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令和4年(2022年)6月23日

マリンレジャーを楽しむために 安全対策を忘れずに!

海水浴をしていて、離岸流に巻き込まれた少年が、岸と平行に泳いでいる。

周囲を海に囲まれた日本では、海水浴や釣り、サーフィンなど、様々なマリンレジャーを楽しめますが、毎年のように、マリンレジャー活動中の事故により死者や行方不明者が出ています。楽しいマリンレジャーのひと時を暗転させないため、安全に楽しむポイントを、あらためて確認しましょう。

動画

海のプロにきく“遊泳時4つの心得”【字幕付】
(3分12秒)

夏といえば、海!でも、海水浴には思わぬ危険があります。海の安全を守るライフセーバーがこれから海にお出かけの皆さんに知ってほしい“遊泳時の心得”とは?【字幕付】
ナレーション:貫地谷しほり

1.遊泳を安全に楽しむには

管理された海水浴場を利用。飲酒後や体調不良時は海に入らない。子供から目を離さない。離岸流にご注意を。

「遊泳」に関連した令和3年(2021年)の事故者(※)は213人で、マリンレジャー事故者全体の26%を占めています。

「遊泳」事故の内容を見ると、最も多いのは「溺水」、つまり水に溺れた事故で、「遊泳」の51%を占めています。次いで「帰還不能」、つまり沖合へ出過ぎたり潮に流されたりして岸に戻れなくなった事故が41%、クラゲなど有毒生物や岩、他の遊泳者との接触などによる「負傷」が7%となっています。

(※)データ提供:海上保安庁

遊泳を安全に楽しむために、特に次の点にご注意ください。

(1)管理された海水浴場で泳ぐ
ライフセーバーや監視員などが不在の場合、万が一事故が発生しても、救助までに時間が掛かる可能性があるので、海で泳ぐ場合は、ライフセーバーや監視員などが常にいる管理された海水浴場で泳ぐようにしましょう。

(2)海にいる危険な生物に注意
海には、クラゲやエイなど、危険な海洋生物がたくさんいます。これらの危険生物に刺されたりした場合は、すぐに海から出て、医療機関を受診しましょう。

(3)海が荒れているときや荒れることが予想されるときは泳がない
事前に天気予報を確認し、海が荒れているときや荒れることが予想されるときは、危険ですので、泳がないようにしましょう。

(4)お酒を飲んだら泳がない
人はお酒(アルコール)が体内に入ると、判断力、集中力(注意力)や運動能力が低下し、大変危険です。また、溺れた際の死亡率も高くなります。お酒を飲んだら海に入らないことを徹底しましょう。

(5)子どもから目を離さない
子どもは危険が近づいていても察知することができないので、小さな波でも思いがけず足をすくわれ、溺れることがあります。保護者のかたは子供の体に合ったライフジャケットを着用させ、常に子どもから目を離さないようにしましょう。

(6)自身の体調には素直に耳を傾けて
自身の体調を把握し、疲労や睡眠不足を感じる場合には、海に入らないようにしましょう。また、海に入る際は、準備運動を念入りに行い、適度な水分補給を心掛けましょう。

コラム1

離岸流(りがんりゅう)にご注意を!

遊泳中の事故内容をみると、「溺水」と「帰還不能」の2つで全体の92%を占めており、それらに「離岸流(リーフカレント)」が大きく関わっているとみられます。
離岸流は岸から沖への海水の強い流れのことで、遊泳中に入り込んでしまうと、流れに逆らって岸へ戻ることは不可能です。また、疲労やパニックにより、海水を飲むなどして「溺水」に至ることが多く、非常に危険です。

離岸流による事故に遭わないために

  • 看板や旗などの情報に注意して、危険な場所には近づかない
    一般の海水浴客が、海面の様子から離岸流の有無を知ることは困難です。
    管理された海水浴場では、看板や旗、アナウンスなどで情報を提供しており、監視員などが注意する場合もあります。そうした案内によく注意しましょう。
  • もし離岸流に乗ってしまったら?――海岸と平行に泳いでみよう
    少しも泳いでいないのにどんどん沖に流されていく場合などは、離岸流に入り込んでしまっている可能性があります。離岸流の幅は10~30メートルほどです。海岸に向かって泳がず、海岸と平行に泳ぐことで離岸流から抜け出せる可能性があります。無理に泳がず浮いて救助を待つことも有効です。

離岸流に巻き込まれたときの注意点。離岸流に巻き込まれたら、まず手を振ったりして助けを呼ぶ。可能であれば岸と平行に泳ぐ。

2.海釣りを安全に楽しむには

ライフジャケットを必ず着用し、仲間と一緒に行動しよう。

「海釣り」に関連した令和3年(2021年)の事故者(※)は326人で、マリンレジャー事故者全体のうち40%を占めており、「遊泳」と並んで事故者が多くなっています。 事故の内容をみると、最も多いのが「海中転落」で「海釣り」全体の76%、次いで「帰還不能」が15%で、この2つで「海釣り」全体の91%を占めています。

(※)データ提供:海上保安庁

「海釣り」の場所となる防波堤や岸壁、磯場などは、波しぶきで濡れたり海藻に覆われたりして滑りやすくなっています。そのため、ちょっとした不注意で足をすべらせ、怪我をしたり、海中に転落したりすることがあります。また、突然の大波に足元をすくわれて海中に転落することもあります。

このほか、釣りのために沖合の岩礁や防波堤などへ歩いて渡り、釣りに夢中になっていると、潮が満ちたことに気付かなかったり、海が荒れたりして岸に戻れなくなることがあります。このような状況にならないよう、事前に潮位表や天気予報などで気象・海象の情報を確認しておくことが大事です。

釣りを安全に楽しむために、特に次の点にご注意ください。

【最低限必要な装備】
(1)ライフジャケット
体格に合った物を選び、ベルトやファスナー類は確実に締め、適切に着用しましょう。

(2)防水パック入りスマートフォン・携帯電話
緊急時の連絡体制を確保するために使用します。緊急通報用電話番号の118番(海上保安庁)、110番(警察)、119番(消防)に救助を求めましょう。

(3)釣り場に応じた履物
釣り場は非常に滑りやすくなっていることがあります。釣り場の環境に合わせた、脱げにくく、滑りにくい履物を選びましょう。

【4つのポイント】
(1)無理をしない
釣りに行く際は、事前に釣り場所の天気予報を確認しましょう。また、自分の体調も考慮し、決して無理はしないようにしましょう。

(2)単独行動をしない
2人以上で行動していれば、万が一海に落ちてしまっても、救助される可能性が高くなります。

(3)釣行計画を第三者に伝えておく
釣りをする場所・帰宅予定時刻を家族や釣り仲間など、第三者に予め伝え、定期的な連絡を励行しましょう。

(4)立入禁止区域に入らない
立入禁止区域が設定されている場所には絶対に入らないようにしましょう。

釣りをするときの主な注意点。ライフジャケットは常時着用。釣り場に応じた履物を着用。防水パックに入れた携帯電話を持参。また、立ち入り禁止区域で釣りをするのはやめましょう。

3.サーフィンを安全に楽しむには

自分の技能・体力と天候・海の状況に応じた活動を

サーフィンに関連した令和3年(2021年)の事故者(※)は96人で、マリンレジャー事故(海浜事故)全体の12%を占めています。サーフィンに関連する事故の内容をみると、最も多いのが「負傷」で、サーフィン関連事故者の68%を占め、次いで「帰還不能」が16%となっており、この2つでサーフィン関連事故者の84%を占めています。

(※)データ提供:海上保安庁

「負傷」は、自分のサーフボードや他のサーファーに衝突して負傷するケースが多くみられます。また「帰還不能」は、サーフィンに適した乗りやすい波を求めて沖に出過ぎたり、海面に浮かんで波を待つうちに流されたりして岸に戻れなくなったりすることによるものです。これらは自分の技量をよく知り、周囲の他のサーファーや遊泳者などに注意を払うことで、避けることが可能な場合が多いです。もちろん、天候に合わせて慎重に行動することは、いうまでもありません。

サーフィンをしている2人の若者が衝突しそうになっている。

サーフィンを安全に楽しむために、特に次の点にご注意ください。

(1)海に出るときは、必ず天気予報等で気象・海象情報を入手する
警報等が発令されている場合や悪天候が予想される時は迷わず中止しましょう。

(2)自分の技量や体力に応じて活動する
事前に十分なウォーミングアップを行い、自分の技量や体力に応じて活動しましょう。

(3)単独でのサーフィンは絶対に避ける
グループで行動し、お互いに安全を確認しあいましょう。また、家族や知り合いに、行き先や帰宅時間などを伝えてから出かけましょう。

(4)ウエットスーツを着用する
浮力と体温の維持につながりますので、ウエットスーツを着用しましょう。

(5)ルールを守り、周囲の状況に注意する
常に周囲の状況に注意し、他のサーファーや遊泳者等との接触事故に気をつけましょう。

(6)お酒を飲んだらサーフィンをしない
人はお酒(アルコール)が体内に入ると、判断力、集中力(注意力)や運動能力が低下し、大変危険です。お酒を飲んだら海に入らないことを徹底しましょう。

コラム2

モーターボートや水上オートバイの事故を防ぐポイント
~出港前の点検と、航行中の見張りを確実に

マリンレジャーには、遊泳や海釣り、サーフィンなど海岸付近で行う「海浜型」のほかに、モーターボートや水上オートバイなど、海岸付近から沖合まで広い範囲で行うものもあります。これらモーターボートや水上オートバイなどを「プレジャーボート」といい、令和3年(2021年)に事故に遭った数は101隻に上ります(※)。
事故の内容をみると、「機関故障」、「無人漂流」、「推進器障害」などの「運航不能」が550隻と最も多く、プレジャーボートに関する事故の54%を占めています。このうち、機関故障や燃料欠乏などが原因で起きた事故は275隻で運航不能全体の5割を占めており、これらの多くは、出港前に十分な点検を行うことで防止できる事故と考えられます。
以降、「乗揚」(106隻/10%)、「衝突」(129隻/13%)、「浸水」(120隻/12%)等の事故が続きます。なお、「衝突」は、他の種類と比べて死傷者が多く発生していますので、見張りの徹底をお願いします。

(※)データ提供:海上保安庁

安全にプレジャーボートを楽しむために、特に次の点にご注意ください。

(1)出港前には必ず船体・機関を点検
出港前に、エンジンのオイルや冷却水、燃料、バッテリーの確認など、点検を確実に実施しましょう。また、操縦免許証や、海難を周囲へ知らせる小型船舶用信号紅炎、海図などの法定備品を積み込んでいるか確認しましょう。

(2)気象・海象情報を確認
出港前に最新の気象・海象情報を確認のうえ、天候悪化が予想される場合は迷わず出港を中止し、航行中も気象変化に注意しましょう。

(3)全員がライフジャケットを必ず着用する
万一、船から海中に転落した場合、ライフジャケットの着用が生死を分ける大きな要因になります。乗船時は、体格に合ったライフジャケットを正しく着用しましょう。

(4)航行中は確実に見張りを行う
周囲を行き交う船舶に注意し、早めに危険を察知して、他の船舶を回避しましょう。

(5)海上交通ルールやマナーを守る
船舶を航行する際には、事故を防ぐための基本的なルールを守りましょう。例えば、酒酔い等操縦や遊泳区域への進入は絶対にしないなど、海上の安全を確保するためのルールやマナーを守りましょう。

(6)スマートフォン・携帯電話などの連絡手段を確保
万一のときの緊急連絡手段を確保するため、スマートフォン・携帯電話を防水パックに入れて携行しましょう。救助が必要なときは、海上保安庁の緊急通報用電話番号「118番」に連絡してください。

海上保安庁では「海の安全情報」を開設し、全国各地の風向や風速、波高などの局地的な気象・海象の現況、海上工事の状況などの情報を提供しています。スマートフォン・携帯電話でもご覧になれますので、出発前や海上での情報収集にぜひご活用ください。

海の情報収集はこちら

4.自己救命策の確保の推進~事故から命を守るために~

マリンレジャーには、遊泳、釣り、サーフィン、磯遊び、スノーケリングなど様々な種類がありますが、海での痛ましい事故を起こさないためには、「自己救命策3つの基本」が重要であるほか、「家族や友人・関係者への目的地等の連絡」も有効な自己救命策の一つです。

自己救命策3つの基本

(1)ライフジャケットの常時着用
海で活動する際にライフジャケットを着用しているかが生死を分ける要素になります。海に落ちた際にライフジャケットが脱げてしまったり、膨張式のライフジャケットが膨らまないといったことがないように、保守・点検のうえ、正しく着用することが大切です。

(2)防水パック入り携帯電話等の連絡手段の確保
海の事故に遭遇した際は、救助機関に早期に通報し救助を求める必要がありますが、携帯電話を海没させ通報できないことがあるため、ストラップ付防水パックを利用して、携帯電話等を携行することが重要です。

(3)118番・NET118の活用
海上における事件・事故の緊急通報用電話番号「118番」を海上保安庁では運用しています。海の事故で救助を求める際は、携帯電話のGPS機能を「ON」にしたうえで遭難者自身が118番に直接通報することにより、海上保安庁が正確な位置を受信することができ、迅速な救助につながります。また、聴覚や発話に障がいをもつかたを対象に、スマートフォンなどを使用した入力操作により通報が可能となる「NET118」というサービスも運用しています。

家族や友人・関係者への目的地などの連絡

海に行く際には、家族や友人・関係者に自身の目的地や帰宅時間を伝えておくほか、現在位置等を定期的に連絡するなども有効な自己救命策のひとつです。これらの連絡は、万が一事故が起こってしまった場合に周囲の人々が事故に早く気づくきっかけとなり、速やかな救助要請、ひいては迅速な救助につながります。

(取材協力:海上保安庁 文責:政府広報オンライン)

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