音声広報CD「明日への声」トラックナンバー5 vol.96(令和6年(2024年)3月発行)

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(イントロダクション:女性ナレーター)

近頃、手口が巧妙かつ凶悪化した侵入犯罪が相次いで発生しています。店舗だけではなく一般住宅も被害に遭っており、金品のみならず、ときには人命が奪われる事態にまで発展しています。侵入犯罪の手口を理解し、警察が勧める効果的な防犯対策を知っておくことで、自分や家族の命と財産を守りましょう。

(本文:Q.女性ナレーター/A.男性ナレーター)

Q1:一般住宅を狙った強盗事件などのニュースで、近頃荒々しい手口が目に付きます。空き巣や強盗などの「侵入犯罪」は増えているのでしょうか?

A1:空き巣などの「住宅を対象とした侵入窃盗」は2004年以降連続して減少しています。ですが、凶器などで住人を脅して金品を強奪する「住宅を対象とした侵入強盗」に関しては、2005年以降、減少傾向が続いていたものの、2022年には増加に転じました。さらに、手口の巧妙化・凶悪化も進んでおり、防犯対策の一層の強化が求められています。

Q2:侵入者はどのような場所から侵入しているのでしょうか?

A2:2022年に警察庁が公表した「侵入窃盗の侵入口」によると、一戸建て住宅やマンションなどの共同住宅では、「窓」と「表出入口」からの侵入が全体の7割以上を占めています。

Q3:「窓」と「表出入口」からの侵入が多いのですね。それでは、侵入者はどのような手口で侵入しているのでしょうか?

A3:先ほどの警察庁の公表資料によると、一戸建て住宅やマンションなどの共同住宅では、空き巣を始めとした侵入窃盗の多くは「鍵の掛かっていない箇所」から侵入しています。どんなに強固な建物部品を設置しても、鍵を掛けなくては意味がありません。「少しの間だから大丈夫」と玄関などの鍵を掛けないままゴミ出しに行ったり、洗濯物を干したりすることがないよう、日頃から少しの外出などの場合でも必ず施錠をする習慣を身に付けましょう。

Q4:侵入犯罪から身を守るためにどのようなことに気を付けたらよいでしょうか?

A4:住宅への侵入犯罪は、いつ、どんなときに被害に遭うかは分かりません。自分や家族の命と財産を守るためには、一人ひとりが高い防犯意識と正しい防犯知識を持つことが大切です。在宅や帰宅時の行動、住宅の防犯対策など、警察庁が推奨している侵入犯罪に対する自主防犯行動があります。これについてご紹介します。

Q5:では、はじめに「在宅・帰宅時の行動」について教えてください。

A5:はい。外出先から帰宅した際は、背後や周囲に人がいないかよく確認するようにしましょう。また、在宅時は、出入口や無人の部屋の窓に鍵を掛ける習慣をつけ、自宅に訪問者が来たときには、不用意にドアを開ける前に、ドアスコープやインターホン越しなどで確認しましょう。宅配業者の訪問を偽装した手口などもありますので、荷物の受取りに宅配ボックスを活用するなど、宅配の荷物を直接受け取らない方法をとることが大切です。

Q6:次に「住宅の防犯対策」について教えてください。

A6:日頃から建物周囲を整理整頓し、侵入されにくい環境を整えておくようにしましょう。玄関をツーロックにする、窓に補助錠を取り付けるなど、防犯設備を充実させることも重要です。建物部品などを選ぶときは、防犯性能の高いものを選ぶようにしましょう。また、旅行など長期不在にするときは、隣近所へ声を掛け合ったり、郵便物・新聞などの配達を止めるなどの対応も有効です。

Q7:このほか、日常で心構えをしておくべきことはありますか?

A7:自宅に必要以上の現金を置かないようにしましょう。電話などで在宅状況、家族の状況、資産状況を聞かれても答えてはいけません。また、合鍵の不正作製を防止するため、鍵を家族以外の人には「見せない」「渡さない」、写真や動画で「写さない」ことを徹底しましょう。そして、不審を感じた場合には、ためらうことなく110番通報するようにしてください。

Q8:防犯対策を取る上で、地域との連携は大切になってくるのでしょうか?

A8:はい。侵入者は、住人が不在にしている時間帯のほか、侵入のしやすさ、逃げやすさなどを事前にチェックするために、地域や住宅の下見を行うことが多いといわれています。そのため、侵入者は「近所付き合いが良く、連帯感のある住宅街」を嫌うといわれており、下見の際にチェックする項目には、人通りの少なさや、地域住民が挨拶などを交わしているかなどの「地域環境」も含まれます。また、ゴミの指定日や指定時間以外にゴミが出ている地域は、住民の地域への関心が低いと思われるのか、侵入者にとっては安心感を与えるといった傾向もあります。日頃から、ゴミの収集日など地域のルールを守り、近所付き合いを大切にしておくとよいでしょう。

Q9:鍵の掛け忘れといった不注意を減らすなど、ちょっとしたことで侵入犯罪の防止を図ることができると思いますが、それだけでは不十分な場合もあるかと思います。侵入犯罪に巻き込まれないためには、物理的な防犯対策も重要となるのでしょうか?

A9:はい。ガラス破りやピッキング、ドア本体をこじ開けるといった荒々しい手口の侵入犯罪も発生しています。このような手口に対応するため、「CP部品」という防犯性能の高い建物部品を導入して、侵入口となる窓や玄関口などの物理的な防犯対策を強化することも効果的です。

Q11:CP部品とはどのようなものなのでしょうか?

A11:「防犯性能の高い建物部品」として認定された部品で、「防犯性能の高い建物部品目録」に公表されています。建物に侵入する際、「5分以内」に侵入することができなければ、約7割の侵入者は侵入を諦めるといわれています。そのため、建物部品の防犯性能の目安の一つに「5分間、侵入のための人為的破壊行為に耐えられるかどうか」という評価基準があります。この人為的破壊行為に耐えられる時間を「抵抗時間」と呼び、ドアや錠など商品ごとに定められた試験を行い、抵抗時間が5分間以上であることを確認されたものなどが認定されます。

Q12:CP部品にはどのようなものがありますか?

A12:2023年11月時点で、ドア、錠、サッシ、ガラス、ウィンドフィルムなどの17種類3,464品目が認定されています。なお、CP部品は、試験によって5分間以上の抵抗が確認されたものですが、侵入を完全に防ぐものではありません。

Q13:CP部品の導入以外にも、侵入者が侵入を諦めるような物理的な犯罪対策はありますか?

A13:はい。センサーライトや防犯カメラを外部から見える位置に設置し、侵入しにくい家であることをアピールするとよいでしょう。「この家は侵入しにくいな」と思わせることも防犯のための一つの方法です。防犯カメラはダミーのものではなく、実際に録画機能があるものを選びましょう。さらに、死角が発生しないよう、複数のカメラを取り付けるとなお良いでしょう。

(エンディング:女性ナレーター)

侵入犯罪は、巧妙かつ凶悪な手口が増えています。最新の防犯知識を得て対策を立てるとともに、不審な人がいた、何かがおかしいという異変を感じたら、ためらうことなく110番通報することが大切です。また、今回紹介した対策はあくまでも一部ですので、自分が住む地域や生活スタイル、住まいの状況に合った対策が必要になります。詳しく知りたい場合は、警察庁の防犯サイトを確認しましょう。「住まいる防犯110番」と検索してみてください。

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