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メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和3年(2021年)4月25日放送

青木源太・足立梨花 Sunday Collection

あなたのまわりにあるかも、さまざまな性暴力(文字で読む)

ゲスト
  • 内閣府 男女共同参画局 男女間暴力対策課 企画調整官
    田中 麻理

「性暴力」、自分には関係ないと思っていませんか?もしかしたら、気付かないうちに被害に遭っているかもしれません。今回は、「あなたのまわりにあるかも、さまざまな性暴力」というテーマで深掘りしました。

青木
今日は性暴力をテーマにお話をしていきます。
足立
性暴力という言葉を聞くだけで、少し嫌な気持ちになったり、聞きたくないと思ってしまう方もいるかもしれないですね。
青木
「自分には関係ない」と考えてしまう方も多いと思います。でも、今日は「もしも…」という時や、「今、悩んでいる」という方にも知ってもらいたいことをお伝えします。特に、10代、20代の方の中には「何が性暴力なのか」それ自体、よく分からないという方もいると思うんです。
足立
確かにそうかもしれませんね。
青木
性暴力は、同意がない性的行為全てを指します。たとえ恋人や夫婦という関係であったとしても、望んでいない性的行為であれば、性暴力に当たります。
足立
相手が、彼氏・彼女でも、同意がなければ性暴力なんですよね。
青木
はい。内閣府が今年3月に発表した調査結果を分析すると、20歳以上の男女のうち、女性は14人に1人、男性は100人に1人が、無理矢理性交などを伴う被害に遭っていることが分かっています。加害者との関係を見ると、 交際相手や配偶者が多く、ほかには親戚、職場やアルバイト先の関係者、通っていた学校の関係者、SNSなどインターネットで知り合った人、などが挙がっています。そして、被害に遭った時期は、20代が最も多く、10代でも多いことが分かっています。
青木
10代、20代の方が性暴力に遭ってしまうのは、近年性暴力の手口が巧妙になっていることも要因の一つなんです。そこで、どんな手口があるのかなど、内閣府 男女間暴力対策課の田中麻理さんに加わっていただいてご紹介していきましょう。
青木
10代、20代の方に対する性暴力の巧妙な手口、田中さんからご紹介していただけますか?
田中
まず、近年被害の相談が寄せられているのが「レイプドラッグ」です。睡眠薬などの薬を飲物や食べ物に混ぜて、相手の意識を朦朧とさせ、抵抗できない状態にして性的行為をする手口です。
青木
こんな被害事例があります。「カラオケボックスでトイレに立ち、戻った後に残っていた飲物を飲んだら、意識が朦朧として、気が付くと服を脱がされた状態で、ソファーの上に一人で取り残されていた。」
青木
もう一つ、こんな被害事例もあります。「仕事の打合せの際に、出された飲物を飲んだら、急に眠くなり、気が付くと服を脱がされた状態で、床に倒されていた。」少し、信じられないのですが、本当にあった事例なんですよね。
田中
そうですね。薬はお酒だけでなく、お茶やジュース、食べ物など何にでも混入できますから、残念ながら、どんなシーンでも「レイプドラッグ」による被害が起こる可能性はあります。ただし、こうした手口があることを知っておくだけでも、被害を避けることにつながりますので、覚えておいていただけたらと思います。
青木
ほかにも、10代、20代の方に対する性暴力の巧妙な手口として、SNSを利用した性暴力もあるんですよね。
田中
はい。「SNSで知り合った人に『服を着替えられる?』など言葉巧みに誘導され、送信してしまった自分の裸の写真や動画を勝手に掲載される」という性暴力もあります。このケースは近年増加傾向にあり、被害者のおよそ9割が中学生と高校生です。
足立
確かに、中学生や高校生は、これが性暴力になるという事が分からないかもしれないですよね。触るという行為が伴っていなくても、性暴力になるんですね。
田中
はい。同意なく裸や下着姿の写真などを、ほかの人が見られる場に掲載することは、同意のない性的行為であり性暴力に当たります。送信相手にだけ見せているつもりかもしれませんが、知らないうちに被害に遭ってしまっているんです。
青木
そのほかにも、SNSを利用した手口には「なりすました相手からの性暴力」もあるんですよね。
田中
はい。「SNSで知り合った人と会ってみたら、イメージとは全くの別人。怖かったが逃げ出せずに性暴力に遭ってしまった」というケースもあります。
足立
実際に会っていないから、どういう人かまで見極めることは難しく、いくらでも偽れてしまいますね。
青木
SNSは、同じ趣味を持つ者同士や、普段知り得ない人とつながることができることが、大きなメリットですが、同時に、その人が本当に良い人なのか分からない、偽りがあるかもしれないという点をしっかり押さえないといけないですね。
青木
性暴力にはほかにも、アダルトビデオへの出演強要や、客から性的行為を強要されるリスクのあるバイト、いわゆる「JKビジネス」、さらにはお酒で酔わせて、抵抗できない状態にして性的行為をするもの、セクシュアルハラスメント、痴漢などがあります。
足立
セクシュアルハラスメントも痴漢も、性暴力に当たるんですね。そういうふうに認識していない方もいるかもしれないですね。
田中
特に、若い方は自分がされたことが性暴力だと思わず、モヤモヤだけが残り、時間がたってから被害に気が付く場合もあります。だからこそ、何が性暴力になるのかを知り、適切な対応を取れるようにしておくことが大切なんです。
足立
では、もし性暴力に遭ってしまった場合、どうすればよいですか?
田中
性暴力に遭った直後は、驚きや混乱で何をしたらよいのか全く分からないと思います。また、時間がたって、誰かに相談したくても、恥ずかしくて言えないという方も多いと思います。そのため、電話で相談できる性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが全ての都道府県に開設されています。
青木
このワンストップ支援センターは、性犯罪・性暴力被害者のあらゆる相談に寄り添い、どうしていくのがよいかを一緒に考えるところです。例えば、被害直後であれば緊急避妊薬を処方してくれる病院を紹介し、適切な診察を受けられるように案内したり、心のケアを行える病院を紹介したりします。また、必要に応じて病院に付き添うこともあります。
足立
それは心強いですね。
青木
警察に行く場合も、必要に応じ付き添って、被害届の提出から、捜査のための事情聴取などの同行支援を行います。また、法的手段を考える際、弁護士の紹介なども行います。
田中
ワンストップ支援センターは、総合的な支援を可能な限り1か所で行い、被害を受けた方の心身の負担を軽くして、健康の回復を図るとともに、被害が見えなくなってしまうことを防ぐことを目的としているので、様々なサポートを提供してくれるんです。
足立
被害が見えなくなってしまうというのは、どういうことですか?
田中
性暴力を受けた方は、恥ずかしさなどから誰にも相談しない、できない場合が多いんです。そのため、性暴力が見過ごされてしまうことが心配されています。
青木
ちなみに、内閣府の調査によると、無理矢理に性交などをされた人のうち、およそ6割が「誰にも相談しなかった」と答えています。
足立
意外と多いですね。
青木
相談しなかった理由には、「恥ずかしい」「誰にも知られたくない」のほか、「自分さえ我慢すればいい」「相談しても無駄」「思い出したくない」「相手の行為は愛情表現だと思った」「相手の行為が理解できず被害を受けたとは思わなかった」「他人を巻き込みたくない」そして、「自分にも悪いところがあると思ったから」などもあるんです。
田中
ここで注意していただきたいのは、「自分も悪いところがあると思ったから」という理由です。性暴力を受けた方の中には、このように自分を責めてしまう方も多いんです。
青木
例えば、痴漢に遭った方は「スカートが短かったからいけなかった」、「レイプドラッグ」の被害に遭った方は「飲みに行ったのがいけなかった」、裸の自撮り写真を公開されてしまった方は「SNSで知り合った人に、自撮り画像を送った自分が悪かった」、などと思ってしまう方がいるんですよね。
田中
そうなんです。でも、性暴力に遭った方が悪いことは全くありません。
足立
悪いのは加害者ですからね。
青木
そのとおりです。例えば、今日取り上げた「レイプドラッグ」ですが、相手の意識を朦朧とさせ、性交やわいせつな行為を行うことは、刑法の処罰の対象となり得ます。また、もし、自分の家族や大切な人が被害に遭ったら、とても悲しくなると思います。絶対に加害者にならないでください。
足立
被害者の方には、決して自分を責める必要はないということを伝えたいですね。
青木
被害を受けた方に、そんなふうに思わせてしまわないためにも、今日の番組を通じて「何が性暴力なのか」を多くの方に知ってもらいたいですね。絶対に許してはいけないということを浸透させて、性暴力のない社会を作っていくことが大切です。
田中
もし今、不安な気持ちの方がいたら、「この程度で相談してもいいのかな…」などと思わずに、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへお電話ください。
青木
電話番号は全国共通、#8891です。「はやくワンストップ」と覚えてください。こちらに電話をいただくと、最寄りのワンストップ支援センターにつながり相談員の方と直接お話ができます。女性の相談員もいますので、希望がある場合は伝えてください。受付日時は各センターによって異なりますので「ワンストップ支援センター」で検索してください。
田中
また、内閣府では、チャットで相談できる「性暴力に関するSNS相談キュアタイム」も実施しています。電話は苦手という方は、是非、「キュアタイム」で検索してみてください。
足立
少しでも不安がある方は、まず話して楽になってほしいですね。
青木
無理矢理の性交などを伴う性暴力の被害に遭ったことがある方、女性は14人に1人、男性は100人に1人、この数字に驚きました。なかなか、目には見えないものですし、普段の会話の中で出てくることではないので、表には出ていないけれども、これだけの人が性暴力に悩んでいるという現実があるんですね。

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