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Highlighting JAPAN

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特集日本の食

日本人は何を食べている?(仮訳)

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日本では、大人も子ども何を食べている?お昼時に人々で賑わう場所を訪れてみると、いろいろな食べ物に出会う事が出来る。ジャパンジャーナルの澤地治が報告する。

学校給食

「良い姿勢をしましょう!」

「作って下さった人に感謝していただきます!」

東京都豊島区にある西巣鴨小学校の2年生1組の教室では、21名の児童が、そう声を揃え、手を合わせた後、皆、嬉しそうに給食を食べ始めた。この日のメニューは、ご飯、焼き魚、ゴマをまぶした茹でジャガイモ、ハムと野菜のサラダ、卵とトマトが入ったスープ、そして牛乳だ。

現在、日本の小学校の約99%、中学校の約86%で学校給食が実施されている。メニューは主に、主食(パン、ご飯)、おかず(主菜・副菜)、汁物、デザート、飲み物という組み合わせだ。

食に関する知識を深めることで、健全な食生活を実践出来る人を育てる「食育」を、給食を通じて実践する学校も多く、西巣鴨小学校(児童数220名)もその一つだ。給食用の食材である野菜の皮むきの体験、主食、おかずなどの組み合わせを考えた上で、児童が希望のメニューをリクエストする「リクエスト給食」などを実施している。「給食は、美味しいし、みんなで一緒に食べるのが楽しいです」と小学4年生の女子児童は言う。「給食でとても美味しかった料理を、お母さんに作ってもらいたいと思って、給食を作っている栄養士さんに作り方を、聞いたりするときもあります」

お弁当

午前11時すぎ、東京駅近くの東京国際フォーラムの中庭に、8台の移動販売車がやってきた。イベント向けの食品サービス事業を行うワークストア・トウキョウドゥが運営するテイクアウト用弁当販売のワゴンだ。

ワゴンには調理設備もあり、利用客は出来立ての温かい弁当を買うことができる。販売している弁当のジャンルは和食、洋食、エスニックなど、ワゴンごとに異なる。価格も500円〜700円で、周囲の飲食店より安く、テイクアウトして職場や公園で昼食をとる人々の人気を集めている。

東京国際フォーラムの中庭に出店する店の選択や出店スケジュールの管理を行っているワークストア・トウキョウドゥの担当者は「出店するワゴンを曜日ごとに入れ替えるなどして、お客様に飽きずに通っていただけるよう工夫しています」と話す。「人気によって店の入れ替えもあり、最近話題のB級グルメの店にも出店してもらっています」

全国のB級グルメが年に一度、味を競う「B−1グランプリ」で上位入賞の常連である「横手やきそば」も出店している。甘めのソースをからめた太い麺に、半熟の目玉焼きを乗せてあるのが特徴だ。正午前に並んでいた40代の男性会社員は「この味が気に入って、最低でも週に1回は来ています」と笑いながら話していた。

ミシュラン店でランチ

デパート、小売店、飲食店などが集まる東京の新宿にある「新宿割烹中嶋」はミシュランガイドで2008年から一つ星を獲得している割烹料理店で、夜は8400円からの日本料理のコース料理を提供している。正午過ぎ、お店を訪ねると、カウンター席は、近隣の企業で働く人々で埋まっていた。彼らが食べているのはイワシのお昼定食。その値段を聞くとなんと800円だという。

高級なイメージの強い割烹料理店が、何故リーズナブルなランチを提供しているのか。同店の女将によると「お店の周辺には個別に社員食堂を持たない小規模な企業、物販店が多いのです。もともと、そうした小さな企業に勤める方々向けに、ランチを始めました。ここ20年ほど、ランチの価格は変えていません」という。

食材にイワシを選んだ理由は、安価で味が良く、健康にも良いからだ。ミシュラン掲載後に増えた外国人客のために、写真入りメニューも用意されている。この日、日本人の友人とともに店を訪れていたオーストリア人のグループも「お刺身が非常にフレッシュで美味しかったです」と満足そうだった。

ミシュランガイドで見てから通うようになったという20代の女性会社員は、「会社が近く、一度来てみたらあまりに美味しいので、月に何回か来るようになりました。1000円以下で、この味が食べられるのは貴重だと思いますね」と話していた。

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