20歳の皆さん、ご用心!
成人になると増える、こんな消費者トラブル
記事を印刷する
平成31年(2019年)3月25日

新成人の皆さん、20歳になると、未成年のころより消費者トラブルに巻き込まれることが大きく増えます。どんなトラブルが増えるのか、防ぐにはどうすればよいか、などをご紹介します。「うまい話」に誘われてひどい目に合わないように、ぜひご確認を。
インデックス
20歳になると消費者トラブルに遭いやすい?
成人になりたての若者は、契約に関する知識や経験が乏しいこともあり、内容をよく理解しないまま、安易に契約を結んでしまう傾向にあります。そんな新成人を狙い打ちにする悪質な業者もいます。
もっと詳しく(約480字)
どんな消費者トラブルが多いの?
男性はお金儲け、収入アップに関連する消費者トラブルが多く、女性はエステティックサービスなど美容に関する消費者トラブルが多く見られます。また、男女ともに「フリーローン・サラ金」の消費者トラブルも多くなっています。
もっと詳しく(約1,510字)
どんなトラブル事例があるの?
「友人からもうかる話があると言われ、仮想通貨の投資のような契約をした」「エステの中途解約を申し込んだが、支払い請求額が高額すぎて納得できない」などのトラブル事例が見られます。
もっと詳しく(約1,200字)
事例からみた問題点。若者は、ここを狙われる?
知識・経験の不足に付け込まれて契約してしまう、「「絶対に儲かる」などうまい話に弱い」、「「お金がない」を理由に断っても借金やクレジット契約を勧められるなどの問題点が見られます。
もっと詳しく(約540字)
トラブルに遭わないためには?
契約する前によく考える、もうけ話をうのみにしない、契約をせかされたらきっぱり断るなどの注意が必要です。困ったときは消費生活センターに相談を。
もっと詳しく(約830字)
1
20歳になると消費者トラブルに遭いやすい?
相談件数は未成年者(18~19歳)の1.8倍以上に
未成年から成人になると様々なことが変わりますが、消費者トラブルに巻き込まれやすくなることもそのひとつ。
全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活相談について、年齢ごとの平均件数でみると、未成年(18~19歳)の相談件数に比べ、成人になりたての若者(20~22歳)の相談件数が大きく増えています。
もっと読む
1
20歳になると消費者トラブルに遭いやすい?
相談件数は未成年者(18~19歳)の1.8倍以上に
未成年から成人になると様々なことが変わりますが、消費者トラブルに巻き込まれやすくなることもそのひとつ。
全国の消費生活センター等に寄せられる消費生活相談について、年齢ごとの平均件数でみると、未成年(18~19歳)の相談件数に比べ、成人になりたての若者(20~22歳)の相談件数が大きく増えています。
契約当事者の年齢層別相談件数

資料:(独)国民生活センター(2018年11月30日までのPIO-NET登録分)
成人になりたての若者は、契約に関する知識や経験が乏しいこともあり、内容をよく理解しないまま、安易に契約を結んでしまう傾向にあります。
未成年者の場合、親権者の同意なく結んだ契約は、原則、取り消すことができますが(※)、成人になるとそうした保護はありません。
社会経験に乏しく、保護のない成人を狙い打ちにする悪質な業者もいます。
こうしたことが、成人になりたての若者の消費生活相談の背景にあるとみられます。
※法定代理人の同意を得た契約や、自由財産の処分など、未成年者が行った契約であっても取り消すことができない場合もあります(民法5条1項、2項、3項)。
2
どんな消費者トラブルが多いの?
男性はお金の話、女性は美容に関する契約トラブルが
「18~19歳」と「20~22歳」のそれぞれから寄せられた消費生活相談の共通点は、相談内容の上位に「アダルト情報サイト」「出会い系サイト」「賃貸アパート」などが並ぶことです。
一方、「20~22歳」になると、次のような相談が上位に入ってきます。
「20~22歳」の男性では、「他の内職や副業」や「教養娯楽教材」などです。内職や副業はいわゆるサイドビジネスへの勧誘で、教養娯楽教材は主に「簡単に稼げるテクニック」のようなお金儲けや投資に関するDVD教材などです。
一方、「20~22歳」の女性では、「脱毛エステ」「痩身エステ」や「美顔エステ」「エステティックサービス」、そして美容医療が主な「医療サービス」が目立ちます。
男性はお金儲け、収入アップに関するものが多く、女性は美容に関するものが多いといえそうです。また、男女ともに「フリーローン・サラ金」の相談が上位に入っています。
商品・役務別相談件数(上位15位)
資料:(独)国民生活センター
2011年~2018年11月30日までの登録分
3
どんなトラブル事例があるの?
投資への勧誘、高額なエステ契約、サイドビジネスや自己啓発セミナーなど
実際にどのような消費者トラブルが発生しているのか、全国の消費生活センター等に寄せられた相談事例(※)を紹介します。
※国民生活センター「成人になると巻き込まれやすくなる消費者トラブル-きっぱり断ることも勇気!-[PDF]」(平成28年(2016年)10月27日公表)をもとに作成
【事例1】
友人からもうかる話があると言われ、仮想通貨の投資のような契約をした
(20歳・男性・学生)
20歳の誕生日を迎えた数日後、友人からA氏を紹介され、「仮想通貨でもうけることができる。そのためには100万円が必要」ともちかけられた。「お金がない」と断ったが、A氏から「消費者金融で100万円を借りればよい」と言われ、言われるがまま、消費者金融で100万円を借り、契約してしまった。「1人勧誘すれば40万円が入る。3人誘えば元が取れる」と説明されたが、仮想通貨のことも分からないし、だれも勧誘していないので、解約し、返金してほしい。
【事例2】
エステの中途解約を申し込んだが、支払い請求額が高額すぎて納得できない
(20歳・女性・学生)
インターネットで「必ず痩せる」というエステのモニター募集の広告を見て、店に出向いたところ、店員から約20万円のコースを勧められた。母親に相談しようと電話をしたがつながらなかったため、後日出直そうとしていたら、「契約するなら今日中が安い。もう20歳だから自分で決めればいい」などと担当者にせかされて契約した。その後、効果がないため、中途解約を申し込んだが、高額な施術代金等を請求され納得できない。
【事例3】
必ず利益を得られると言われ、ホームページ作成を依頼し料金を支払ったが…
(22歳・女性・家事従事者)
内職しようと思い、スマートフォンで「在宅ワーク」というキーワードで検索して見つけた副業サイトに連絡したところ、「必ず利益を得られる」と言われ、内職をすることにした。内職の宣伝と受注窓口とするため副業サイト事業者にホームページ作成を依頼し、代金として50万円を支払った。その後、さらなる金銭の支払いを求められた。おかしいと思って業者の情報をネットで調べたら詐欺的な会社だという書き込みが多数見つかった。解約したい。
【事例4】
SNSで知った女性から自己啓発セミナーの契約を勧められ…
(20歳・男性・学生)
人見知りの性格でSNSに悩みを書き込んだところ、女性が共感の書き込みをしてくるようになった。その女性に会うと性格改善に詳しい人を紹介すると言われ、事務所に連れて行かれ、事務所にいた男性に90万円の自己啓発セミナーの契約を勧められた。そんな大金は払えないと断ったが、「銀行でローンカードを作れ」と言われ、女性同行のもと銀行でローンのカードを作らされたが、さらに別の銀行でもカードを作らされそうになった。女性には契約しない旨伝えたが、業者にはどう対処すべきだろうか。
4
事例からみた問題点。若者は、ここを狙われる?
知識不足、うまい話に弱い、強い押しに断り切れない
前述のような事例を分析すると、成人になりたての人を含む若者が消費者トラブルに巻き込まれる要因として、つぎのようなポイントがうかがえます。
(1)知識・経験の不足に付け込まれて契約してしまう
契約の内容をよく理解しなかったり、よく確認しなかったりしたまま、相手の誘いに乗って署名や捺印をしてしまう。若者の知識・経験の不足につけ込まれることもある。
(2)「絶対に儲かる」など、うまい話に弱い
「絶対に儲かる」「お金を増やせる」などの、うまい話にのせられて、高額な商品やサービスなどの契約をしてしまう。
勧誘してくる相手が高価なブランド品を身に着けていたり、呼び出された場所が一見豪華な内装のオフィスだったりすると、その雰囲気に流されることもある。
(3)断りにくい状況に追い込まれる
断ろうとしても「今日中なら安価で契約できる」「すでにあなたの担当者が決まっている」などと断りにくい状況に追い込まれる。
(4)「お金がない」を理由に断っても借金やクレジット契約を勧められる
勧誘を断ろうと「今はお金がない」と答えると、「すぐに元が取れるから」と借金やローンを勧められたり、「分割なら負担が少ない」などとクレジット契約を勧められたりするなどして、商品やサービスの購入契約を結ばされることがある。
5
トラブルに遭わないためには?
契約する前によく考えて。強引な勧誘には勇気を出してきっぱり断る
商品の購入やサービスを受ける際に契約を勧められたときは、次のようなことに気を付けてください。
(1)契約する前によく考える
後々後悔しないためにも、契約する前によく考えましょう。自信がないときは身内や信頼できる友人などに相談を。
業者が「今すぐ契約を」と無理強いしてきても、不必要な契約はきっぱり断りましょう。契約するかどうか迷う場合も、その場ですぐに契約するのはやめましょう。
(2)もうけ話をうのみにしない
簡単に大金を稼げることはありません。業者の甘い言葉をうのみにせず、いったん冷静になって考えましょう。
近年は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で知り合った人からもうけ話をもちかけられ、勧誘されてトラブルに遭うケースがあります。SNS上でどれほど親しくなっても、それだけで信用し過ぎるとトラブルにつながることがあります。
(3)契約をせかされたらきっぱり断る
「今日なら安くなる」、「とりあえずサインだけして」などと、その場で契約を迫る業者がいます。業者にせかされるまま高額な契約をすると、後でもっと大変なことになるかもしれません。勇気を出してきっぱり断りましょう。
(4)借金を勧める業者に要注意。クレジット契約も慎重に
消費者金融等からの借金を勧めてくる業者には注意しましょう。クレジット契約を利用する際には、安易に契約をしないようにしましょう。
(5)困ったときは消費生活センターに相談を
契約によっては取消しや解約ができる場合があります。契約後でも疑問に思ったり困ったりしたときは、自分で抱え込まず、早めに最寄りの消費生活センターに相談しましょう。
・ご相談はこちらへ
消費者ホットライン 局番なしの188(いやや!)番
身近な消費生活センターや相談窓口をご案内します。
◎こちらのリーフレットもご覧ください。
国民生活センターリーフレット『二十歳の君へ』[PDF]

<取材協力:消費者庁、国民生活センター 文責:政府広報オンライン>
記事の二次利用についてはこちら
みなさまのご意見をお聞かせください。
みなさまのご意見をお聞かせください。(政府広報オンライン特集・お役立ち記事)