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消費税を適正に価格に転嫁するために
消費税は、消費活動に対して広く公平に負担を求める税金です。納税義務者は事業者となっていますが、事業者に課される消費税相当額は、コストとして販売価格に織り込まれて転嫁されます。そして、最終的には消費者が負担することが予定されています。
国では、事業者の方々が消費税を価格へ転嫁しやすい環境を整備するため、消費税の円滑かつ適正な転嫁対策等に取り組んでいます。

(1)消費税転嫁対策特別措置法(平成25年10月1日から平成33年3月31日までの措置)
※法律改正により、消費税転嫁対策特別措置法の期限については、平成30年9月30日から平成33年3月31日に延長されました。
- 転嫁拒否行為の禁止(一旦取り決めた対価の減額や買いたたき等の行為は禁止されます)
- 消費税分を値引きする等の宣伝や広告の禁止(「消費税還元セール」、「消費税率上昇分値引きします」等の広告の禁止)
- 総額表示義務の特例(税込価格と誤認されない表示であれば、税込価格を表示しない表示方法が認められます。)
- 転嫁カルテル・表示カルテルの独禁法の適用除外(公正取引委員会への事前届出制)
(2)転嫁拒否行為の是正
ア 転嫁拒否行為の禁止
減額 | 一旦契約した金額を、後になって減額する行為 |
---|---|
買いたたき | 消費税率引上げ前と同じ価格で納品させる行為 |
商品購入、役務利用、 利益提供の要請 |
商品の購入・役務(サービス)の利用を要請したり、協賛金等を求める行為 |
本体価格での交渉拒否 | 価格交渉を行う際、税抜価格での価格交渉を拒否する行為 |
報復行為 | 転嫁拒否行為を通報したことを理由に、取引を打ち切るなどのほか、不利益な取扱いをする行為 |
イ 転嫁拒否行為に対する勧告及び指導
公正取引委員会や中小企業庁などでは、買いたたき等の転嫁拒否行為を早期に発見し是正するため、相談窓口の設置や大規模な書面調査など、さまざまな情報収集活動を行っています。そして、得られた情報を踏まえ、立入検査などの調査を積極的に実施しています。
調査の結果、違反行為が認められた事業者に対しては、転嫁拒否行為に係る不利益の回復など、必要な改善措置を行うよう、迅速に指導しています。
また、重大な転嫁拒否行為が認められた場合には、公正取引委員会が勧告を行い、あわせて事業者名等を公表しています。
主な指導事例
1 | 減額 | 建設業を営むA社は、建設資材の納入業者に対し、平成26年4月1日以後に供給を受けた建設資材について、納入業者との間で既に取り決めていた対価の一部を、合理的な理由なく事後的に減じて支払っていた。 |
---|---|---|
2 | 買いたたき | 製造業を営むB社は、部品の製造委託をしている事業者に対し、平成26年4月1日以後も消費税率引上げ分を上乗せすることなく、当該部品の税込価格を据え置くこととしていた。 |
3 | 商品購入、役務利用又は利益提供の要請 | 大規模小売事業者であるC社は、自社で販売する衣料品等の納入業者に対し、平成26年4月1日からの消費税率引上げに伴い、自社の費用負担を明確にすることなく、同社の物流センターにある在庫商品の値札付替え及び新値札用シールの貼付作業を要請した。 |
4 | 本体価格での交渉拒否 | 出版業を営むD社は、自社の出版する雑誌の掲載記事の編集を委託している事業者に対し、当該事業者との価格交渉において、本体価格での交渉の申出があったにもかかわらず、平成26年4月1日以降も税込価格のみを用いていた。 |
違反行為に対する勧告及び指導などについて、より詳しく知りたい場合は以下をご覧ください。
(3)消費税の転嫁を阻害する表示の是正
ア 消費税の転嫁を阻害する表示の禁止
【1】 | 取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示 | 消費税は最終的に消費者が負担するものですので、あたかも消費者が消費税を負担していないかのような表示は禁止されます。 (例:「消費税はいただきません」、「消費税還元セール」) |
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【2】 | 取引の相手方が負担すべき消費税を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの | 消費者が実質的に消費税を負担していないかのように誤認させる表示は禁止されます。 (例:「消費税率上昇分値引きします」、「増税分は勉強させていただきます」) |
【3】 | 消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって【2】に掲げる表示に準ずるもの | 例えば、消費税分の物品、金銭、映画のチケット、ポイントサービスにおけるポイントなどの「経済上の利益」を消費税に関連して提供する旨の表示は禁止されます。 (例:「消費税相当分の商品券を提供します」、「消費税率の引上げ分を後でキャッシュバックします」) |
イ 消費税の転嫁を阻害する表示に対する勧告及び指導
消費者庁などでは、消費税分を値引きする等の宣伝や広告を行った事業者に対して、是正措置を講ずるよう、迅速に指導をしています。また、重大な違反行為が認められた場合には、消費者庁が勧告を行い、あわせて、違反事業者名等を公表することとなります。
(主な指導事例)
- 電化製品の販売・設置等を行うA社は、ポスティングチラシにおいて、「消費税大還元祭」、「消費税を当社で負担いたします!」等の表示を行っていた。(【1】に該当)
- 宿泊業を営むB社は、ウェブサイト上において、「消費税は気にしない!増税分プラスアルファの割引プランです。」等の表示を行っていた。(【2】に該当)
- 雑貨の製造販売を営むC社は、ウェブサイト上において、「消費増税をぶっ飛ばせ!!!ポイント8倍=実質消費税8%カットキャンペーン 実質増税分8%カットでお得です!当店商品購入でポイント8倍」の表示を行っていた。(【3】に該当)
(4)総額表示義務の特例
小売段階での価格表示については、従来より消費税込みの価格(税込価格)を表示することが義務付けられていますが、平成25年10月1日から平成33年3月31日までの間、税込価格と誤認されないための措置を講じている場合に限り、以下のような税抜価格による表示も認められています。
ただし、税込価格を表示しない場合であっても総額表示に対応することが可能である事業者には、消費者の利便性に配慮する観点から、自らの事務負担等も考慮しつつ、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めていただくこととなります。
なお、消費税の総額表示義務は、「消費税相当額を含む支払い総額」が一目で分かるようにするためのものであり、例えば適切に表示された税込価格と併せて、税抜価格を表示するという対応も可能です。
個々の値札等において税抜価格であることを明示する例
※個々の値札等には、「○○○円」と税抜価格のみを表示し、別途、店内の掲示など消費者が商品等を選択する際に目につきやすい場所に一括して税抜価格であることを明示することも認められています。
消費税の価格転嫁等のことで困ったら
消費税価格転嫁等総合相談センター
- 転嫁に関する問い合わせ
- 広告・宣伝に関する問い合わせ
- 消費税の総額表示に関する問い合わせ
- 便乗値上げに関する問い合わせ
- 軽減税率制度の概要に関する問い合わせ
※消費税法改正の内容(適用される税率等)に関して、お分かりにならない点がありましたら、最寄りの税務署にお問い合わせください。
- 専用ダイヤル0570-200-123
【受付時間】9:00 ~ 17:00(土日祝日・年末年始を除く)
※お住まいの地域に応じた通話料金がかかります。実際にかかる金額は音声ガイダンスでご案内しています。 - メール(HP上の専用フォーム)(http://www.tenkasoudan.go.jp)(24時間受付)
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