生命力であなたの魂を揺さぶります』という約束の下に、物語性、威厳、強さ、挑戦、ワクワクドキドキという5つの原則を設けているのです。このブランドの約束と原則をベースに、それぞれの時代性を反映させながら作品を制作してきました」

1962年公開の『キングコング対ゴジラ』は「世界の2大怪獣は、果たしてどちらが強いのか?」という観客の興味にストレートに応える、極めてエンターテインメント性の強い作品となった。そして1964年公開の『モスラ対ゴジラ』では、行き過ぎた観光開発ブームの負の側面という時代背景を作品テーマに盛り込んだ。 「時代とともにテーマや作風を変化させながらも、『怪獣映画としての面白さ』を貫き通してきた。これが、時代を超えてゴジラが愛されている要因だと思います」と大田さんは言う。

こうして制作されたゴジラ作品は、すぐに他のメディアにも広がり、世界中のテレビで放送されるようになった。そして、アメリカ国内でのテレビ放送を観て育った若者たちがやがてゴジラ映画の監督となっている。

「『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のマイケル・ドハティ監督もそんな一人です」と大田さんは言う。

2016年に公開された『シン・ゴジラ』のポスター
2019年に公開された映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のポスター

彼らがゴジラ作品の魅力を受け止め、自らの想像力を駆使して自分の作品に新たなゴジラ像をクリエイトしたことで、ハリウッド版ゴジラは世界中の人たちに愛される存在となり始めている。海外で現地の料理人が作る寿司が新たな魅力を生んでいるように、ゴジラもふるさと日本を離れ、世界各地でローカライズされ、進化している。

2021年公開予定の『GODZILLA VS. KONG』も新しいゴジラを表現し、私たちを楽しませてくれるに違いない。