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Highlighting JAPAN

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観光

訪れやすく、楽しく周遊できる国を目指して

観光庁・久保成人長官インタビュー(仮訳)



近年、日本を訪れる外国人旅行者の数が飛躍的に伸びている。東京や京都などの代表的な観光地だけでなく、地方の自然景観、郷土色に富むイベント、テーマパークなど、旅の内容も行き先も多様化している。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、さらに大幅な観光客増が期待される中、日本の観光行政分野の取り組みの現状を観光庁・久保成人長官にうかがった。

——訪日外国人旅行者数の推移を教えていただけますか。

2012年に836万人だった訪日外国人旅行者数は、2013年に1000万人の目標を達成し、さらに2014年には1300万人を超えました。この2年間で500万人と飛躍的に増加しています。現在は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催の年に向けて、2000万人を目指すこととしており、この達成に向けて観光立国の実現に向けた施策を推進しています。

——外国人旅行者の受け入れに向けて、どのような取り組みをされていますか。

まず、インドネシアからのビザ免除をはじめとして、旅行ビザ要件を緩和していきます。2016年までに地方空港を含める全空港での入国審査にかかる待ち時間を、最長20分までに短縮し、外国人旅行者が訪れやすい体制を整備するため、CIQ(税関・出入国管理・検疫)の予算・スタッフ・設備も充実させています。

また、言語面でも外国人の方々ができるだけ言葉の壁を感じることなく旅行を楽しめるよう、美術館や博物館、自然公園、観光地、道路・公共交通機関等の標識の多言語化を進めています。専門家や観光関係者、外国人留学生も含めた検討会を設置し、多言語化のガイドラインも策定しました。例えば温泉はSpaではなく世界的に定着し始めているOnsenに統一するなど、外国人目線に立って表記を改善、統一しています。ガイドラインの周知を進めることで、国内各地の多言語環境を強化していく方向です。

さらに、外国人旅行者からの要望が多い分野として、海外のカードを使えるATMの増設、フリーWi-Fi環境の拡大も進めています。このほか、誰もが楽しめるように道の駅(その土地ならではの食べ物や娯楽が楽しめる休憩所)、コンビニなどを利用した観光情報提供の拠点を増やし、外国人が一人歩きできる地域環境を整備します。

ムスリム旅行者への情報発信も進めます。宗教上適切な食事ができる店や、礼拝施設、受け入れ可能な宿泊施設などのガイドブック作成を行い、日本の飲食・宿泊施設にも食物の成分表示などの働きかけを行い、日本での観光を誰もが楽しめるよう、理解促進を図ります。

——外国人旅行客が日本観光をこれまで以上に楽しめるような取り組みはありますか。

昨年2014年10月に、免税制度の対象品目を、従来対象外であった消耗品を含む全品目へ拡大しました。これにより、食料品、酒類を含めた飲料品、医薬品、化粧品などの消耗品や、地方の名産品なども免税対象となり、日本の商品を幅広く買い求めていただけるようになりました。また、商店街やショッピングセンターにおいて、ひとつひとつの店舗で手続きをするのではなく、合算でまとめて免税手続きができる免税カウンターの設置や、免税申請書類の簡略化など、手続きのストレスを減らし、日本でのショッピングを心から楽しんでもらえる仕組みを作っています。

また、旅のテーマを多様化する点でも、無形文化遺産に認定され人気を集める「和食」や、日本伝統のホスピタリティの現れとも言える「旅館」をブランド化し、日本各地の和食や旅館の粋を伝えるべく発信していきます。滞在先も一カ所だけでなく、周辺の観光地へも足を伸ばして様々な日本を知ってもらえるような広域観光周遊ルートを企画・形成し、広くお伝えしていきます。

多様性に富むショッピングの環境や、安全な移動環境など、制度整備の取り組みを通じて、私たちは一年を通じて楽しめる日本の良さやホスピタリティを、世界の皆さんに広く知っていただきたいと思っています。ぜひ、日本へお越し下さい。




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