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Highlighting JAPAN

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特集日本のテーマパークを支えるハードとソフト

インスタントラーメンがいっぱい!(仮訳)

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2011年9月に神奈川県横浜市にオープンしたカップヌードルミュージアムは、世界初のインスタントラーメンを発明した安藤百福の創造的思考を、楽しみながら体験できるスポットだ。安藤が96年の生涯を閉じた際、ニューヨーク・タイムズ紙は、シンプルに「ミスター・ヌードル」と題した社説を掲載し、安藤の功績に感謝した。館長の筒井之隆氏に末村成生が聞いた。

──カップヌードルミュージアムのコンセプトと見所を教えてください。

筒井之隆氏:カップヌードルミュージアムは、子供達の創造力や探究心を豊かに育てるための体験型ミュージアムです。「カップヌードル」工場に見立てた遊具の中で、製めんから出荷されるまでの工程体験できるアスレチック施設や、「チキンラーメン」を手作りできる工房など、数々の展示を通じて楽しく体験しながら、インスタントラーメンを発明した安藤百福の創造的思考を体感することができます。

──安藤百福は、なぜインスタントラーメンが必要と考えたのですか?

第二次世界大戦終戦直後の日本では、食糧難による栄養失調が多く、行き倒れになる人も後を絶ちませんでした。ある日屋台のラーメン屋に大勢の人が並んでいる光景を見て、「誰でも簡単に作れるラーメンを発明したら喜ばれるのではないか?」と考えました。

これから10年後、ある事業に失敗した安藤は、自宅の裏庭に研究用の小屋を建て、ラーメンの研究を一人ではじめました。必要な道具や食材を調達し、失敗を繰り返しながらも、1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を完成させました。どんぶり(陶器などでできたボウル)に「チキンラーメン」を入れて湯を注ぎふたをして3分間待つ。それだけで食べられる画期的な食品の誕生です。

──すべて一人で作ったのですか?

例えば麺であれば、水分や塩分の比率を自分で試行錯誤して決め、ほぼ出来上がってから専門家に仕上げてもらいます。これが安藤の開発スタイルで、ほとんどすべての製造工程を自分で考え出し、形ができてからそれぞれの専門家に指示します。

カップにお湯を入れて3分待つだけで食べられる「カップヌードル」の発明(1971年)も同様です。具材の乾燥法、容器やふたの形状や材質、容器の包装フィルムなど、どの技術も当時はめずらしかったものです。製造工程を含めてすべて発明したと言ってもいいでしょう。

──「カップヌードル」のアイデアが生まれたきっかけは?

1966年、インスタントラーメンを世界へ広めるために欧米視察に出かけた安藤は「欧米人は箸とどんぶりでは食事をしない」という食文化の壁に気付きます。米国人が「チキンラーメン」を二つに割り、紙コップに入れて食べている光景を見て「これだ!」と思ったのです。最初から麺がカップに入っていれば、どんぶりは必要ありません。

普通は見過ごしがちなこともアイデアに結びつける発想力の源は、生来の子供のような強い好奇心です。そしてアイデアは実現するまでは、何度失敗しても決してあきらめない執念の人でした。

──安藤氏が最後に開発した宇宙食ラーメンについて教えてください。

安藤百福が宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を開発したのは、90歳をすぎてからです。カップヌードルと同様にお湯を注入して作りますが、無重力空間ではスープが飛び散ってしまうので、粘度が高いゲル状のスープに仕上げています。

安藤は、2005年にスペースシャトルに搭乗した宇宙飛行士・野口聡一が宇宙で「スペース・ラム」を食べている映像を見て、大変喜んでいました。

「宇宙でラーメンを食べる」という光景は、安藤の創造的思考を象徴するものだったと言えるでしょう。


東京ミートレア(仮訳)

東京都八王子市にある東京ミートレアは、個性豊かな肉料理が一堂に集まったフードテーマパークだ。色彩豊かな情景が印象的な館内は、家族連れから学生、年配者まで幅広い年齢層の客達で賑わっており、ステーキ・焼肉・餃子・ハンバーグの専門店からブラジル・台湾唐揚げ店まで、個性的な7つの店が並ぶ。

東京ミートレアでは、すべての店にテイクアウトメニューがあり、好みの料理を選んで共用客席に持ち寄り食べ比べることができる。このアイデアは非常に好評を得ており、家族連れから学生、年配者まで幅広い年齢層の客達が、店を回って肉料理を楽しむ姿が印象的だ。

味や香りだけでなく、肉料理を見て知って楽しむための工夫も行き届いている。各店の厨房は見通しよく設計されており、腕利きシェフ達の華麗な手さばきに感心しながら料理に舌鼓を打つのは、なかなか新鮮な体験だ。併設されたミュージアムで肉料理に関する豆知識を身につける楽しみもある。


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