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Highlighting JAPAN

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連載 47の物語

茨城県水戸市

庭園と温泉、そしてあふれる緑(仮訳)



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上野(東京)からいわき行きの常磐線特急列車に乗ると、1時間程で茨城県の県都、水戸に到着する。

水戸には、「日本三公園」の一つである偕楽園がある。偕楽園とは日本語で「皆が楽しむことのできる庭園」を意味し、その名の通り訪れる者誰にでも開かれてきた。偕楽園は1842年に徳川斉昭によって1842年に徳川斉昭によって創設され、その後長い年月が経過した現在でもこの庭園には年間100万人を超える人々が訪れている。偕楽園は鮮烈な美と至高の安らぎを感ずる場所なのである。

この庭園には、100品種3,000本という圧倒的な数を誇る梅の木がある。毎年2月20日から3月31日まで、この公園では白とピンクに優雅に染まった花の雲の景観を楽しむ梅まつりが開催される。他の種類の木も数多くあり、それぞれ公園の定まった区画に植えられている。公園は入場無料であり、年間を通して開園している。

少額の入場料が必要だが、斉昭や民衆の休憩所として建てられ、庭園を見渡せる場所にある好文亭を訪れることもできる。さらに、現在は東日本大震災による被害の修復が行なわれているが、教育と武道鍛錬のための庭園付属施設として造られた弘道館を訪れることもできる。斉昭は、弘道館で鍛錬と学問を学び、偕楽園で休養を取り思索すべしという崇高な考え方を掲げていた。

さらにリフレッシュしたいなら、水戸からJR水郡線に1時間10分ほど乗ると、やがて袋田駅に到着する。ここから壮観な袋田の滝まではバスに乗るとすぐである。3本の細い支流が滝の上流の丘陵地で合流し、段のある崖を流れ落ちる。滝の落差は畏怖さえ感じられる段状の岩伝いに120mあり、その美しい景観と轟音は圧倒的である。袋田の滝は年間を通して観賞することができる。

秋には、木々の葉が赤や茶に深く色づく。11月から2月までの期間の週末の夜には、滝がライトアップされる。厳冬期には滝は完全に氷結し、崖の表面が氷の壁に変わる。春になると景観のあちこちで山桜が花を咲かせる。夏には、山の冷しい風と近隣の祭りがキャンパーをこの地域にひきつける。

袋田地域はまた、数々の温泉が湧く名所でもある。およそ850年前にはこの地域では稲作が盛んであった。農夫たちは水田に熱い地下水が湧き出ることに気づき、疲れを癒すためにしばしば水田に身を横たえた。現在では、15年前に開かれた関所の湯が同じように旅行客の安らぎの場となっている。ここでは含有ミネラル成分の湯治効果を損なわないように源泉を薄めずに利用している。また関所の湯には、極上のメニューを揃えたレストランもある。食材はすべて地元産である。地元産のジュース、地ビール、ヨーグルトなど、渇いた喉を潤す各種の飲み物もある。

茨城県は、多数の文化遺産や自然遺産がある上に訪れやすい位置にあり、都会の喧騒から離れたい旅行客にとっては最適の地である。ゆっくり休んで元気を取り戻したいならば、偕楽園や袋田地域は絶対に行く価値がある。



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