メディア別の政府広報

内閣府大臣官房政府広報室が企画・制作した各種広報をメディア別に紹介しています。

ラジオ番組

令和2年(2020年)11月15日・11月16日放送

柴田阿弥とオテンキのりのジャパン5.0

裁判員って何するの?裁判員制度をよく知ろう!(文字で読む)

ゲスト
  • 最高裁判所
    事務総局 刑事局 第二課 課長
    市原 志都
柴田
今日のゲストは、最高裁判所刑事局第二課長の市原志都さんです。市原さんは裁判官として、ついこの間まで法廷で裁判をされていたそうです。
柴田
まず、「裁判員制度」は司法に関わりのない人も裁判に参加する制度だと思いますが、改めて簡単にご紹介いただけますか。
市原
はい。裁判員制度は、国民の皆さんから選ばれる裁判員に、刑事裁判に参加していただく制度です。
柴田
裁判員が参加する刑事裁判というのは、具体的にはどのような事件が対象になりますか?
市原
例えば殺人事件や強盗をして人にけがをさせた事件など、国民の関心の高い重大な犯罪に関する事件です。
柴田
裁判員制度が始まった背景を教えてください。
市原
国民の皆さんに裁判に参加していただくことで裁判の進め方やその内容に皆さんの視点や感覚が反映されるとともに、実際に参加して頂くことで裁判がより身近に感じられて司法への信頼が高まっていくことが期待されて始まりました。
柴田
この時期に裁判員制度のお話をしてくださる理由は何かありますか?
市原
はい。来年、裁判員に選ばれる可能性のある方に、そのことを通知する封筒が間もなく届くからです。毎年11月中旬に通知をお送りしています。今回は、この封筒がおよそ23万6千人の方に届きます。
柴田
今、サンプルが手元にありますが、コンビニのお弁当くらいの大きさのクリーム色をした封筒の中に、裁判員制度を説明する冊子と書類、返信用の封筒が入っています。
のり
誰でも裁判員になる可能性があるのですか?
市原
はい。20歳以上で選挙権のある方は、原則どなたでも選ばれる可能性があります。
のり
この封筒が届いたおよそ23万6千人の方々は、必ず裁判員になるのですか?
市原
必ずしもそうではありません。この通知は来年2月頃からおよそ1年間、裁判員になる可能性があることをお伝えするものです。そのため、封筒が届いた段階では、すぐに裁判所にお越しいただく必要はありません。封筒には裁判員になれない職業に就いているかどうかや、この段階で辞退を希望されるかどうかなどのご事情を記載していただく書類も同封しています。
のり
裁判員になれない職業があるんですね?
市原
はい。裁判員になることができない職業としては、例えば、国会議員、司法関係者や自衛官などが挙げられます。
のり
辞退もできるのでしょうか。
市原
はい。70歳以上の方、学生のほか、例えば子育てや介護でお忙しい方などは辞退することができます。
のり
仕事が忙しいというのは辞退の理由になりますか?
市原
それだけでは辞退できません。
柴田
どんな状況であれば、仕事が忙しいという理由で辞退できますか?
市原
重要な仕事があり、ご自身が処理しなければ事業に大きな損害が生じる場合には、辞退が認められます。
柴田
その人がいないと仕事にならない、代理もいない、というケースでないと、仕事を理由には裁判員を辞退できないということですか?
市原
基本的にはそのとおりです。柴田さんが辞退をご希望される場合には、例えばラジオの収録の予定があって変更ができないなどといった具体的なご事情を伺うことになります。
柴田
実際に裁判員として選ばれるまでの流れを教えていただけますか?
市原
まず刑事裁判の事件ごとに、くじで裁判員候補者を選びます。選ばれた方には、およそ2か月前までに裁判員裁判の日程などが書かれたお知らせが届きます。この段階で改めて辞退のご希望をお聞きして、辞退が認められた場合には裁判所にお越しいただく必要はなくなります。
のり
辞退せずに候補者になったあとは、どのような流れとなりますか?
市原
裁判員の選任手続きの当日に裁判所へお越しいただき、予定されている日程にご参加頂けるかどうかなどを改めてお聞きします。
柴田
最終的には、くじで6人の裁判員が選ばれるのですよね?
市原
はい。6人の裁判員に加え、数人の補充裁判員も選ばれます。裁判員や補充裁判員に選ばれなかった場合は、ここで全ての手続が終了となります。
のり
実際に裁判員に選ばれたら、何をするのですか?
市原
裁判員の役割は大きく分けると三つあります。一つ目は法廷での審理に出席すること。二つ目は被告人が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑にするのかを裁判員6人、裁判官3人で議論して決めること。三つ目は判決宣告に立ち会うことです。
柴田
法律の知識も必要ですか?
市原
いえ、法律の知識や事前の勉強は必要ありません。法律の知識が必要な場合は裁判官から分かりやすく説明します。検察官や弁護人も審理が分かりやすいものとなるよう工夫していますし、多くの書類を読むということもありません。
柴田
裁判の日数は、どれくらいかかるのでしょうか?
市原
事件の内容によって異なりますが、5~6日前後で終わるケースが多いです。これは裁判員裁判を始める前に、裁判官、検察官、弁護人の間で分かりやすい審理となるように、事件の争点や証拠を整理しているためです。
柴田
もっと日数がかかるのかと思っていました。法廷では、裁判員は具体的に何をするのでしょうか?
市原
検察官や弁護人の説明を聞いたり、証拠品を見たり、証人や被告人の話を聞いたりします。証人や被告人の話について確認したいことがあれば、直接質問することもできます。
柴田
新型コロナウイルスがはやっているので、人が多い場所に行く事に不安があるのですが、何か対策などはされているのですか?
市原
裁判員の方々に安心して参加していただけるよう、裁判所では、いわゆる“3つの密”を避けて、広い部屋を使用して換気を行うなど、様々な感染防止対策を行っています。
のり
裁判員になったことは誰かに話してもよいのでしょうか?
市原
裁判員候補者や裁判員になったことを家族などに話したり、仕事の日程調整のために会社の上司などに報告したりすることは問題ありませんが、例えばSNSで公表するなど、不特定多数の人に伝えることは禁止されています。ただし、選任手続きで裁判員に選ばれなかった場合や、裁判員としての職務が終わった後であれば、公にしても問題ありません。
のり
裁判員としての仕事が終わった後なら裁判員としての経験を話してもよいのですね?
市原
はい。評議の中で話したことは、率直な意見交換を確保するために秘密にしていただく必要がありますが、公開の法廷で見聞きした事件の内容や、判決の結論、あるいは裁判員として裁判に参加した感想や経験談などは、話していただいて問題ありません。これから裁判員になる可能性のある方々のためにも、裁判員を務めた率直な感想や経験談を周りの方々に積極的にお話しいただきたいです。
のり
自分が裁判員になったときに、貢献できるかなあっていう心配もありますが…。
市原
是非普段の柴田さんやのりさんのままでご参加いいただければと思います。様々なバックグラウンドや経験をお持ちの裁判員の方々と裁判官が一緒になって議論することで、多角的で深みのある判断ができると思います。実際、私自身も、裁判員の方々と事件について一緒に議論をしますと、自分では気付かなかった視点に気付かされることも多く、とても勉強になりました。そうした経験を通じて、自分自身も裁判官として成長できたのではないかと感じています。

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