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Highlighting JAPAN

サブカルが育まれる地

全国各地に点在するサブカルの小話について紹介しよう。

日本でもっとも人口が少なく、2014年まで日本の都道府県で唯一スターバックスがなかった鳥取県だが、実は近年漫画王国として知られ、多くの観光客が訪れている。
一つの理由として鳥取県は、『名探偵コナン』の青山剛昌氏、『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる氏など日本を代表する漫画家を数多く輩出してきた。県内にある2つの空港は、それぞれ「米子鬼太郎空港」「鳥取砂丘コナン空港」と名づけられている。

青山剛昌氏が生まれ育った北栄町にある「コナン通り」には、あちこちにコナン君のブロンズ像や石製モニュメントが立ち並ぶほか、コナン大橋や、コナンが描かれたマンホールまでも。「青山剛昌ふるさと館」では青山氏の生い立ちや作品の魅力に触れることができる。

水木しげる氏の故郷である境港市では、境港駅前から水木しげる記念館までの約800mに「水木しげるロード」が広がり、沿道に150体以上もの妖怪ブロンズ像が鎮座する。妖怪神社や妖怪ポストなど妖怪をモチーフにした面白いスポットもいっぱいだ。

Otakuの語源
いまや海外でも使われるようになったOtakuという言葉。日本では1970年代後半にサブカルチャーのファンの総称として誕生した。特に漫画やアニメ、ゲーム、フィギアなど嗜好性の強い趣味のファンを指し、語源はアニメ愛好家たちが「あなた」という意味で互いを「オタク」と呼び合うことに由来するといわれている。当時はチェックのシャツにウエストポーチ、リュックサック、スニーカー、眼鏡、バンダナがオタクを象徴するファッションとされ、彼らが好んで通う東京・秋葉原がオタク文化の象徴的な場所となった。

現在は、元の意味から少し離れ、「一つのことに熱中する人、その分野に詳しい人」と広い意味で捉えられるようになり、「バイクオタク」「カメラオタク」などと一般的に使われている。

アニメの聖地巡礼
日本国内のアニメファンはもちろん、外国人旅行者の間でもアニメの物語の舞台となった場所を訪ねる旅がブームになっている。これを宗教上の巡礼に例えて聖地巡礼と呼ぶ。ファンたちはアニメに出てくる光景と同じ場所を探しあて、記念撮影を行うなどし、お気に入りのシーンに思いを馳せる。

神奈川県の箱根は、『新世紀エヴァンゲリオン』の第3新東京市が置かれた場所。箱根湯本駅、芦ノ湖、大桶谷、仙石原高原など箱根の有名な観光スポットが数多く登場する。
『おおかみこどもの雨と雪』の舞台は富山県。「おおかみこども」を育てる場所として母親の花が選んだ人里離れた田舎町のモデルとなった場所は、細田守監督の出身地である上市町の山里にある。成長した男の子、雨が狼の姿となって駆け抜ける美しい山々のモデルは富山県のシンボルである立山だ。

『美少女戦士セーラームーン』の舞台は、東京の麻布十番。作者・武内直子氏のゆかりの土地であり、様々な場所がモデルとして漫画の中に登場している。『耳をすませば』の舞台は東京の多摩市にある聖蹟桜ヶ丘。駅や公園、団地など聖蹟桜ヶ丘の街並みがそのままアニメの世界に映し出されている。『らき☆すた』の登場人物が住んでいる神社「鷹宮神社」のモデルは埼玉県久喜市の鷲宮神社だ。『スラムダンク』のオープニングシーンに登場する神奈川県の江ノ電鎌倉高校前の踏切は人気の撮影スポットとなっている。
これらの場所は上映や放送が終わった今でもファンの心を掴んで離さず、巡礼スポットとして賑わいを見せ、作品とゆかりのある周辺のお店などに活気を与えている。

第二のAkibaはどこ?
電気街、メイドカフェ、アニメグッズなどが集まり、サブカルの聖地として知られる秋葉原だが、東京では第二の秋葉原として中野もその名を馳せる。中野駅北口にある「中野ブロードウェイ」には地下1階から地上4階までフィギアやアニメグッズの販売店はもちろん、家電、古本、化粧品、寿司屋、ラーメン屋、ゲームセンターまでありとあらゆる店舗が密集し、まるで迷宮のような館内に日本のサブカルがギッシリと凝縮している。

一方、西日本最大の都市・大阪で、「大阪の秋葉原」といわれるエリアが日本橋(にっぽんばし)。メインストリートとなるのは、その名も「オタロード」。年に一度、「日本橋ストリートフェスタ」というイベントが開催され、全国から多くのコスプレイヤーが集う。