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Highlighting JAPAN

G20大阪サミット2019

6月末に開催されるG20大阪サミットの概要と、開催地となる大阪の魅力を紹介する。

6月28日と29日、大阪府大阪市のインテックス大阪でG20大阪サミットが開催される。G20サミットは、日本など19ヶ国と欧州連合(EU)の首脳が参加して毎年開催されている国際会議で、日本が議長国となるのは今回初めてである。例年、G20の首脳に加え、招待国の首脳や、国連、世界銀行などの国際機関の代表も参加している。

G20の正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」であり、世界のGDPの8割以上を占める「国際経済協調の第一のフォーラム」として、世界経済を力強く成長させていくことを目的としてきた。1997年のアジア通貨危機を契機に、国際金融システムの議論には、G7に加えて主要新興市場国の参加が必要であるとの認識のもと、1999年に第1回G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催された。

その後、2008年に発生した経済・金融危機に対処するために、会議は首脳級に格上げされ、ワシントンD.C.において第1回G20サミットが開催された。G20大阪サミットは14回目に当たる。

G20は近年、経済や貿易のみならず、世界経済に大きな影響を与える開発、気候変動、保健など地球規模課題についても議論を行っている。G20大阪サミットでは、自由貿易の推進やイノベーションを通じた世界経済の成長の牽引、気候変動や海洋プラスチックごみを始めとする環境・地球規模課題への貢献、「女性の輝く社会」の推進等を通じ、G20として団結して対処していくという力強いメッセージを発信する予定。

なお、G20大阪サミット開催中は、会場となるインテックス大阪周辺で交通規制が行われる。

[G20メンバー]

アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、メキシコ、韓国、南アフリカ共和国、ロシア、サウジアラビア、トルコ、英国、米国、欧州連合(EU)

開催地・大阪

G20大阪サミットの開催地である大阪は、5世紀頃に難波津と呼ばれる港が、アジア諸国との交易の玄関口として開かれて以降、大阪城を中心に、海、河川、水路を活用した物流経済を発達させたことで、「水の都」とも呼ばれている。また江戸時代には、多くの生活物資が日本各地から集まり、さらに全国の消費地に送られるシステムが確立し、数多くの商人たち集う、「天下の台所」と呼ばれる商業都市となった。常に新しいものを取り入れる精神に富んだ大阪では、明治時代以降も数多くの世界的企業が誕生し、近年は、バイオ・ライフサイエンス産業に関わる高い技術力を持つ企業も増加している。

「天下の台所」大阪には豊かな食文化も生まれた。和食を特徴づける、昆布とかつおからとる「出汁」はその特徴の一つである。うどんなど麺類のつゆだけでなく、たこ焼きやお好み焼きといった小麦粉を主原料とする「粉もん」と呼ばれる料理の生地など、様々な料理に使われている。

大阪観光の楽しみは、こうした食を味わうことにある。「粉もん」始め、あらゆる種類の飲食店が集まる大阪最大の繁華街の道頓堀は、一年中、観光客や地元の人でにぎわっている。

また芸能も盛んで、古典から現代まで幅広いジャンルの音楽や演劇が上演されている。特に大阪で人気なのが「お笑い」である。伝統的な笑いの芸能「落語」や日本のスタンドアップコメディ「漫才」を多くの劇場で鑑賞することができる。

大阪は郊外にも様々な見所がある。その一つが、5世紀頃に造られた世界最大級の古墳「仁徳天皇陵古墳」である。JR大阪駅から電車でおよそ1時間弱の郊外にある仁徳天皇陵古墳(墳丘長486m)の周囲には約2.8kmの周遊路が整備されており、古代の息吹を感じながら散策できる。また日本政府は、この仁徳天皇陵古墳を含む「百舌鳥・古市古墳群」の世界遺産登録を目指している。

2025年には,大阪では1970年に続き2回目となる万国博覧会が「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマの下、夢洲地区で開催される。長い歴史と豊かな文化を持ち、「進取の精神」を育んできた大阪から、あるべき未来社会の姿が世界に発信されることだろう。