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Highlighting JAPAN

現地レポート: 日本のサブカルチャーを体験

ひとりの外国人が風変わりな日本の文化的側面に足を踏み入れる。

日本には驚くようなユニークな発想から生まれた文化があちこちに潜んでいる。

フクロウがたくさんいる部屋
日本はまず、メイドカフェを世界に広めたかと思えば、それに続いてネコ、爬虫類、さらにはウサギカフェなどにも派生した。動物をテーマにしたこれらのお店では、店内で飼われている生き物と触れ合うことができる。東京にフクロウカフェがあるのを知った時、私は好奇心をかき立てられた。私を含めほとんどの人は、動物園でしかフクロウを見たことはないが、夜に鳴き声を聞いたことがあるくらいだろう。この謎めいた生き物を間近で眺め、実際に手を触れ、自分が生きた止まり木になる機会は極めて珍しい。

フクロウカフェ「アウルの森」では固定料金が採用されている。ワンドリンク付きで1時間、いろいろな種類のフクロウと触れ合うことができる。ハリーポッターの映画に登場するシロフクロウもいる。このお店では常時、20から30羽のフクロウがいる。撫でてはいけないフクロウもいるが、小型のフクロウのなかには手に持って撫でることが許されているものもいる。

店内はフクロウの習性に合わせて薄暗くしてある。店内の奥に進む途中、フクロウのような影を目にした。ただの装飾品だろうと思ったが、非常に驚いたことに、その影は、頭をクルリと回転させたかと思うと、暗く険しい2つの眼差しで私を見つめ返した。飾りなんかではない生きたフクロウだったのだ。

スタッフからフクロウの扱い方について簡単な説明を受けると、防護用の手袋が与えられ、小さなフクロウが私の手の中に置かれた。その大きさのわりには非常に軽かったが、難なくバランスをとっている様子に驚いた。フクロウはほとんどの間、じっと静かに座っていたが、やがて小さく吠えるかのように鳴いた時に私はギョッとしたが、とても面白い体験だった。

魅惑のカプセル
おもちゃ好きやコレクターの間で人気の娯楽は、専用の販売機で売られているガチャポンという透明のカプセルに入った玩具を追いかけることだ。ガチャポンとは販売機にコインを入れて、「ガチャ」と音を立ててレバーを回すと、「ポン」と音がして受け取り口にカプセルが落ちてくるものである。

秋葉原ガチャポン会館にはこのような販売機が500台近くある。私は店内で出会った2人の日本在住のブラジル人男性、Eduardo TerzianさんとArtur Santosさん にいくつか助言をもらった。彼らによると、ガチャポンでは「何が手に入るかまったくわかりませんよ!」とのことだ。なぜなら、透明のカプセルに入った何種類もの玩具の中身は見えるのだが、無作為に出てくるので必ずしも目当てのものを得られるわけではないからだ。

プラスチック製のフィギュアにはアクションヒーロー、日本のアニメキャラクター、軍艦、飛行機、動物から食品サンプルまで多種多様なカテゴリーがあり、どれも興味をそそられる物ばかりなので選ぶのが大変だった。私は最終的に、本物そっくりな寿司を扱っている販売機に決めた。

どのような寿司ネタを手に入れることができるか考えながら、私はコインを入れレバーを回した。ポンという小さな音とともに、カプセルが落ちてきた。さっそく手に取ってみると、プラスチック製のかわいい寿司のレプリカのネタは・・・卵焼き(オムレツを巻いたようなもの)であった。ブラジルの友人から教わったように、これがガチャポンの世界なのだ。

あらゆる商品を販売するマシーン
日本の一般的な自動販売機の数と多様性は海外でもよく知られている。人口一人あたりの自動販売機数は世界一なので、都市部であろうと田舎であろうと、人がいるところなら販売機は常に身近に存在する。

日本の自動販売機はいくつかの点で非常に興味深い。例えば、温かい商品と冷たい商品を同時に扱う販売機があるが、この機能は私の故郷のアメリカでは一度も目にしたことがない。また、アメリカと違い、日本の自動販売機にはどんなに人里離れた場所にあろうとも、盗難防止のための警報や監視カメラといった装置はついているが、重厚な鍵、チェーン、鉄格子は装備されていない。

さらに、日本の自動販売機が取り扱う商品は数えきれないくらい様々な物がある。ジュース、ビールなどのドリンク類はもちろん、アイスクリーム、ハンバーガー、花束、傘、衣類まであり、アメリカよりもはるかに多様でその品揃えには驚かされる。私は缶入りのおでん(日本の料理でダイコン、ゆで玉子、コンニャク、魚の練り物などを醤油ベースのつゆの中で煮込んだもの)を扱う自動販売機に立ち寄った。

残念ながら、この販売機では冷たいものしか扱っていなかったが、その日の夜に帰宅してから食べると、うれしいことにかなり満足できる味であった。さらには、木の串がついていたので、出先でも食べることができる。

私には新鮮な発見をもたらしたこれらの体験だが、日本人にとっては驚くに値しないだろう。なぜなら日本の消費者を相手に、特にサブカルチャーの商品を売り込むのなら、普通では想像し得ないありとあらゆることを考えなければならないからだ。