March 2024
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三島スカイウォークから広がる大パノラマを望む
「三島スカイウォーク」は、『日本一高い富士山・日本一深い駿河湾・日本一長い三島スカイウォーク』の三つの日本一を一度に楽しむことができる歩行者専用吊橋だ。
静岡県三島市にある全長400mの日本一長い歩行者専用吊橋「三島スカイウォーク」。正式名称は「箱根西麓・三島大吊橋(はこねせいろく みしまおおつりばし)」といい、空を歩いているような感覚を楽しめるという意味から「スカイウォーク」の愛称が付けられた。地上70mという高さの吊橋からは、日本一高い山である富士山(高さ3776m)と日本一深い湾である駿河湾(最深部約2500m)を、同時に見ることができるという。
三島スカイウォークは、観光業やアミューズメント事業を営む地元の民間企業・株式会社フジコーが建設・運営している。広報の野田依利(のだえり)さんによれば、「スカイウォークのある三島市笹原新田(ささはらしんでん)周辺は、整備が進められていなかったため、登山者など一部の方しか知らないスポットでした。そこでもっと多くの方にこの景色を楽しんもらおうと、地域貢献を目的として総工事費約40億円をかけて吊橋を建設しました」
橋には、多くの人により安全に美しい景色を楽しんでもらいたいという願いが様々な工夫に込められている。
「高さが約70m以上もあるので、安全面には特に配慮しています。主塔やメインケーブルは1m2当たり200kgの人の重さが満載しても安全なように設計しています。万が一に備え、巨大地震の際にエネルギーを吸収する制振装置も設置しました。歩道幅を1.6mと広めにとり、車いすの方同士がすれ違っても渡ることができるよう考慮もしています」
構想から約10年かけて、2015年の12月にオープンしたこの吊り橋からの眺めは格別だという。
「スカイウォークから景色が見やすいように、透過性の高いメッシュ構造の高欄(こうらん*)を採用しました。他にも通常の人道橋よりもメインケーブルを高くし、吊材(垂直方向のケーブル)の間隔も広くしています。吊り橋の上からの富士山や駿河湾、そして広い空の様子や美しい夕日の色など、時季によって様々な表情を見せてくれます。春から夏にかけては、周辺の木々の鮮やかな新緑が魅力的です。また、梅雨の時期、6月頃は吊橋を渡った先の散策路一面に広がる「あじさい」が楽しめます。205種類、13,000株のあじさいの中には、ここでしか見ることのできないオリジナルの品種もあり、とても見ごたえがあると思います。しかし、どの季節に訪れても豊かな三島の大自然の中で非日常を味わえます」
吊橋のみではなく、渡った先にあるアクティビティも人気が高いそうだ。
「富士山や日本一の吊橋に向かって、一気に滑り降りるアクティビティ「ロングジップスライド」が人気です。絶景を眺めながら家族や友人と一緒に滑ることができます」
オープン以来、入場者数が700万人を超えたという人気スポットを、ぜひ心ゆくまで楽しんでもらいたい。
* 橋の欄干部、橋の両側に設けられる柵のことで、転落防止のため人が簡単にまたぐことのできない高さを有する。