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Highlighting JAPAN

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連載 47の物語

大阪

奥深い魅力と現代のエネルギー(仮訳)




昔と今をつなぐ大胆で人情味にあふれ、食べものがおいしい商人の街、大阪を探訪するのは、日本を訪ねるどんな旅のなかでもそのハイライトになることだろう。神戸・大阪・京都大都市圏の中心であるとともに、西日本の経済の中心でもある。大阪の便利な鉄道と地下鉄網のおかげで街を歩くのは簡単だが、大阪は平らな街なので、自転車でまわるのもいい方法だ。

大阪城は最初に訪れるのにはいい場所だろう。関白、豊臣秀吉が最初に建てた城は建て直され、現在は秀吉の一生と業績を讃える博物館であり、大阪の興隆と衰退、そして現代日本の経済の中心都市のひとつとしての復活のモニュメントでもある。

心斎橋はお土産以外のショッピングも楽しみたい人のためのエリアだ。心斎橋駅は大阪の高級ファッションのショッピング街でもある御堂筋につながっている。御堂筋の西側にある有名ブランド店街の裏手にはもう少し現代的で挑戦的なファッションが幅を効かせる「アメリカ村」がある。アメリカンファッションと音楽がかつてのこの一画の魅力だったが、現在では若者向けのオリジナルなファッショントレンドと地元のデザイナーたちがこの場所を若さ溢れるサブカルチャーの拠点に変えた。

御堂筋から南に少し歩けば道頓堀だ。17世紀以来、大阪の下町では行かなくてはいけない場所。あなたが食べ物に目がないのであればなおさらだ。大阪で2、3回しか食事をするチャンスがないのであれば、一度はこの道頓堀で食べることをおすすめする。

試すべきは大阪の代表的な食べ物、「お好み焼き」。野菜や肉、魚介類などが入ったおいしいタネを鉄板の上で焼くもの。具の種類や取り合わせはさまざまなので、つまりはお好みで数多くの取り合わせにできる。自分で焼かせてくれる店もあるが、全部やってくれる店もあるので、好みがあれば事前にチェックした方がよい。

ノリのいい道頓堀の街は、自分の店のチラシを配るお洒落な男の子やかわいい女の子、戎橋のグリコマークのネオンの前で自分の写真を撮る観光客、仕事帰りに友達と飲みに行く人たちで溢れる。大阪の人はみな温かく、率直でオープンなので、日本の他の場所のもっと控えめな人たちに慣れている人は驚くだろう。大阪は日本のお笑い芸人の大半を排出している街としても知られているので、ユーモア好きならば大阪は性に合うに違いない。

大阪の最新名所は阿倍野にある「あべのハルカス」という高層ビルだ。2014年3月にオープンしたばかりのこのビルは高さ300メートルある日本で一番背の高いビルで、60階の展望フロアからは神戸・大阪・京都の大都市圏を一望できる。

「あべのハルカス」は大阪の今のシンボルだが、大阪には他にも訪ねたい名所がいくつもある。そのひとつは新世界だ。パリとニューヨークの両都市に触発されて1912年に新世界は開発された。かの有名な通天閣がその中心だ。新世界には、寿司からスッポン料理まで、多彩な食べ物屋が集まる。

しかしここの名物は何と言っても串カツだ。串に刺したジューシーな肉やチーズ、鶏肉や野菜に軽く衣をつけて揚げた料理。食べることがすべてと言っていいほどの大阪は、「破産するまで食べる」という意味の「食い倒れ」という言葉を生んだ。

大阪のエネルギーと魅力、そしてその心と人を一度知った人は、またこの街を訪れたくなることだろう。この街には、いつも何か新しい発見があり、新しい友達が待っていてくれる。



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