小学校1年生の歩行中の死者・重傷者は6年生の約3.2倍!新1年生を交通事故から守るには?

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小学生の歩行中の交通事故(平成30年(2018年)から令和4年(2022年))をみると、小学校1年生の死者・重傷者数は6年生の約3.2倍、死者に絞ると1年生は6年生の10倍に上ります。新1年生の「歩行者デビュー」のため、こどもに教えられること、大人ができることを考えてみませんか?

1小学生の交通事故の特徴は?

警察庁が平成30年(2018年)から令和4年(2022年)に起きた交通事故を分析したところ、歩行中の小学生の死者・重傷者はこの5年間で2,185人に上ります。

【歩行中児童の交通事故の特徴】

  • 状態別では歩行中の事故が最も多い。(過去5年合計で約6割を占める。)
  • 小学校1年生の歩行中死者・重傷者数は6年生の約3.2倍。(学年が低いほど歩行中の、学年が高くなると自転車乗用中の割合が高くなる。)
  • 1年生の第1のピークは5月中旬(下校中及び私用)。
  • 歩行中死者・重傷者の約4割は飛出しが原因。

学年別にみると(図1)小学校1年生は508人で、最も少ないのは小学校6年生の160人となっています。死者に絞ると、小学校1年生は10人で、最少は小学校6年生の1人となっています。
歩行中の交通事故については、死者・重傷者では小学校1年生は6年生の約3.2倍、死者に絞ると10倍に上ります。

図1 小学生の歩行中の交通事故(平成30年から令和4年)

死者・重傷者数

死者数

(資料:警察庁)

小学校1年生になると行動範囲が広がり、こどもだけで行動することが増えます。登下校を集団で行う場合でも、集合場所と自宅の往復はこどもだけで歩くことがありますし、下校時に道草をしたくなることもあるでしょう。小学校1年生は、いわば自分一人で歩く「一人歩きデビュー」の時期でもあります。
こどもたちが交通ルールを身につけ、無事に一人歩きデビューできるようにするために、大人にできることは何でしょうか。

2事故防止のためこどもに教えられることは?

小学校1年生が安全に道路を歩けるようになるためには、家庭でも交通安全教育を十分に行うことが重要です。こどもが小学校に入る前から、また、小学校に入ってからも、通学路や公園などこどもの行動範囲を一緒に歩きながら、繰り返し交通ルールや自らの身を守るための安全な歩きかたを身に付けさせましょう。

安全な横断の仕方をしっかり教えましょう

小学校1年生の歩行中の交通事故は「横断中」に多く起こっています。こどもが安全に道路を横断できるようにするために、次のことをしっかりと教えましょう。

  • 横断歩道橋、横断歩道や信号機が近くにあるときは、そこまで行って横断すること
  • 横断する前に、「必ず立ち止まる」「右左(みぎひだり)をよく見る」「車が止まっているのを確認する」こと
  • 横断歩道では、手をあげる、手を差し出す、運転者に顔を向けるなどして横断する意思を表示すること
  • 信号が青のときも、必ず右左を見て、車が止まっていることを確認してから横断すること
  • 横断中も、右左を確認しながら歩くこと

青信号でも右左を確認

こどもの目線で確認して教えましょう

こどもと大人では目の高さが大きく異なります。大人ならば遠くまで見通せる場所でも、こどもの目の高さからは見通せないことがあります。道路脇に止まった車、塀や生け垣、立て看板などがあればなおのこと。
こどもと一緒に通学路などを歩き、こどもの視点から交差点や横断歩道、見通しの悪い場所などの危険箇所を確認して安全な歩きかたを教えましょう。

例えばこんな場所では…

交差点では

交差点では、信号が青のときでも、横断中に、左折・右折をする自動車が進行してきます。低学年のこどもは身長が低いため、ドライバーから見えないことも。特にバスやトラックなどの大型車両では、こどもが死角に入ってドライバーが気付かないため事故に巻き込まれる危険があります。
左右から来る自動車があることを教え、信号が青になってもすぐに渡らず、自動車が止まってから横断するよう教えましょう。また、信号が点滅しているときに走って渡ろうとすると、右・左折の車との関係で特に危険です。信号が点滅を始めたら横断を始めないよう教えましょう。

左折・右折の自動車に注意

見通しの悪い交差点や曲がり角

見通しが悪い交差点や曲がり角では、急に車や自転車が飛び出してくることもあります。そのような場所では、立ち止まって右左を見たり、先に頭を出して見たりする動作も教えましょう。

車や看板で道路の向こうが見えないとき

駐車中の自動車や看板などで、向こうから来る自動車やバイク、自転車などが見えないことがあります。見えなくても近付いて来る自動車などに気を付けなくてはならないことを教えましょう。この場合も、先に頭だけを出して見てみる動作も教えましょう。

3事故防止のため大人ができることは?

交通ルールの手本や他の通行者への思いやりを示しましょう

こどもに交通事故防止を教えるためには、まず、周囲の大人がふだんからお手本を示すことが大切です。こどもが見ているところで、信号を無視したり、横断歩道がすぐ近くにあるのに、違うところを横断したりしたことはありませんか。こどもは大人の真似をします。こどもが交通ルールを守って、安全に道路を歩けるようにするために、大人も交通ルールを再確認し、交通ルールを守りましょう。

交通ルールの再確認はこちら

自動車やバイク、自転車を運転する人は

路上でこどもを見かけたときは、こどもは自動車などに気付かないものと考えて、運転者側が速度を落としたり、こどもから間隔を開けたり、一時停止したりするなどの配慮をしましょう。
こどもが道路を横断しようとしているときは、安全に横断できるよう一時停止し、渡り切るのを確認してからゆっくり発進しましょう。
通学路や住宅街では、こどもが急に飛び出してくることもありますので、速度を落として通行しましょう。信号のある交差点でも、こどもを見かけたら飛び出してこないか確認してから発進しましょう。
特に、下校時は、学年ごとに行動が異なり、運転に当たっては目立ちにくいため気を付けましょう。

交通事故から大切な命を守るために、運転するかたも、歩行者のかたも、思いやりの気持ちをもって、こどもたちの安全な歩行をサポートしましょう。

コラム

小学生の歩行中の事故~全体の傾向をみてみよう

小学生全体の歩行中の交通事故について、発生した月や時間帯、こどもが歩行していた目的ごとにみると、次のようになります。

事故が多い時期・時間帯は…

  • 月別では12月が最多(図2)
  • 時間帯では、「午前7時台」「午後2時台から5時台」が多く、最多は午後3時台(図3)
  • 下校や遊び(遊戯、訪問)のために外出した際に事故が多い。最多は「下校中」(図4)

小学生の歩行中の交通事故(平成30年から令和4年)

図2 月別の死者・重傷者数

図3 時間帯別の死者・重傷者数

図4 通行目的別の死者・重傷者数

ドライバーのみなさんへ

こどもがきちんと信号を守ったり、横断歩道を渡ったりするなど、交通ルールを守っていても、交差点で自動車が無理やり進入してきたり、右折や左折をしたりする際に、ドライバーが横断中のこどもに気付かず、事故に至ってしまうケースも発生しています。ドライバーは、横断歩道手前における減速と横断歩道における歩行者優先を徹底してください。

(取材協力:警察庁 文責:政府広報オンライン)

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