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Highlighting JAPAN

九州を走るユニークな観光列車

JR九州のD&S(デザイン&ストーリー)列車に乗ると、目的地まで楽しい旅を送ることができる。

或る列車
運行区間:佐世保〜長崎
1906年、私設鉄道会社「九州鉄道」が米国から取り寄せた列車があった。当時の日本で最も豪華な設備を備えていたが、運行される前に会社は国有化された。この、「或る列車」はその列車の精神とデザインを現代に蘇らせたものである。車両の外観の色は、金と黒を基調として、唐草模様があしらわれている。豪華な客車には、様々な木材が使用、絨毯が敷かれており、大きなテーブル、椅子が配置されている。栗、イチゴなど、九州の厳選された素材を使ったスイーツが供される。

特急 ゆふいんの森
運行区間:博多〜別府
「特急 ゆふいんの森」は、九州山地の森をイメージした鮮やかなフォレストグリーンの車体が特徴である。車内は木の温もりにあふれ、クラシカルな雰囲気が満ちている。展望席のほか、自由にくつろげるサロンスペースもあり、存分に車窓の景色を楽しむことができる。サロンスペースでは、客室乗務員による観光案内も行われる。

特急 海幸山幸
運行区間:宮崎〜南郷
「特急 海幸山幸」は、光あふれる青い海と緑の美しい山あいの景色の中を海岸線に沿って走っている。列車は、海幸車両と山幸車両の2両編成。内外装には、日南市の特産「飫肥杉」がふんだんに使われ、車内は杉の香が漂う。各車両にはソファーシートが設置されている。車内では、客室乗務員が日本神話のひとつ「海幸山幸伝説」を手作りの紙芝居で紹介する。

SL人吉
運行区間:熊本〜人吉
「SL人吉」は約100年前に造られた蒸気機関車で、風光明媚な球磨川沿いを、煙を吐きながら走る。客車は木、織物、革などを使ったクラシカルかつシックなつくりだ。展望室のある二つの客車からは、田舎の風景を眺めることができる。ノスタルジックな雰囲気の列車にあるビュッフェでは、「SL人吉」限定販売の駅弁「おごっつお弁当」や、球磨焼酎を染み込ませた焼酎アイスを購入することができる。

特急 指宿のたまて箱
運行区間:鹿児島中央〜指宿
「特急 指宿のたまて箱」は薩摩半島の海岸沿いを走る観光列車である。そのモチーフは地域に伝わる竜宮伝説である。車両の外観は、車両を左右真っ二つに切り分けるかの如く、大胆に黒と白に塗り分けられている。駅に到着しドアが開くと、その上部から白い煙のようなミストが立ちのぼる。竜宮伝説の主人公である浦島太郎が、約束に背いて、美しい「たまて箱」を開けたときの煙にみたてた演出だ。