Home > Highlighting JAPAN > Highlighting JAPAN 2011年4月号 > 世界とともに震災を乗り越える日本(仮訳)

Highlighting JAPAN

次へ

特集世界とともに震災を乗り越える日本

世界とともに震災を乗り越える日本(仮訳)

English

3月11日午後2時46分、東北地方太平洋岸の三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の「東日本大震災」が発生した。これは1960年のチリ地震(M9.5)、1964年のアラスカ地震(M9.2)、2004年のインドネシア・スマトラ沖地震(M9.1)に次ぎ、観測史上世界4番目、国内では過去最大規模の地震であった。

地震発生後、大津波が東北地方沿岸を襲った。その高さは最高で20メートル以上と考えられている。過去の地震の経験から、東北沿岸の地域では、防波堤の建設や避難訓練など津波を想定した対策をとっていたが、その想定をはるかに超える津波の高さ、威力であった。津波は、家屋や自動車、船を猛烈な勢いで押し流し、東北沿岸各地に壊滅的な被害を与えた。4月11日現在、東北を中心に、死者約13,100名、行方不明者約14,300名、全壊家屋約48,700戸など深刻な被害状況となっている。

このような中、感謝すべきことに、大地震発生直後から、日本国内だけではなく、世界にも支援の輪が広がった。134の国と地域、39の国際機関から支援の申し出が届いている。また、世界中の多くの人々が、様々な募金活動やチャリティーイベントに参加している。

震災から1ヶ月を経て、菅直人総理は次のようなメッセージを海外紙に寄稿した。

「福島第一原子力発電所において,原子力事故が起きたことを極めて重く受け止め、深く遺憾に思っています。現在,私は,一日も早い事態の収拾を目指し,陣頭指揮に立ち,文字通り政府の総力を挙げてその解決に取り組んでいます。私は原発事故がもたらす危険と戦うべく,第一に,周辺住民をはじめとするすべての人々の健康と安全を最優先に考え,第二に,しっかりとリスクマネジメントを行い,そして第三に,起こりうるあらゆる事態を想定し対応体制をつくる,という三つの原則に立ち,利用可能なすべての資源を動員し対応しています。例えば,海水への放射性物質の流出の件については,その問題に取り組むためにあらゆる努力を行っています。さらに、政府は、すべての食品及び他の製品の安全を確保するため,厳しい科学的基準に基づき,万全の措置を取っています。我が国は高い予防的安全基準を設けており,市場に流通する日本のすべての食品・製品の安全性は確保されていまし、また今後もそうします。今後も,国内はもとより海外の人々からも日本の食品及び製品につき安心して頂けるように,この福島第一原発に関する複雑に変化する情報については,高い透明性をもってその推移をすべての方々に提供して参りたいと思います。

今回の原発事故に関しては今後,速やかにその原因につき徹底的に検証を行い,そこから得られた情報と教訓を世界と共有し,このような事故がなくなるよう原子力発電の安全性向上に向けた国際的議論に積極的に貢献していく所存です。(中略)

我々日本人は,かつて戦後の焼け野原からその底力で立ち上がり,目覚ましい復興を成し遂げ,今日の繁栄を築きました。今回も,この国難に必ず打ち勝ち,復活し,新生し,将来世代に向けてより活力のあるより良い国を創造していくことができるものと確信しています。そして,引き続き国際社会の発展に貢献する国となることが,国際社会が示してくださった「強い絆」と「温かい友情」に応える最高の返礼だと信じています。そのために,未来の夢を先取りする「未来志向」の復興を目指し、私は懸命な努力を続けていきます。海外の皆様からの継続するご支援とご協力に心から感謝申し上げます。」

次へ