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特集日本の食

健康的にやせられる社員食堂(仮訳)

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体重計や体脂肪計などの健康計測機器メーカーのタニタは、健康に良いメニューを提供する社員食堂が有名だ。今年1月には東京のビジネスの中心地丸の内に、一般の方が利用できる「丸の内タニタ食堂」を開き、連日、大勢の人で賑わっている。ジャパンジャーナルの澤地治が、丸の内タニタ食堂の責任者であるタニタの南修二氏に話を聞いた。

──1999年、タニタが東京の本社に社員食堂を開いた理由をお聞かせください。

南修二氏:タニタは体重計や体脂肪計などの健康計測機器を製造する会社です。言わば、「健康をはかる」会社です。そのため、社員の健康維持に力を入れていました。その一貫として、ヘルシーメニューを提供する社員食堂を始めたのです。ただ、最初は、肥満解消に重点を置いたメニューで、とにかく料理のカロリーを減らすことを重視していたので、味は薄く、量が少なかったため、社員からは、「まずい」、「お腹が空いてしまう」という不満の声ばかりでした。

──そうした不満を解消するために、具体的にどのような工夫をしたのでしょうか。

メニューの基本は、ご飯、味噌汁、野菜、肉や野菜のメインという和定食です。通常でもこうした食事は十分に健康的ですが、それを、社員食堂の栄養士が、油や塩をできる限り使わず、素材の美味しさを活かした味になるように、日々、工夫をしました。例えば、魚と昆布を使ったダシ、酢、唐辛子を使うことで、塩を使わずに、味にアクセントを出すようにしています。それにより、カロリーや塩分を抑えたままでも、料理が美味しくなるのです。

また、野菜はかために茹でているので、皆さん、よく噛んで食べるようになります。皆さんには20分以上かけて、食べるように勧めています。早く食べると満腹感が得られず、直ぐにお腹が空いてしまうからです。

今、200種類以上のメニューがありますが、そのほとんどが、500キロカロリー前後、塩分3グラム以内に抑えられ、野菜が200グラム以上含まれています。

──社員食堂の利用者にどのような効果があったのでしょうか。

昼食だけ社員食堂で食べ、その他は、特に食生活を変えていない人でも、1年で9キロ、あるいは4ヶ月で3キロ体重を減らした人がいます。また、ある人は、社員食堂の食事をきっかけに、朝晩も食堂のメニューを再現して自炊を始めた結果、1年で15キロ減らすことに成功しました。

その他、コレステロールの値が改善した、通常食べる食事の量が減った、風邪をひかなくなったといった変化を多くの利用者が感じています。

──一般の人向けに「丸の内タニタ食堂」を開店した理由をお聞かせ下さい。

2010年2月に、タニタの社員食堂のメニューのレシピを紹介した本を出版すると、470万部を超えるベストセラーとりました。すると、「実際に、食べてみたい」という読者からの声をたくさんいただいたのです。そうした皆様の声に応えるために、今年1月に「丸の内タニタ食堂」をオープンしました。丸の内近辺の会社員の方々だけではなく、全国からお客様がいらしています。多くの方から、「思ったより薄味ではなく、とても美味しい」という感想を頂いています。

メニューは、社員食堂と同じ日替わりの定食と、タニタ丸の内食堂オリジナルの週替わりの定食の2種類が食べられます。テーブルには、ご飯の重さを測る計量器と、食事時間を計るタイマーが置いてあります。

また、店内には管理栄養士が常駐しています。最新の体組成計で数値を計った後に、無料で食生活について、カウンセリングを受けることも出来ます。

今後、メニューをさらにブラッシュアップさせて、皆様の健康的なダイエットの手助けをしていきたいと考えております。

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