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Highlighting JAPAN

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総理動向

野田総理、ダボス会議へのメッセージ(仮訳)

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2012年1月28日、野田総理は、スイス連邦のダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)2012年年次総会(ダボス会議)のセッション「危機の時代の困難な選択」に衛星回線を通じたテレビ会議で参加した。

テレビ会議の中で野田総理は、日本が取り組んでいる復興の現状と、日本の挑戦と世界へのモデルの提示について語った。

テレビ会議において野田総理は、「震災の教訓を国際社会と広く共有する姿勢を持っていきたいと考えております。また、複合的危機から大きく影響を受けるのは社会的な弱者です。人間の安全保障の観点が重要だと思います。我が国は引き続き、貧困や感染症といった国際社会が直面する諸課題にも積極的に取り組み、国際社会に貢献していきたいと思います」と述べた。

また、野田総理はテレビ会議に先立ち、1月26日にダボス会議のサイドイベントとして行われた「ジャパン・ナイト」にビデオメッセージを寄せている。

会場に集まった約600名の参加者に向けて、野田総理は「世界各国からの温かい支援を受け、被災地のインフラや経済は確実に立ち直りつつあり、首都圏を含めた被災地以外では、震災前の日常が戻っています。多くの日本企業は驚異的なスピードで復旧を果たし、サプライチェーンは完全復活を遂げました。東京電力福島原発の事故についても、昨年末、原子炉の冷温停止状態を達成し、もはや日本でビジネスを行う大きな障害とはなっていません」と強調した。

そして、大震災後の日本が、今、人類の最先端の課題に改めて挑戦する三つの歴史的な役割があると述べた。

「一つ目は、財政規律を維持しながら、持続可能な成長を目指す挑戦です。特に日本では、人類史に例を見ない長寿社会への挑戦を伴います」と野田総理は述べ、「私は、日本で持続可能な社会保障制度を構築し、財政規律を維持するための大きな改革を必ずや実現します」と強調した。

また「二つ目に、我が国の中長期的な成長を考える上で、ダイナミックな成長を遂げるアジア太平洋地域の活力を最大限に取り込んでいくことが欠かせません。我が国は、この地域のルールづくりに積極的に貢献します。その皮切りがアジア太平洋自由貿易圏の実現です。昨年は、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るという決断をいたしました。日中韓、ASEAN、日EUを含め、高いレベルの経済連携のネットワークを同時並行的に推進し、大震災からの復興のエネルギーを、開かれた新たな成長の力へと転化させていきます」と語った。

さらに「三つ目は、 文明に光をもたらすエネルギー制約への挑戦です。震災後の原子力発電所の停止に伴って生じた電力需給の逼迫という新たな試練は、新たなイノベーションを呼び込むチャンスに転換できると考えています。再生可能エネルギーの拡大、蓄電池、スマートグリッドなど効率的なエネルギー管理を進める新たなシステムの導入、省エネルギー文化の進化などを進め、引き続き日本はこの分野で世界をリードしていきます」と述べた。

ジャパン・ナイトでは、野田総理のメッセージに続いて、前日ダボス会議においてスピーチを行った渡辺謙氏が登壇、渡辺氏の紹介で、復興する日本、更なる飛躍を遂げる日本、そして世界に貢献する日本をアピールする映像「LIGHTS OF JAPAN」が上映された。

続いて書家の紫舟さんによる書道パフォーマンスが行われた。紫舟さんが大きな筆を使い、龍の絵をバックに「光」、「Japan」とえがくと、参加者から大きな拍手が寄せられた。

また会場には、被災地の産品も含め日本の食材を使った料理がずらりと並び、参加者を魅了した。特に、酒のコーナーには多くの人が集まりその味を楽しんだ。

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