本文へ移動

ここから本文です

メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和3年(2021年)5月9日放送

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

貧困のない世界へ 子供の未来をサポートしよう(文字で読む)

ゲスト
  • 内閣府 政策統括官(政策調整担当)付 参事官(子どもの貧困対策担当)
    飯田 剛
  • 特定非営利活動法人キッズドア 理事長
    渡辺 由美子

子供たちが未来や夢を貧困で諦めないためにも親や周りにいる人ができる事や様々な支援があります。今回は、「貧困のない世界へ 子供の未来をサポートしよう」というテーマで深掘りしました。

青木
足立さんは、「身近にある子供の貧困」と聞いて、何を思い浮かべますか?
足立
アフリカのイメージが強いです。「子供の貧困」は、時々耳にしますが、身近にあるイメージはないです。
青木
日本にも、生まれ育った環境によって、経済的理由で高校や大学などへの進学を諦めてしまう、一日の中で、栄養バランスの取れた食事が給食しかない、といった子供たちが、私たちの周りにもいるんです。厚生労働省の調査で、相対的に貧困の状況にある子供の割合を表す指標があるのですが、この指標によれば、2018年には、日本の子供のおよそ7人に1人が相対的貧困状態にあることが分かっています。
足立
この現状に、実感が湧かない方は多いのではないでしょうか。
青木
そこで今日は、この問題をよりリアルに深掘りするために、二人のスペシャリストをお招きしました。内閣府 子どもの貧困対策担当参事官の飯田剛さん、そして、NPO法人キッズドアの理事長、渡辺由美子さんです。
青木
キッズドアでは、経済的に厳しいご家庭の子供たちに学習支援を行っているそうですね。
渡辺
東京や千葉、埼玉など首都圏、また、東日本大震災後に宮城県で、年間2千人近くの貧困家庭の子供たちを対象に、学習支援を行っています。小学生から高校生、高校を中退した方、最近では浪人の方も支援しております。
青木
渡辺さんの活動エリアだけで2千人ですから、全国には支援を必要としている子供はもっといるはずですよね。
飯田
給食費や学用品費、修学旅行代の支払いが困難な家庭も多く、そうした就学費用の援助を受けている家庭の小中学生は、2019年度の文部科学省の調査では、全国におよそ134万人とされています。
足立
実際、それだけの小中学生がいる家庭が援助を受けているのに、子供の貧困を身近に感じられないのはどうしてでしょうか?
飯田
子供や親が貧困であることの自覚がなかったり、自覚があってもなかなか自分からは言い出しにくい、といったことがあるからです。また、中には自己責任ではないかという方もいますので、「子供の貧困は見えにくい」「捉えづらい」と言われています。
青木
キッズドアでこうしたことを実感することはありますか?
渡辺
キッズドアが行っている学習会にいらしている方を見ていても、中学生だと制服を着ていますし、多くの子供がスマートフォンを持っているため、貧困かどうかは分かりにくいです。ご高齢の方々の中には、「スマートフォンを持つぐらいだったら、ご飯を食べた方がよいのではないか」と言う方もいらっしゃるのですが、やはり今の子供たちは、例えば部活動などの連絡も、全てLINEで行っているので、スマートフォンがないと、なかなか友達関係が築けないのが現状です。そのため、食費を削ってまで、スマートフォンを持っている子供も多くいます。
青木
様々な事情から十分な収入を得られないご家庭で、子供の貧困の問題が起きていると思いますが、いかがでしょうか?
飯田
例えば、母子家庭で、子供の世話があるのでフルタイムで働けない、離婚した夫が約束した養育費を払ってくれないなど、様々なケースがあると思います。そして、貧困の一番の問題として、貧困は繰り返されるということが分かってきました。そのため、この貧困の連鎖への対策が必要だと思っています。
青木
こうした貧困の連鎖を放っておけば、未来を担う子供の成長が妨げられるわけですから、日本の社会にとって大きな損失と言えますよね。
飯田
政府としても、教育費の負担を軽減するような取組を進めております。例えば、幼児教育・保育の無償化のほか、高校生の授業料の実質無償化などを行っています。また、大学生や専門学校生には、授業料などの減免と、返還の必要のない給付型奨学金で支援を行っています。
足立
授業料が免除されたり、奨学金も返さなくてよいというのは、すごく助かりますね。
飯田
教育費の負担軽減に加えて、例えば、ひとり親で所得の少ないご家庭には、児童扶養手当を給付するといった 経済的支援を行っています。しかしながら、子供の貧困は見えにくいことから、政府の支援のほかに、キッズドアのような地域の方々の活動が必要不可欠となっています。
青木
昨年末に、労働政策研究・研修機構が行った調査によると、“年末に向けて暮らし向きが「苦しい」”と答えたひとり親は、およそ61パーセント。“直近1ヶ月間にお金が足りなくて必要とする食料が買えないことがあった”と答えたひとり親は、およそ36パーセントもいました。また、この調査では、「現在、抱えている不安」について、“コロナへの感染の不安”に続き、“家計についての不安”という声が多く寄せられています。
飯田
新型コロナウイルスの影響も長引いている中、仕事や生活に大きな影響が出ている状況です。収入の少ない子育て世帯などは、特に経済的にも困難な状況に置かれているのではないかと思います。
青木
キッズドアでは、コロナ禍の影響を感じることはありますか?
渡辺
とても感じます。コロナになって、パートに行けないという方も多くいらっしゃいます。仕事ができない中で、普段の貯蓄もほとんどないので、とても困っているという方がいるのが実情です。また、ひとり親も大変ですが、ふたり親家庭でも大変であると感じています。
青木
「見えない貧困」と言いますが、その貧困が身近に、確実にあるということですね。飯田さん、私たちにできる支援には、どんなことがありますか?
飯田
まず、貧困の状況にある子供がいることを知って、関心を持っていただければと思います。そして、全国には子供に低価格で食事を提供したり、塾に通えない子供に勉強を教えるなど、様々なスタイルで、子供の居場所作りを運営しているNPOなどがあります。そうした場所に、ボランティアとして参加したり、物資を提供するなど、まずは、できる範囲でご協力いただければと思います。
足立
そうした活動をしている場所は、どのように探せばよいですか?
飯田
自治体にお問い合わせいただくほか、内閣府の「子供の未来応援国民運動」のホームページでも、子供の居場所作りで実績のあるNPOなどをご紹介しています。こちらのホームページを見ていただくと、NPOなどを地域ごとに紹介していますので、その中から、興味のある団体を見つけていただけると思います。また、こちらの基金への寄付で、NPOなどの活動を資金面でも、応援することもできます。
青木
渡辺さんは、キッズドアを運営されていて、子供の居場所にはどういった支援が必要と感じていますか?
渡辺
貧困家庭の子供たちは、経済的に厳しいだけではなく、例えば家の中に本が少ない、家族で旅行したことが一度もないなど、「文化資本」に恵まれていないことがあります。また、大人とのつながりがとても少ないです。親切な大人と出会い、いろいろな話をするなどして、自分の未来に向かっていくことができたら最高だと思いますので、大人と関わる機会が増えるような支援が必要だと思います。
青木
公的な支援については、いかがでしょうか?
飯田
公的な支援としては、NPOなどが自治体の委託を受けて、子供食堂や学習支援を行う場合、内閣府の「地域子供の未来応援交付金」によって、自治体の委託費の4分の3を補助することができます。
足立
子供たちが行ける範囲に、子供食堂や学習支援教室など、新たな居場所がもっと広がっていくとよいですよね。
青木
また、このコロナ禍で今現在、厳しい状況にある家庭や子供への公的な支援も行われているんですよね。
飯田
収入の少ない子育て世帯に、子供一人当たり一律5万円の給付を行います。また、コロナの影響により収入が減少し、生活資金でお悩みの方に対し、必要な生活費用等の貸付も行っています。貸付の詳細は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会までお問い合わせください。
青木
さらに、今、子供たちは新学期が始まったところだと思いますが、教育資金についての公的な支援もあるんですよね。
飯田
教育費の負担軽減化に加えまして、コロナの影響で、経済的に厳しい状況にある、高校生や大学生の方が利用できる奨学金があります。返済の要らない給付型奨学金の制度もありますので、要件など詳しくは、通われている学校、又は日本学生支援機構にお問い合わせください。
青木
コロナの影響が長引く中で、様々な理由で悩みを抱えている子供たちもいるのではないかと思いますが、これについては、何か公的な支援はありますか。
飯田
児童・生徒への相談体制の充実のため、通話料無料の24時間子供SOSダイヤルを設置しています。電話番号は、0120-0-78310(なやみいおう)です。
青木
ただ、こうした状況に追い込まれる前に、子供の貧困を抱えるご家庭には、どうか様々な支援に頼ってほしいですね。内閣官房の「支援情報ナビ」というホームページをご覧いただくと、先ほど、飯田さんからご紹介いただいたものを始めとして、様々な支援策を知ることができます。「どうせ自分は対象にならないだろう」などと諦めずに、支援を申し出ていただきたいです。
渡辺
コロナの影響が長引いて、1年以上経済活動が滞っている中で、本当に厳しい状況にある方たちが増えています。子供がいるのに、仕事が全くなくて収入がない方、急に収入が減ってしまうご家庭が、たくさんありますので、そういう方たちは一人で悩みを抱えずに、是非いろいろなところに相談してほしいと思います。
飯田
厳しい経済状況にある子供の未来や夢を閉ざさないようにするためにも、今回の番組をきっかけに是非関心を持っていただき、できる事から進めていただけたらと思います。
足立
今日の話を聞いて、日本の子供のおよそ7人に1人が、相対的貧困状態にあることに驚きました。
青木
そうですね。「見えない貧困」と言われていますが、見えていなかった、気付かなかったものがたくさんあるということですね。確かにある身近な貧困に対して、自分たちができることとして、「子供の未来応援国民運動」がありますが、自分に何ができるのか、私自身も何ができるのか、改めて考えたいなと思いました。

バックナンバー

令和3年
(2021年):

ページトップ
に戻る