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Highlighting JAPAN

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食の祭典ミラノ万博 日本館の見どころ(仮訳)

 

2015年ミラノ国際博覧会にて、日本は「共存する多様性」をテーマに出展をしており、長い歴史で培われた和食文化が、食糧問題や食糧安全保障など人類共通の課題解決に貢献するとのメッセージを打ち出していく。

2015年ミラノ国際博覧会は「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに今年5月から約半年にわたって開催される。日本は敷地面積約4,170㎡と、参加国中最大級の規模で出展している。「日本館」のテーマは、”Harmonious Diversity - 共存する多様性 -”。日本は多様な農林水産業を礎として、米・魚介類や野菜などを中心とした様々な食、さらに高度な伝統工芸技術・職人技を用いた豊かな食文化を培ってきた。世界遺産にも登録された「和食」文化は、食糧問題など人類共通の課題解決に貢献するとともに、多様で持続可能な未来の共生社会を切り拓く大きな可能性を秘めているとのメッセージを打ち出す。

日本の箸をモチーフとしたシンボルマークには、日本ならではの礼の精神が表現され、また日本館は「立体木格子」を用いて「多様性を抱くうつわ」を形づくっている。

プロローグと5つのシーンで構成される展示は、産地から食卓まで「食をめぐる遥かなる旅」の体験を来場者へ提供する。プロローグでは書画などの日本の芸術や習俗を用いて日本らしさを存分に感じてもらえる印象的な空間が創出されている。

最新技術を用いた体験型エンタテイメントも用意されている。シーン1ではバーチャルな農村体験。シーン2ではスマートフォンアプリと連動し、日本の農と食文化に関する1000以上のコンテンツを提供する。

シーン3は、インタラクティブな「触れる地球」で地球が抱える問題を可視化し、マグロ・ウナギの完全養殖など、日本の最先端の技術開発や国際貢献の取り組みを紹介する。シーン4では、現代的で美意識溢れるクールなダイニング空間を展示している。続く「ジャパンショーケース」コーナーでは、ゲームやファッション、観光など、魅力的なクールジャパンコンテンツに触れ、締めくくりとなるシーン5の円形シアターでは、観客参加型のショーを鑑賞できる。

日本の食文化では、山海の食材を多様な方法で調理し、食事する行為そのものにも多様な美意識やアートが存在する。有名な魚の生食はもちろん、日本館では昆布やかつおを使って旨味を出す出汁、発酵や天日干し技術、食材を健康的に組み合わせた「一汁三菜」(主食である米に、スープと3種類のおかずを合わせる)というスタイル、また米とおかずを一緒に口の中に入れて咀嚼する「口内調味」なども紹介されている。日本館のレストランコーナーには日本最高峰の料亭をはじめ、様々なレストランが出店している。

現地の様子を日本館の小林浩人館長に伺った。「6月に入ってからの平均待ち時間は、短いときで30分、長くとも1時間強くらいです。外国人に人気のコーナーの一つが、シーン1のハーモニー。目の前に広がる映像に埋め尽くされた空間に、来場者からは驚きの声が上がります。人の位置や動きで変化するインタラクティブな映像空間に分け入り、歩き回りながら、日本の四季がもたらす厳しくも豊かな農風景を、五感を通じて体験いただいています」。

「複数の店舗が存在するフードコートは、その形式自体が、イタリア人の方々にとっては珍しいといわれます。『日本食といえば寿司』というイメージを持っているイタリア人の方々にとって、カレーやライスバーガー、蕎麦、すき焼きなどのバラエティー豊かな日本食は新鮮に映っているようです」。

会場内でもっとも人気のパビリオンといわれている日本館で日本の食文化の味わいや多様性を体感してみてはいかがだろう。




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