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Highlighting JAPAN

世界が味わう日本のお菓子

日本で人気の2つのお菓子を紹介。

柿の種

「煎餅」は日本で長年食べられてきた米菓子である。なかでも形が果物の柿の種に似ているため「柿の種」と呼ばれる商品は、日本中で非常に人気がある。しばしば、「柿ピー」と呼ばれて売られている、ピーナッツと混ぜられた、あとをひく唐辛子が効いた醤油味の米菓子は、海外でも愛好者を獲得しつつある。

「柿の種」を生産しているメーカーの一つである亀田製菓は、1989年から「柿の種」をアメリカで製造、販売している。

「アメリカでは1980年代から肥満や成人病が社会問題となり、低カロリー、低脂肪の日本の米菓子が注目されるようになりました」と、亀田製菓の丸山愛子氏は話す。「『柿の種』はアメリカでヘルシーな食品として高く評価されています」

アメリカでは、「Kameda Crisps」という名称であるが、レシピは日本の「柿の種」と同じである。米菓子を食する文化のないアメリカでは「柿の種」はなかなか受け入れられなかった。しかし、2013年に亀田製菓はグルテンフリーの認可を受けた「柿の種」を発売すると、それ以来、「柿の種」の売り上げは現在までに2倍に伸びている。

亀田製菓は中国、タイ、ベトナムでも米菓子の生産を始めている。

「アジアには各国に伝統の米菓子がありますが、煎餅独特の食感が楽しまれているようです。何よりアジア市場では日本企業への信頼が高いです」と丸山氏は言う。

亀田製菓は今後、ヨーロッパでの展開も検討している。

キットカット

1935年にイギリスで生まれた「キットカット」は、1秒間に約700本が消費されるほど世界中で愛されているチョコレート菓子だ。

日本はその消費量がイギリスに次いで世界2位の「キットカット」大国である。また、受験生のお守りとしても人気である。さらに、フルーツ、日本酒、抹茶などの食材を使った日本独自に開発された「キットカット」がこれまでに300種類以上販売されている。

「日本でこれほど多くのキットカットが開発されてきた背景には、日本ならではの多様な食文化があるのではないでしょうか」とネスレ日本の平松拓也氏は分析する。

日本独自開発の「キットカット」の中で、リンゴ、イチゴなど地域の特産品を生かした商品は「ご当地キットカット」と呼ばれ、国内外の観光客に人気の土産品となっている。その先駆けとなったのが、2002年に北海道で限定販売された「キットカット」だ。北海道夕張市の特産であるメロンと「キットカット」を組み合わせた味であった。この「キットカット」は、海外からの観光客がわざわざ足を運んで買い求めるほどの人気となった。

「海外のソーシャルメディアで日本の『キットカット』が広く話題になり、人気が海外にも広がっていきました」と平松氏は語る。

現在、「ご当地キットカット」の中で一番人気があるのは、静岡県のわさび味とのことである。

また、日本では高級版「キットカット ショコラトリー」シリーズが2014年から販売されている。1本、約300〜500円で販売されており、日本を代表する人気パティシエ・高木康政氏が監修している。豪華な材料を使い、美しくパッケージされたこのシリーズは、ギフトとして大人気となっている。ロンドンやメルボルンでも「キットカット ショコラトリー」シリーズは発売されている。