投票しよう! Digi田甲子園
この夏、もう一つの甲子園が新たに誕生しました。その名も「Digi田甲子園」。地方独自のデジタル技術の活用の取組を多くの方に知ってもらい、誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現させていきましょう! 今回は、「投票しよう! Digi田甲子園」というテーマで深掘りしました。

- ゲスト
-
内閣官房
デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
山下 智也
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和4年(2022年)8月7日
- 時間
- 16分46秒
- 配信終了予定日
- 令和5年(2023年)8月6日
文字で読む
-
足立 - 初めて聞きましたけど、「Digi田甲子園」て何ですか?
-
青木 - 「Digi田甲子園」を説明する前に、まず足立さんに質問です。日本は少子高齢社会であるということは、足立さんもご存知ですよね。では、こうしたことも要因の一つとなって、地方が抱える課題にはどんなことがあると思いますか?
-
足立 - 空き家問題や農業の担い手不足ですかね。
-
青木 - 地方では人口減少、少子高齢化、過疎化により15歳から65歳未満の生産年齢人口が減少しています。これにより労働力不足はもちろんのこと、中小企業経営者の後継者も不足しています。
-
足立 - 中小企業の事業承継をテーマにしたときも、後継者不足の話題が出ていましたね。
-
青木 - 地方の産業が衰退すると働く場が少なくなりますから、ますます人口が流出し、地域の経済も縮小してしまいます。そうなると税収も減り、行政サービスの低下を引き起こす要因にもつながるなど 地方が抱える課題は深刻です。
-
足立 - 子育てや医療、福祉に関わるサービスが低下して安心して暮らせないとなると人口が流出する原因の一つになりそうですよね。
-
青木 - そこで、こうした課題をデジタル技術の活用によって解決に導いていこうと掲げられたのが「デジタル田園都市国家構想」です。
-
足立 - 「デジタル田園都市国家構想」、聞いたことはありますけど…。
-
青木 - これは、デジタル技術の活用によって地域の個性を生かしながら地方の課題解決や 魅力向上を実現し、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す構想です。以前、取り上げた地方創生テレワークもその取組の一つです。
-
足立 - 地方の活性化につながるテレワークの取組、確かにご紹介しましたね。
-
青木 - この「デジタル田園都市国家構想」の実現をスピードアップさせるためには今現在取り組まれている、各地域独自のデジタル技術活用の取組を、違う別の地域でもどんどん取り入れてもらいたいんです。ですから、各地の優れたデジタル活用を積極的に発信して広く知ってもらうことが必要です。
-
足立 - いいものはどんどん発信して、どんどん真似していこうということですね。
-
青木 - はい。そこで、この夏、初めて開催されるのが「Digi田甲子園」なんです! ここからは、スペシャリストに伺っていきましょう! 内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局の山下智也さんです。
-
足立 - 早速ですが、山下さん! 「Digi田甲子園」って何ですか?
-
山下 - 「Digi田甲子園」とは、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた地域の取組を広く募集し、国民によるインターネット投票と、有識者による審査により、特に優れたものを内閣総理大臣が表彰する新しい取組です。この夏は「夏のDigi田甲子園」と題して、地区予選を経て選ばれた各都道府県の代表の市区町村がエントリーしています!
-
足立 - 「しています!」ということは、既にスタートしているんですか?
-
山下 - はい。既に都道府県による選考や推薦による地区予選で選ばれた候補がエントリーしており、159の取組が勢ぞろいしています。7月12日からインターネット上で本選が行われています。
-
足立 - 159件も! 思っていたより多い! それだけの数で熱い闘いが繰り広げられている、正に甲子園てわけですね。
-
青木 - 熱い闘いといっても「Digi田甲子園」は勝った負けたというものではありません。飽くまでも地方の独自の取組を広く多くの方に知ってもらい、その取組を参考にして、それぞれの地域でも活用してもらうことが目的です。
-
足立 - 表彰されるのは、159の取組のうち一つだけですか?
-
山下 - 表彰は<実装部門>と<アイデア部門>とに分けて行います。
-
青木 - 私から説明しますと、<実装部門>の対象となるのは、一つはデジタル技術の活用により、医療、教育、子育て、物流、交通、農林水産業、中小企業、観光、防災の個別の課題を実際に解決し、住民の暮らしの利便性と豊かさの向上や地域の産業振興につながっている取組です。もう一つは、高齢者、障害者などデジタルに不慣れな人々がデジタル機器やサービスの利用方法を学ぶことができる環境づくりを進めているなど、あらゆる人がデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現に寄与している取組です。この二つのうち、いずれかを満たしている取組が対象となります。
-
足立 - 既に始まっている取組の中から優れているものを表彰するんですね。
-
山下 - はい。また<実装部門>では、人口規模などにより、表彰対象となる自治体を三つに分けています。指定都市や中核市などと、それ以外の市、そして町と村、これら三つの中からそれぞれ特に優秀と認められるものを表彰します。
-
青木 - そして<アイデア部門>は、先ほど説明した実装部門の取組内容について、まだ実装には至っていないけれど、数年内に実装される見込みのあるアイデアとして特に優秀と認められるものが表彰されます。
-
足立 - 表彰されれば、関わっている方々のモチベーションアップにつながりますよね。
-
青木 - 表彰されたことで、実現へのスピードアップが図られる可能性もありますよね。
-
足立 - 実際、どんな取組がエントリーされているんですか?
-
青木 - 確かに気になりますよね。でも、ここでいくつかピックアップしてご紹介してしまうと厳正な審査の妨げになるかもしれません。
-
足立 - 確かに!
-
青木 - そこでここからは、今回、エントリーはしていないけれども、デジタル技術を活用して地域の課題解決に役立っている事例をご紹介していきましょう! まずは、こちら! 「中山間地でスマート農業を行った四万十町」の事例です。
-
山下 - 高知県四万十町では、担い手の減少や高齢化が進み農業を継続できない農地が増えていました。 特に山あいにある水田はそれぞれの区画が狭く、傾斜もあることから、高収益が期待できる他の作物の栽培に転換できない水田も少なくありませんでした。
-
足立 - なかなか解決できない課題があったんですね。
-
青木 - そこで! スマート農機によるスマート農業です! まず、関係団体がタッグを組み、地域の耕作放棄地を集めて農地を拡大しました。農地が広くなったことで自動運転トラクターや直進キープ田植機、ラジコン草刈機などのスマート農機を導入し、作業に係る時間を削減。また、経営管理アプリで作業状況をスマホなどで管理できるようにして効率化を図り、その結果、エサ用のお米である飼料用米などで26パーセントほど、大豆で40パーセントほど、農作業に係る時間を削減することができたそうです。確かに、個人で経営している水田だと小さいじゃないですか。耕作放棄地を集めて農地を拡大することで、可能になったということですね。
-
山下 - 一軒の農家さんではなかなか解決できない課題を、地域や関係団体が一丸となりデジタル技術を活用して取り組んだことで解決し、しかも、作業効率もアップした好事例です。
-
青木 - 続いての事例はこちら! 「南紀白浜 IOTおもてなしサービス実証」!
-
山下 - 観光で地域を活性化させるには、特定の観光スポットだけでなく、いかにその地域を周遊して楽しんでもらうかが重要になります。この取組では、観光における周遊性向上のためにデジタル技術を活用した快適な旅行体験を提供しています。
-
足立 - 観光スポットの周りには面白いものがあったりしますが、デジタル技術を活用した旅行体験ってどういうことですか?
-
青木 - 事前に顔情報などを登録しておけば、地域の様々な場所でキャッシュレス決済などの顔認証を活用したサービスが受けられるそうです。例えば、空港での顔認証決済ができたり、ホテルの部屋の鍵が顔認証で開けられたり、観光施設に顔認証チケットで入れたりするそうですよ。
-
足立 - つまり、一度登録手続きをすれば、手荷物がたくさんあるときにわざわざお財布からカードを出さずにお買い物ができたり、鍵を忘れてオートロックの部屋から締め出されることもなく、正に顔パスで観光施設にも入れちゃうってことですよね。すごく便利かもしれない。
-
山下 - こちらのサービスではスムーズな旅が楽しめるだけでなく、観光客の好みに合った情報を受け取ることができたり、顔認証クーポンで便利でお得にエリアを周遊することもできます。
-
青木 - また、サービスを提供している側では、観光する方の行動パターンなどをデジタルで把握することができるので、効率的にマーケティングができ、地域の観光を活性化させる新しい企画を立てるときにも役立ちます。実際に観光客の満足度も向上しているそうです。
-
足立 - もっともっと魅力的なサービスが生まれるかもしれないですね。
-
青木 - 今、ご紹介したのはほんの一例で、今回の「夏のDigi田甲子園」にはエントリーしていないものですが、デジタル技術が地域の課題解決にどのように活用されているのかはイメージしていただけたと思います。山下さん、もっといろいろな事例を知りたい方は、「夏のDigi田甲子園」のサイトを観ていただければいいんですよね。
-
山下 - はい。現在「夏のDigi田甲子園」の本選を開催中です。見事、地区予選を突破した都道府県代表の取組事例が紹介されています。しかも、取組を分かりやすく紹介するため一分程度の紹介動画も公開中です。
-
足立 - 文字だけでなく動画で見られるのはいいですよね。
-
青木 - 動画を見るだけでも、地域の特性や色が見えてくる部分がありますよね。
-
山下 - リスナーの皆さんも是非、「夏のDigi田甲子園」のサイトをご覧いただき、それぞれの地域の課題解決に役立つ取組を参考にしてください。そして、特に良いと思う取組に是非、投票をしてください! 8月15日、来週月曜日までの投票を受け付けています。どうぞ、その一票で「夏のDigi田甲子園」を盛り上げて誰一人取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会を実現していきましょう!
-
足立 - いろんな地域がいろんな案を出し合っているところが素敵だなと思いましたし、その中でも、誰一人取り残されない、誰もが便利で快適に暮らせる社会を皆が考えているというのは素敵だし、私たちも手助けできたらなと思いました。
-
青木 - 私が印象に残ったのは、人口減少社会の中で、地方が抱える課題はたくさんあると思いますが、デジタル技術の活用により課題解決に役立つということです。「Digi田甲子園」で他の地域がやっていることを取り入れて日本全体が活性化してくれるといいですね。
関連リンク
政府からのお知らせ
次回放送予定
- 放送日
- 令和5年(2023年)3月26日(日)
放送局によって日時が異なります。 - テーマ
- コントロールが肝心! スマホ時代の子育て
- 内容
- 春の進学・進級のタイミングで、こどもにスマホを持たせようかと検討中の方も多いのではないでしょうか。こどもの安全のためにスマホを持たせたいと思う一方、いじめや犯罪に巻き込まれてしまう可能性も。番組では、こどもにスマホを正しく上手に利用させるために保護者が知っておきたい「ペアレンタルコントロール」の3つのポイントを深掘り!また、こどものインターネット利用の実態についても紹介します。是非、お聴きください。
- 「みんなですすめよう! 災害に強い国づくり」
- 令和5年(2023年)4月2日(日)
バックナンバー
食から日本を考える。ニッポンフードシフト
令和5年(2023年)3月19日放送
あゆみ続ける福島の今と、その先の未来
令和5年(2023年)3月12日放送
「Jアラート」 その瞬間、その行動が命を守る!
令和5年(2023年)3月5日放送
事業の新たな展開を応援! リスキリング支援
令和5年(2023年)2月26日放送
食の恵みを育む! BISTRO下水道
令和5年(2023年)2月19日放送
ホンモノに出会おう! GI産品
令和5年(2023年)2月12日放送
困った時のはじめの一歩! いやや188(いちはちはち)番
令和5年(2023年)2月5日放送
なに?なぜ? G7広島サミット
令和5年(2023年)1月29日放送
「いじめ」させない! 見逃さない!
令和5年(2023年)1月22日放送
まずは相談! クリエイターの権利を守ろう
令和5年(2023年)1月15日放送
110番通報の新たなシステムと、使い分けよう#9110番
令和5年(2023年)1月8日放送
力を合わせて実現しよう! 30by30(サーティバイサーティ)
令和5年(2023年)1月1日放送
地球を救う! スマート農業
令和4年(2022年)12月25日放送
選べていますか?自分に合った携帯電話の料金プラン
令和4年(2022年)12月18日放送
開業150周年 鉄道の魅力再発見!
令和4年(2022年)12月11日放送
あなたの口座でもマネー・ローンダリング対策
令和4年(2022年)12月4日放送
「減らす ずらす 切替える」 冬の省エネ・節電対策
令和4年(2022年)11月27日放送
こどもまんなか社会を実現しよう! こども家庭庁創設
令和4年(2022年)11月20日放送
資産づくりの第一歩 はじめよう!つみたてNISA
令和4年(2022年)11月13日放送
だから食べよう!豊かなさかなの国 日本
令和4年(2022年)11月6日放送
安心スマホ・ライフ! サイバー犯罪からお金や個人情報を守る方法
令和4年(2022年)10月30日放送
輝け!学びの未来 あなたのまちのコミュニティ・スクール
令和4年(2022年)10月23日放送
今こそウッド・チェンジ! 木のある暮らし
令和4年(2022年)10月16日放送
あなたはひとりじゃない! 声をあげよう! 声をかけよう!
令和4年(2022年)10月9日放送
福島の復興へ向けて 正しく知ろう 廃炉とALPS処理水
令和4年(2022年)10月2日放送
#(ハッシュタグ)で語ろう! 2025年大阪・関西万博
令和4年(2022年)9月25日放送
日本遺産 ~ストーリーに魅せられて~
令和4年(2022年)9月18日放送
申請は今がチャンス! デジタル社会のパスポート マイナンバーカード
令和4年(2022年)9月11日放送
命を守るために 家具類の転倒防止対策
令和4年(2022年)9月4日放送
今こそ注目! 進化するお米の世界
令和4年(2022年)8月28日放送
日本のパートナー 成長大陸アフリカ
令和4年(2022年)8月21日放送
ワクワクがいっぱい! 魅力あふれる日本の国立公園
令和4年(2022年)8月14日放送
投票しよう! Digi田甲子園
令和4年(2022年)8月7日放送
考えよう! 日本の食品価格事情
令和4年(2022年)7月31日放送
油断大敵 子どもの事故に御用心
令和4年(2022年)7月24日放送
ヤングケアラー 子どもが子どもでいられるように
令和4年(2022年)7月17日放送
ひとりひとりができること ゼロカーボンアクション30
令和4年(2022年)7月10日放送
今こそ考えよう! 暮らしを支える税の世界
令和4年(2022年)7月3日放送
土砂災害 その備えが命を救う
令和4年(2022年)6月26日放送
進化する学校給食の世界
令和4年(2022年)6月19日放送
本物の旅をしよう! 第2のふるさとづくり
令和4年(2022年)6月12日放送
おしゃれの新常識! サステナブルファッション
令和4年(2022年)6月5日放送
世界にコミット! 魅力あふれる日本の農林水産物と食品
令和4年(2022年)5月29日放送
魅力再発見! 暮らしを支えるダムの世界
令和4年(2022年)5月22日放送
相談してみませんか ギャンブル等依存症
令和4年(2022年)5月15日放送
パパ・ママを笑顔にする新しい育児休業制度
令和4年(2022年)5月8日放送
海の安全を守る! 海上保安官の世界
令和4年(2022年)5月1日放送
デジタル・スキルを身につけよう! マナビDX
令和4年(2022年)4月24日放送
転職なき移住! 地方創生テレワーク
令和4年(2022年)4月17日放送
沖縄復帰50周年 その歩みと魅力
令和4年(2022年)4月10日放送
思いやりとゆずり合いで交通事故のない社会を目指して! 春の全国交通安全運動
令和4年(2022年)4月3日放送
どうするの? 災害時のトイレ対策
令和4年(2022年)3月27日放送