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みんなで防ぐ高齢者の製品事故(文字で読む)

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

令和3年(2021年)9月19日放送

ラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」のロゴ

みんなで防ぐ高齢者の製品事故(文字で読む)

パーソナリティとゲスト
ゲスト
経済産業省
商務情報政策局 製品安全課長
田中 秀明

家庭内で起きている事故やけが、その原因はちょっとした油断や慣れだった!? 今回は、「みんなで防ぐ高齢者の製品事故」というテーマで深掘りしました。

青木
65歳以上の高齢者の不慮の事故というと、交通事故のほか、どんな事故があると思いますか?
足立
喉に食べ物を詰まらせるとか?
青木
消費者庁の分析調査によると、高齢者の不慮の事故で多いのは、“喉にものを詰まらせる、窒息” “転倒・転落” “気管に水が入る、溺水”で、驚くことに、交通事故より多いんです。毎年、約3万人の高齢者が不慮の事故で亡くなっています。特に心配されているのが、家庭内での不慮の事故です。もともと“喉に物を詰まらせての窒息”や“転倒・転落”、“溺水”の多くは家庭内で起こっています。その上、新型コロナウイルスの影響で、家で過ごすことが多くなりました。運動不足から身体機能の低下が起こり、事故が増えることも考えられています。
足立
こういうところにも、コロナの影響が出ているのですね。
青木
慣れ親しんだ所でも、ちょっとした段差などでけがをしてしまうこともあります。ただ、家庭内での高齢者の事故には、身の周りにある製品を使用中に、思わぬ状況で発生しているものもあるんです。ここからは、スペシャリストにも加わっていただきます。経済産業省 製品安全課長の田中秀明さんです。コロナ禍の今、特に心配されている家庭内での高齢者の製品事故、これにはどういったものがあるでしょうか?
田中
身体機能の低下が考えられるので、やはり転倒・転落には注意が必要になると思います。特に注意してほしいのは、椅子や踏み台を使用する時です。普段から何気なく使っている製品であっても、ちょっとした油断や慣れが、思わぬ事故につながる恐れがあるんです。
足立
踏み台は何となく分かる気もしますが、椅子からも転倒するんですか?
青木
高い所にある物を取る時は、基本的には、踏み台、脚立などを使ってほしい思いがありますが、椅子で代用している方も多いのではないでしょうか。筋力が低下している高齢者の場合、椅子に座って「うたた寝」しているうちに体が前にずれて椅子から滑り落ちて、けがをする場合があるんです。また椅子に正しく座ることができず、体が前にずれて、食べ物を喉に詰まらせる事故も起こっています。
足立
椅子で、こういった事故があるのは、初めて知りました。
青木
自分が気付かぬうちに、身体能力が低下していると、思わぬ事故が起きてしまうんです。
足立
なかなか、自分の身体能力の低下に気付けないですよね。こういった場合、どうすればよいのでしょうか。
田中
そういった事故を防ぐためには、高齢者の体格に合った椅子を選ぶように気を配ってください。
足立
うちのおじいちゃん・おばあちゃんが使っている椅子は、ずっと使っているイメージがあります。椅子を選ぶときは、ついついデザイン重視になりますよね。
青木
高齢者の場合は、体格に合っているかどうかが重要なんです。チェックポイントは、座面の奥行きと高さです。座面の奥行きが深すぎたり、浅すぎたりしないか、深く腰掛けた時に、膝を90度に曲げた状態で足の裏、全体が床にしっかりと付くかなどに気を付けて選ぶと良いそうです。足がきちんと着かないと、何かあった時に踏ん張れないですからね。
足立
とっさに、力が入らないかもしれないですよね。おじいちゃん・おばあちゃんの今の体格にあった椅子を選ぶことが大事なんですね。
青木
まずは、家でチェックして、今の体格に合っていなかったら、一緒に椅子を選びに行くというのも良いですよね。
足立
それから、先ほど踏み台からの転倒とありましたが、これはどういう状況で起こるんですか?
田中
踏み台の場合、もともとバランスを崩しやすい製品であるため、正しく使用していたとしても、転倒する事故が発生しています。また、誤った使い方や不注意から、転倒する事故も発生しています。
青木
バランス感覚も衰えていきますからね。
足立
私たちの年代でも、踏み台を使用するとき、危ないと感じる時があるので、高齢者の方も「ちょっと危ないかも」と思った場合でも、油断してしまうんですかね?
青木
踏み台での具体例を挙げると、階段の踊り場に、完全に開ききらない状態で踏み台を設置していたため、天板が山形になり、その上で作業中にバランスを崩して転倒し、けがをした事例があったそうです。今は元気な高齢者も多いですから、中には「まだ若いから大丈夫」と油断する方もいるのかもしれないですよね。でも、足腰に不安がある場合には、高い所に物を置かない工夫も大切です。もし踏み台を使う場合には、誤った使い方や不注意による事故も少なくないので、取扱説明書をしっかりと読んで、正しい使い方を心掛けてほしいです。
足立
ほかに、家庭内の転倒・転落で注意するべきことはありますか?
田中
床に敷いていたカーペットの上で滑り、バランスを崩して転倒した事例もあるので注意してください。
青木
床や畳に敷くタイプのカーペットは、滑ったり、端が浮き上がり、つまずく原因にもなりますから、テープで床に留め、滑らないようにすると、転倒防止に有効です。
田中
また、段差のある階段や玄関のほか、トイレやお風呂場、リビング、寝室など、座った状態から立ち上がる動作が発生する場所には、あらかじめ手すりを付けると転倒事故のリスクを減らせます。
青木
高齢者にとって利用しやすい手すりを設置するには、取り付ける位置や色など、知識が必要となることから、専門の業者に依頼すると良いそうです。設置後は、手すりにガタつきやネジのゆるみがないかなど、日々、確認することが大切です。
足立
日頃から、家族や周りの人が気を配って環境を整えることも大切なんですね。
青木
ここからは、家庭内で起こる意外な製品事故について深掘りします。高齢者の場合“ガスコンロ”による事故も多く発生しているそうですね。
田中
近年は、安全装置として音が出るものも多いですが、高齢者の中には、聴力が低下して、高い音で鳴る警告音が聞き取りづらかったり、認知機能の低下で、音が何を表しているのか分からなかったりする場合もあるんです。
足立
安全装置が付いているからといって、安心してはいけないんですね。
田中
高齢者の心身の変化に気を配り、警告音が聞こえにくかったり、製品の機能を理解しづらいといった点にも配慮した上で、安全対策をしている製品を選ぶことも大切です。
青木
ガスコンロでは、やけどを負う事故も発生しているんですよね。
田中
ガスコンロを使用中に服に着火し、やけどを負う事故が発生しています。高齢者は、青い炎が見えにくいことも、要因の一つとしてあるのではないかと言われています。
青木
高齢者は、炎が見えにくいことに加えて、動作がゆっくりなため、調理中にガスコンロの炎が、服の袖に着火してしまうリスクが高いそうです。袖が広がっている服は、炎に接しやすいので用心が必要です。事故を防ぐには、着火しにくい防炎機能のあるエプロンやアームカバーを使うと良いそうです。
足立
着火しにくい防炎機能のある服があるんですね。こういうのを、敬老の日にプレゼントするというのも良いですね。ほかにも用心した方がよい、家庭内での事故はありますか?
田中
運動不足を解消するために、家庭内でトレーニング器具を使う機会が増えているように思います。実は、誤った使い方をしたことによる事故も発生しています。
青木
例えば、ルームランナーを使用中に、ベルトの端に足が引っ掛かり、傷を負う事故がありました。原因は、裸足で使用し、停止間際に歩行ベルトから降りようとしたためです。取扱説明書には、「運動靴を履いて使用する」、「裸足で使用しない」、「完全に停止してから降りる」と記載されていたそうです。
田中
そのほか、EMS機器による骨折事故も発生しています。
青木
EMS機器とは、電気的に筋肉を刺激するトレーニング器具です。以前から、骨粗しょう症との診断を受けていたにもかかわらず、医師に相談せずに使用し、骨折してしまった事例があります。製品の取扱説明書には、「骨粗しょう症などの骨に異常のある場合は医師に相談の上使用する」と記載されていたそうです。
足立
どちらのケースも、取扱説明書をよく読んで、指示に従っていれば防げた事故ですね。
田中
トレーニング器具を使用する際は、取扱説明書をよく読み、自己流の方法で使用しないことを心掛けてください。
青木
また、選ぶ際は、体力や健康状態に合った製品を選び、利用者の健康状態で安全に使えるか、販売事業者などへ問い合わせてから購入したり、かかりつけの医師がいる場合は、確認したりする方が安心ですね。
田中
体力や健康状態を過信せず、無理な運動は控え、運動中に異常を感じたら、すぐに使用を中止してください。
足立
おじいちゃん・おばあちゃんにトレーニング器具のプレゼントを考えている方も少なくないと思うので、体力や健康状態を踏まえて、使用しても大丈夫かどうか確認したり、また、一緒に取扱説明書を読んだり、話したりすることが大事なのかなと思いました。
青木
ただ、プレゼントとして送るだけではなくて、その点を踏まえて購入した方が安心ですよね。
田中
高齢者の家庭内での事故を防ぐには、家族や周りの方の協力が必要です。日頃から、高齢者にとって安全な環境を整えるよう心掛けてください。
足立
今回の話で、意外と私の予想外なところで、不慮の事故が起きていることを知りました。一番の驚きは、「椅子からの転落」です。今、考えると、ひいおばあちゃんが使っている椅子は深すぎて、足が着いてないのでは?と思って不安になりました。ひいおばあちゃん、そしておじいちゃん・おばあちゃんの椅子を見直して、体格に合った椅子を買いたいと思いました。
青木
私は、「トレーニング器具を使う場合は、取扱説明書をよく読んで!」ということです。説明書を読むというのは、ちょっと億劫なんですが、気を付けてほしいことが書いてあるので、是非、取扱説明書をご一読ください。

次の放送

放送日
令和4年(2022年)6月26日(日曜日)
放送局によって日時が異なります。

本編

テーマ
土砂災害 その備えが命を救う
内容
『土砂災害』は、命や住宅など大切なモノを奪ってしまう恐ろしいものです。日本は地形的・気象的な条件から土砂災害が発生しやすい国であり、年平均1,450件の土砂災害が発生しています。番組では、降雨だけじゃない土砂災害の発生原因や、身を守るために知っておくべき3つのポイントを深掘り。山あいに住んでいないから関係ないと思っている、あなたの近所にも土砂災害発生の恐れがある『土砂災害警戒区域』があるかもしれません。
パーソナリティ
放送予定(※内容は変更になる場合があります)
「今こそ考えよう! 暮らしを支える税の世界」
令和4年(2022年)7月3日(日)
前回放送分の配信

令和4年(2022年)6月19日(日曜日)

本編
進化する学校給食の世界
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