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Highlighting JAPAN

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特集震災から1年:被災地で活躍する外国人

アートで仮設住宅に彩りを(仮訳)

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国際交流基金と駐日ブラジル大使館のプロジェクトにおいて、日系ブラジル人アーティストのチチ・フリークス氏が、宮城県石巻市の仮設住宅に彩りと住む人々の会話を生み出した。ジャパンジャーナルの澤地治が報告する。

12月初旬、宮城県石巻市の仮設住宅の壁に色とりどりの金魚、花などの大きな絵が現れた。国際交流基金の招きで来日したチチ・フリーク氏によって描かれたグラフィティだ。チチ・フリーク氏はブラジル・サンパウロ生まれの日系ブラジル人で、ブラジルを代表するグラフィティ・アーティストである。これまで、世界的ブランドとのコラボレーションも多い。

国際交流基金は、仮設住宅に彩りを加えるとともに、住民同士のコミュニケーションのきっかけを作り、より活気のあるコミュニティづくりにつなげるために、今回のプロジェクトを企画した。

プロジェクトに参加した理由を、チチ・フリーク氏は「多くの援助や配慮を必要としている人達の為に絵を描けるということ、また、僕や今回の企画の関係者皆がアートは人々を親密にし、自尊心を高めることができるものであると信じていたからです」と説明する。

チチ・フリーク氏は、10日間にわたってグラフィティの制作に取り組んだ。制作の様子を見学するだけでなく、チチ・フリーク氏に話しかけたり、毎日のようにお菓子や飲みのものを差し入れたりする住民も少なくなかった。そして、住民同士が絵についておしゃべりをするなど、まさに、アートがコミュニケーションのきっかけとなった。また、彼はヨーヨーも得意であったので、子どもたちに技を披露したり、教えたりし、子どもたちにも人気であった。

チチ・フリーク氏も、住民が自分のアートを受け入れてくれ、自由に描かせてくれたことを非常に喜んだ。

最終日には、チチ・フリーク氏と一緒にカラースプレーを使った作品を作るワークショップが開催され、大人から子どもまで多くの住民が参加している。また、その後に開かれたお別れのパーティーにも住民が集まり、チチ・フリーク氏を感激させた。

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