沖縄復帰50周年 その歩みと魅力
今では観光地としても人気の沖縄ですが、かつてはアメリカの統治下におかれていました。今回は、「沖縄復帰50周年 その歩みと魅力」というテーマで深掘りしました。

- ゲスト
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内閣府 政策統括官(沖縄政策担当)付 参事官
馬場 純郎
ストリーミング(音声で聴く)
- 放送日
- 令和4年(2022年)4月10日
- 時間
- 16分21秒
- 配信終了予定日
- 令和5年(2023年)4月9日
文字で読む
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青木 - 早速、ゲストをご紹介しましょう。内閣府 政策統括官 沖縄政策担当付 参事官 馬場純郎さんです。まずは、沖縄復帰50周年とは、どういったことなのか、馬場さんからご説明をお願いします。
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馬場 - はい。沖縄は太平洋戦争が終戦を迎えてから27年にわたり、アメリカの統治下に置かれていました。日本本土に復帰したのは1972年5月15日ということで今年は、沖縄復帰50週年の大きな節目を迎えます。
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青木 - 沖縄の日本本土復帰は、沖縄県民そして国民の悲願だったんですよね。
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馬場 - はい。戦後の日本は高度成長期を迎えて大きく成長しましたが、一方の沖縄は27年間アメリカ統治下ということもあり、日本本土の発展とは様々な面で隔たりがありました。
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青木 - 27年間アメリカ統治下だったということで、当時、通貨はドルが使われていて、渡航にはいわゆるパスポート(入域許可書)が必要だったんです。
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足立 - もはや海外ですよね。
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青木 - また、多くのアメリカ軍専用施設が作られたのも統治下でのことです。日本にあるアメリカ軍専用施設面積のおよそ7割が沖縄に集中しているのもこのためです。
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馬場 - 沖縄は、「先の大戦における苛烈な戦禍とその後、27年間に及ぶアメリカ統治という歴史的な事情」、「本土から遠隔で、東西1000キロメートル、南北400キロメートルの広大な海域に多数の離島が点在するという地理的な事情」、「国土面積の0.6パーセントの県土に在日米軍専用施設・区域の70.3パーセントが集中するという社会的な事情」という特殊な事情があります。このことから、日本政府は沖縄が本土に復帰した時に沖縄の振興開発を図るための特別な法律を制定し、時代の変化に合わせて改正などを繰り返しながら沖縄の産業の振興やインフラの整備に積極的に取り組んできました。
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足立 - この50年で成果はあったんですか?
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青木 - もちろんです! 例えば【ダムを作って28年間、給水制限ゼロ】これは沖縄の気象状況や地理的な事情が関連しているんですよね。馬場さん!
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馬場 - はい。沖縄はその地形や河川の性質、気候条件などから、雨が少ないと、すぐに水不足の危機に直面します。沖縄復帰後22年の間で、沖縄本島では給水制限が1130日も発令されました。326日連続して給水制限が行われた時もありました。
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足立 - ほぼ1年、水不足だったということですね。そんな大変なこともあったんですね。
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馬場 - しかし、復帰後、ダムなどの水資源開発の整備を進めた結果、1994年度以降は1度も給水制限が出されていません。
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足立 - それは沖縄県民の皆さんにとって、すごくうれしいことですよね。
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青木 - 社会インフラを整備したことによる成果はまだまだあります。道路や空港、橋の建設などを積極的に行ったことで、観光客や観光収入はともに、およそ20倍に増加しました。
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馬場 - 2003年には那覇空港と首里の間に沖縄都市モノレールも開通しました。沖縄の都市部は慢性的に交通渋滞が発生しており、その緩和を目指して道路整備と共に整備されたものです。その後、路線の延長も実施され、さらに、那覇空港の第2滑走路も増設されるなど、今後もモノレールの乗客数の増加が見込まれることから、車両を現行の2両から3両編成に増やすなど、更なる交通環境の改善を目指していきます。
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青木 - 確かに、この20年の間に観光客が増えたなというのは自称、沖縄フリークの私も感じますね。ここ数年、毎年沖縄に行っていたので、コロナ禍の前は外国人観光客も多く、日本国内のお客さんも賑わっていました。その賑わいの裏には、こういった地域振興があったんですね。コロナ禍が落ち着いたら、また、多くの観光客の方に来ていただきたいですね。沖縄の振興とその魅力はまだまだあります。沖縄振興の成果、続いて注目いただきたいのはこちらです。【リゾート&IT】。
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馬場 - 実は沖縄にはIT関連企業がおよそ500社ほどあります。この20年間で県外から進出したIT企業はおよそ455社。また、沖縄でも新しいIT企業が数多く誕生し、雇用が増えています。
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青木 - 要因の一つに挙げられるのは、沖縄IT津梁(しんりょう)パークの誕生です。この施設は沖縄県が国内外のIT関連産業の拠点となることを目指し2009年に作られました。施設のコンセプトは“リゾート&IT”。沖縄ならではの優れたリゾート環境の下で、IT分野の知的創造活動を行える施設で、ここにはIT企業が入る建物がいくつも整備されています。
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足立 - “リゾート&IT”ということは、仕事で疲れた頭をリゾートでリフレッシュすれば、仕事も頑張れる。相乗効果で良さそうですよね。
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青木 - IT企業はインターネット環境が整っていれば、比較的場所を選ばない産業ですから、沖縄にこうした施設があれば、進出する企業が増えるのも、うなずけますよね。では、続いての沖縄振興の成果、注目いただきたいのは、こちら!【沖縄科学技術大学院大学 開学】!
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馬場 - これは、沖縄において世界最高水準の教育研究を行うことにより沖縄の振興と自立的な発展などを目指し、2012年に開学し、10周年を迎えました。
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青木 - 実は、この大学院大学は素晴らしい成果を収めているんです。世界トップクラスの研究成果データベース【ネイチャーインデックス】における世界の研究機関ランキングで、2019年には、質の高い論文輩出率の日本トップ、世界9位にランクインしています!そして、沖縄振興の成果とその魅力を語る上で忘れてはいけないのが、沖縄を代表する観光地【沖縄美ら海水族館と首里城】です。
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足立 - 沖縄美ら海水族館も沖縄振興の取組によって誕生したんですね。
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青木 - 首里城は2019年に火災が発生しましたけど、今はどんな状況なんですか?
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馬場 - はい。首里城は国営公園事業として復元整備を行ない、沖縄復帰20年に当たる1992年に正殿などが完成しました。その後も整備を続けて全面開園したところですが、お話しされたように2019年に火災が発生して正殿などが焼失してしまいました。正殿の復元は今年中に着工し、2026年までに終えることを目指しています。
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足立 - そうなんですね。少し安心しました。
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馬場 - 沖縄は、沖縄県民の皆さんのたゆまぬ努力もあり、復帰から50年の間に様々な発展を遂げ、今年、「復帰50周年」という大きな節目を迎えます。5月15日の日曜日には、政府と沖縄県の共催により、東京都と沖縄県において、天皇皇后両陛下のオンラインによる御臨席の下、沖縄復帰50周年記念式典を開催することとしています。今回の式典が、沖縄の歴史に思いを致すとともに、未来を見据え、沖縄の魅力や可能性を内外に発信する機会となるよう、努めてまいります。ぜひ、この機会に改めて沖縄を知り、沖縄の魅力や抱えている課題に目を向けてください。沖縄の未来にも、どうぞ、期待をしていただければと思います。
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足立 - 私は今日の話を聞いて、「沖縄美ら海水族館」に行ってみたいという気持ちと、今、復興に向けて着実に着工し始めている首里城、この二つが沖縄を代表する観光地になり、また多くの観光客の方が来るようになったらと思いました。
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青木 - 私は、“リゾート&IT”が印象に残りました。やはり、ビジネスの一つの拠点となりうる場所です。ここから経済も発展して欲しいなと思いました。
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